学園騒動Ⅲ
フルアーマーになった趙雲刹那は、女子生徒の注目の的になっていた。
「趙雲、かっこいいね」
「やっぱり生み親は、機体に対する熱意が違うね。趙雲見てると」
「あれに、勝てるわけがない」
「自分の機体は、やっぱり特別扱いするよねー」と元譲と刹那は周りから散々言われた。
「仕方がないことですよ。マスター、全ては、平等でも、対等でもないですから、気にしたら負けです」と趙雲は、堂々としていた。
「自分は、失敗しちゃったか?って考えてるのバレバレか刹那には」と元譲は、ため息をついた。
「全てにいい人は、自分が疲れるだけですよ。マスターは、マスター自分でしたいようにした。それだけじゃないですか?行動と結果があり、マスターが行動を起こし、結果が今の状況なわけです。結果は、自分にとっていいものばかりではないのは当たり前の話ですよ。それに依頼したのはこの私、趙雲です。マスターが気にすることではないですよ」と刹那は、マスターである元譲を慰めた。
「後悔は、先に立たずか。よく言ったものだな。刹那もそう思うよね?」
「後悔しようが、状況がよくなるわけでもありません。気にしてたら病みますよ。マスター」と刹那は、マスターを心を気遣った。
元譲は、思わず涙流しそうになった。
「いいんですよ。辛い時は、辛いで、涙は、恥ではないです。周りに理解してもらおうとするのが、そもそも間違いなのですから、他人という存在は、違うディバイスで互換性もないのですから。理解しろが無理な話なのですよ下手に考えると頭おかしくなりますよマスター」と刹那は、元譲の頭を小さい手で撫でた。
「私が全てを黙らせる。その為に私達、アーマードガールズが存在する。人間は、そう自分のことしか考えてない。それが真実なのですから」と刹那は、武器を展開した。
「人間を殺そうと思えば殺せる兵器が学園の秩序を守る為に存在するおもちゃとして、ロボット三原則、人間を襲わない。人に尽くす、そして自身を守る。マスターは、ロボットに感情を植え付けるのに成功した人物。それ自体がマスターを傷つけているのなら、なんとかしてやりたいけど、私には術がない。ロボットも人間も実はそんなに大差ないのかもしれない。だからこそ、マスターを守りたいのかもしれない。だけど、呂布檬玄には、ロボット三原則を無視してる節がある。マスターにロボット三原則を自分に無視しろと命令を下させてリミッターを外させるか?それだと、私は、小さい殺戮兵器になるもっと重たいものをマスターに背負わせる羽目になるか。」と刹那は、色々とマスターの為に考えた。
しかし、答えは出なかった。
そこに落ち込んでる元譲の前に学園の生徒会長である周瑜桜とその愛機である劉備桜花が姿を見せた。
「どうしたのですか?というのは、野暮ですね。内情は、聞きましたよ。元譲さん、機体をフル改造したとか、学園で騒ぎになってました。後先考えずに行動したから今、落ち込んでる。違いますか?元譲さん」と桜は、元譲に尋ねた。
「私は、秩序を見出している奴を倒すために・・・・と考えて刹那をフルアーマーにしたんだけど・・・・間違いだったんですかね?生徒会長」と元譲は、尋ねた。
「ただ、周りの風紀が乱れに乱れ、今や乱世と言ってもいいでしょう。他の生徒とも戦う未来が間近にあるのは、確か、力で支配するやり方を学園長が望んでいたからの今、生徒会は、学園長を倒す為に作られた組織、貴女もその一人、違う?勝つ為の力が必要。必要悪よ元譲。ご友人の件も然り、これから生徒会を狙ってくる連中もいるでしょう。それを倒さなくては、我々は、前には進めない。本校は、戦場になんですよ。戦わなければ、平和の学園生活が築けない。そこまで来てしまったのです。あちこちに設けてられたバトルフィールドがその証拠。我々は、我々の正義の為に戦うのが運命。元譲、それからは逃れませんよ?刹那もおそらく同じ考えでしょう。違いますか?刹那」と桜は、刹那に尋ねた。
「確かに平和を築く為には、学園を手中に収めるしか手がないのは最早、言うまでもなくその通り、生徒会長は、間違えてない。マスター、戦うべきです。それが、宿命ですよ。学園長との話を無碍にする気ですか?マスターは、思い出してください。学園長と戦った覚悟をもう一度、見せて欲しいです。私に刹那に」と元譲に刹那は、訴えかけた。
「そうだね。今は、最早、乱世。戦う以外に道はなし。ありがとう、刹那、桜さん」と元譲は、自分で自分の頬を両手で叩いた。
「一人の将を奮起させるのも、骨ですね。でも今は、刹那と元譲には頑張ってほしい。それが私のマスターの願い簡単には負けないでくださいね。元譲、刹那」と劉備は、二人に告げた。
「行こう。マスター」と桜花は、マスターでいる桜の制服を軽く引っ張った。
「では、よろしくお願いしますね。元譲、では」と桜は、その場を立ち去った。
「疲れたー」と元譲は、再び机に倒れた。
「劉備桜花、あの子も中々出来る。味方でよかったと思う」と刹那は、感心した。