悪名
「あれから誰も近づいてこないな」アルグランドは、腹を抱えて笑った。
「だってさ、うざかったんだもん」リューナは、恥ずかしくてさでいっぱいになっていた。
「龍牙、やりすぎ!」と刹那は、頑張って龍牙を止めた。
「あんな、連中にはこれくらいが丁度いいわ」龍牙は、反省する気なかった。
「大体、刹那も、うざかったろ?」
「てめーの為でもあるんだぜ?」
「利害の一致って奴だ」龍牙は、ニヤリと笑った。
確かに刹那も、目障りとは少しは思っていた。
しかし、強行手段を選ぶのは、違うと刹那自信は、考えていたが、龍牙は、違っていた。
彼女は、刹那より凶暴である。
人間を思いやる心がないのだ。
別世界の元譲に対し、少し怒りを覚えた刹那だった。
「にしても、リューナは、不思議な奴だな。まるで二重人格みたいな奴だ」アルグランドは、リューナに対して少し違和感を感じていた。
「まー、私には、悪と善の心があるからね。アルグランドには、言っておくけど、私は、聖獣に転生してもらい、その時に一緒に別な魂が入ったの。だから、あながち、間違えてはないよ」
「人間には、色々あるからね。少しばかりの不幸だよ」リューナは少し悲しい顔浮かべた。
「人間には、色々あるか。俺も転生者だ。なんとなくわかる。機械といえ魂があるとしよう。悲しい運命を受けて尚、生きなきゃいけないのだろう。嫌な話だよな。なんとなくわかるよ」アルグランドは、リューナの肩を叩き励ました。
「待って、転生者って言った?その口振りからすると・・・・兵器だった?」リューナは驚いた。
「お、よくわかったな。兵器だったぞ?アーマードガールズって言うんだけどさ、前世では、孫権って言うんだけど、わかるか?」アルグランドは、リューナに尋ねた。
「孫権!孫権だって!じゃー私わかる?趙雲だよ。孫権」リューナは、喜んだ。
「趙雲か!久しいな。まさか、同じ世界で一緒になろうとはな」アルグランドは、双剣を魔法で生み出し、リューナに斬りかかった。
リューナは、メイスで斬撃を防いだ。
「武器が違うけど、この気配は、間違いなく趙雲だ。前世では、よくもやってくれたな。修理してもらったが、この恨み忘れてはいないぞ」アルグランドは、連続で攻撃を繰り出した。
「それは、前に謝ったはずだ!」リューナは、メイスで全てを防いだ。
「もしかして、ここは、壊れたアーマードガールズ達が来る場所なのか?」リューナは、攻撃を防ぎながらアルグランドに尋ねた。
「おそらくな!」アルグランドの猛攻は、しばらく続いた。
その様子を見た生徒達は、二人を斬滅王子と殴殺姫と呼んだ。




