母親との対決
「リューナ。魔法で大きくなったんだよな?」
「しかも、あの様子だと戦い慣れしてるよな?」
「お前は一体何者なんだ?本当に私達の子供なのか?」フレデリックは、リューナに尋ねた。
「私は、転生して、父上と母親の子として生を受けました」
「そして、悪と善、光と闇を両方とも兼ね備えて生まれました」
「そして、聖獣の加護を授かり、高い魔力を持って平和にしろと言われました。よって、全ての脅威に対し、殲滅する為に生きるよう言われました」
「それが私、リューナなんです」とリューナは、真剣な表情で応えた。
「そうか、だが、養子と思えばいいわけか」深呼吸するフレデリック、その会話をただ聞くしかなかったアルテーシアは、優しくリューナを抱きしめた。
「本当は、もっと女の子らしく育って欲しかったけど、神がそれを許さなかったのでしょう?可哀想にリューナ」
「貴女は、戦闘兵器にさせられたのでしょう?平和に暮らす為には、機械獣と戦わないといけない」
「それでも、リューナには、武器を持ってほしくはない」
「私は、貴女の母親です」
「これだけは言わせて元気に過ごしてくれればいいの」
「武器をとらないで欲しい」とリューナにお願いしてきた。
「だけど、損するだけの生き方なんですよね?戦いって、でも、他人を平和にさせることは出来ます」
「確かに女の子としての生き方を私は、前世で置いて来ました」
「これは避けれないのです。お赦しください」
「だけど、約束します。絶対に死なないと力尽きたりは、しません」
「生まれながらの戦士だから、負けたりはしません。前世では、泰平の世にしてきました。今回もしてみせます」
「なら、元聖騎士だった私と戦って、賭けるのは貴女の人生」
「私に勝てたら、その生き方をしてもいい」
「だけど、貴女が負けたら、女の子として生きてもらいます」
「表に出なさい。リューナ」とアルテーシアは、母親の顔から、国を守る顔になった。
本気でくるとリューナは、そう感じて自分も本気で戦う覚悟をした。
「はい」
「龍牙、勝つぞ。過去はどうであれ今は、二人で戦うしかない」
「そうだな。世界を平和の前に負けちゃぁ自分達の人生が、変わってしまう」
「いいぜ、二人で一人だからな。私も、過去を振り切ってやる」
「刹那には負けられないからな」
「バランスブレイクと行こうか」と龍牙もその気になった。
「うぉぉぉ」刹那と龍牙は、気合いを入れた。
「母様、本気でいかせてもらいます」
「破ぁぁぁぁぁぁ」とリューナは、叫んだ。すると、神々しい白い角と禍々しい黒い角が生え、全身に黄金の甲冑を装着した彼女が誕生した。
リューナは、メイスを構えた。
「魔力で防具を」
「貴女は、どこまで」
「でも負けないし、手は抜きませんよ。リューナ」とアルテーシアは、聖剣を構えた。
「いくぜー!」とリューナが音速を超えた速度で母親であるアルテーシアに襲いかかった。
「そんな直線的な動きで勝てるとでも?舐めるな!小娘」とアルテーシアは、分身してリューナの攻撃を躱した。
「機械獣こどきに勝って自惚れてるから、発した言葉なら、粉々に打ち砕いてあげますよ。この私がぁぁ」と聖剣を目には映らない速度で振ってきた。
リューナは、それに反応し、聖剣ごと母親であるアルテーシアをメイスでぶっ叩いた。
「勝った!」刹那は、喜んだ。
しかし、龍牙が叫んだ。
「まだだ!避けろ」リューナは、右四十度後方に避けた。
「嘘!?」とアルテーシアは、奥の手の魔力弾を手のひらから放ったが、リューナは、既に避けた後だった。
アルテーシアにリューナは、勝利した。
「肉を斬らせたのに骨持っていけなかった」アルテーシアは、魔力で自己再生で全身を回復させた。
「やるわね。前世の貴女は、武将か何かかしらね」
「完敗だったわ」とアルテーシアは、地面に倒れた。
「やったー!強かったー」とリューナは、喜んだ。
「大した娘だ。Sランク冒険者の俺ですら、目で追えなった」
「ご飯にしよう。二人とも」フレデリックは、リューナとアルテーシアをご飯に誘った。




