不穏な動きⅡ
「名前も碌に知らないのにさ、いきなりすぎじゃない?」
「まず、名を名乗れ」と元譲は、怒鳴った。
「確かに、その通りだ」
「すまない姫」
「俺の名前は、隠密武巳。以後、よろしく」
「ひ・・・・姫?ホストか・・・何かか?」
「でも、一つ言うけど・・・・チャラい男には興味ないの」と元譲は、告白を断った。
「刹那!威嚇射撃」と元譲は、刹那に指示を送ったが、返事が返って来なかった。
「どうしたの?刹那」と元譲は、心配になった。
「元譲、俺の女になれ」
「これは命令だ」
「家康」と隠密武巳が、一言発すると刹那の首に刀を突き立てたアーマードガールズが出てきた。
「いつの間に!?」と元譲は、驚いた。
「家康は、忍者モチーフのアーマードガールズだからな」
「貴様の機体が武器を下げた瞬間、後ろから不意を突かせてもらった」と武巳は、元譲に説明した。
「なんて、卑劣な・・・・」と元譲は、悔しそうな顔した。
「今まで、真っ向から仕掛けてくる奴らばかりに勝利してきているからな」
「姑息だが、効果的な方法を選ばせてもらったよ。我が姫よ」と武巳は、悪魔の様な笑みを浮かべた。
「どうする?姫」と武巳は、勝ち誇った顔した。
「くそ・・・・こんなクソ野郎なんかに」と元譲は、怒りで頭が変になりそうだった。
刹那が、何か言葉を発しようとしたが、家康に刀で脅された。
「おっと、刹那とやら、言葉や、何か怪しい動作したら、その可愛い首が胴体から離れるぞ?」
「さてと、姫、返事は?」と武巳は、元譲に尋ねた。
「恋人になれば・・・刹那を解放してくれるの?」と武巳に元譲は、尋ねた。
「保証は、出来ないな。まだ、刹那ちゃんのこと、だいぶ可愛がっているみたいだし、俺のこと眼中にないだろうからなー」
「家康」と武巳は、一言発言したら、家康春美は、刹那の片腕を刀で斬り落とそうとした。
「待って・・・なる・・・恋人になるから・・・刹那だけは・・・・お願い」と武巳の前に元譲は、跪いた。
「まだ、心はまだ、掌握できてないか・・・いいぞ」
「屈服させ甲斐がある」と武巳は、笑った。
「俺は、なんでもやる人間だからな?」
「元譲、お前が不要になっても、刹那は、無事かは、わからないからな?」
「せいぜい、俺を楽しませてくれ」と武巳は、元譲を車の助手席に乗せ、走り去った。
その様子を一部始終、呂布檬玄が木の上から覗いていた。
そして、袁紹に呂布は、報告に戻った。
「あの元譲が・・・負けた?」と袁紹は、驚いた。
「嘘でしょ?あの傑物が、簡単に負けるなんて考えられない」と袁紹は、信じられないと言う顔を呂布に見せた。
「事実です。マスター」
「趙雲は、敵の手に堕ちました」
「元譲の頭の中は、恐らく趙雲奪還したいと安否でしょう」
「敵は相当な手練れでした」
「思考の掌握、何も考えられなくするやり方、鮮やかとしか思えないです」
「我なら、半ば強引にでも逃げようとするでしょう」
「しかし、趙雲とそのマスター、元譲は、友情以上のものを得ている」
「強さの根源ではありますが、そこを逆手に取る相手、やはり出てきました」
「真っ向勝負に強いからこその最大の罠」
「初見であれを突破するのは、ほぼ不可能」
「お互いを裏切る勇気が無ければ、一生振り回される羽目になる」
「マスターは、どうします?」
「学園を再び、戦場にして手柄を取る作戦もありますが」と呂布檬玄は、袁紹に進言してきた。
「再び、学園を戦場にかー」
「趙雲がいない今、チャンスではあるか」と袁紹は悩んだ。
「だけど、元譲と趙雲にでかい貸しを作れるのも美味しいね」
「さてと、どう動こうか」
「檬玄ならどうしたい?」と袁紹は、尋ねた。
「私ならですか、刹那にでかい貸しを作る面白い」
「そっちに一票入れます」
「じゃ、決まり、元譲、刹那奪還作戦と行きますか」と袁紹は、意気込んだ。
それを盗み聞きしていたアーマードガールズがいることを袁紹達は、気づいてなかった。
孫権である。
孫権は、急いでマスターである橘花興覇に伝えた。
「袁紹がね、元譲に貸しかー」
「こっちは借りっぱなしだから返すいい機会。私達も動くよ孫権」と橘花も元譲、刹那奪還作戦を企てるのだった。




