不安要素
ガドルフ先生の熱血指導により、前よりは連携取れるようになった四人は、新たな壁にぶつかっていた。
そう、クラス全員との連携である。
四人でチームを組み挑んだにしても、周りと不協和音になるのは避けたいと思うようになったからだ。
それは、一つの成長を意味していた。
しかし、それは四人の思い過ごしと直ぐに気付かされた。
四人のガドルフ先生との特訓を見てきた生徒が、周りの生徒達に熱く語り、それが一気に広まったのだった。
「聞いたぜ?アルグランドォやったなぁ」
「俺たち心配してたんだぜ?」
「お前ら四人が、こっ酷くガドルフ先生にのされてたの見ていたから」
「そうだぜ?だけど、悩んでるなら打ち明け欲しかったよなぁ。力になったのによぉ」周りの生徒は、アルグランド達を悪くは思ってはいなかった。
ただ、どこの世界にも、空気を壊す奴らは、一定数は存在しアルグランド達を悪く思ってる奴らもいたが、アルグランド達は、そいつらを相手にはしなかった。
「な、チームワークを乱す奴らいるだろ?人間が一枚岩になるわけがない。馬鹿な連中が消えることないんだからさ。アルグランド達は、根が真面目だから、考えすぎちまうんだろうな。成り行き任せてでいいんだぜ?Let it beだぜ」
「そうだぜ?アルグランド達も馬鹿だよなぁ」クラスは一気に明るくなった。
「皆ぁ!」
(そうだよなぁ。仲間は、こうだよな) アルグランドの中の孫権は、心の涙を流した。
アルグランドとして生きてる孫権も前世では、仲間がいたことを思い出したが、同時に学園全体が乱れ戦争になり戦わないといけなくなり、自分を見失ったまま壊された事が頭をよぎり怖くなり、アルグランドは、少し身体が震えた。その様子を見たリューナは、後ろからアルグランドに生徒達がいる前で抱きつき「大丈夫だ。前世の記憶を鮮明に覚えてるから怖くなったんだろ?恐怖って中々消えないものだからな。ここにいる皆と解決してこうぜ?孫権」と耳打ちした。
「悪いな!皆、水臭かったよね。ごめん!」リューナは、頭を下げた。
「仲間って一石二鳥ではできないからなぁ。お前達も馬鹿だが、俺たちも馬鹿だからな」
「な、皆んな。馬鹿で充分だぜ?」
「天才も考えすぎる馬鹿なだけだもんな」
「世界は、馬鹿なくらいが丁度いいぜ」
「全くだ」クラス全員は、笑顔になった。
「気にすんなよ。リューナもハルカも、ついでにバッハも」
「俺はついでかよ!」バッハは、叫んだ。
その瞬間、いっそクラスが明るくなった。




