これが、特訓?
次の日の朝、リューナとハルカは、一緒に歌いながら登校してきた。
「おはようございます。ガドルフ先生」二人は先生に挨拶した後、再びデュエットを始めた。
「ユニゾンを高める為には、確かに効果的だな」ガドルフ先生は、二人の行動に感心した。
ハルカとリューナのそんな様子を側から見てたバッハとアルグランドは、嫌な予感を感じていた。
「まさかと思うけど」
「あれは、俺らも巻き添え確定だな」二人はため息を吐きながらガドルフ先生に挨拶した。
「どうしたんだ?暗い顔して」ガドルフは、二人を心配して尋ねた。
「先生、リューナとハルカが一緒にデュエットしながら歩いてきたではないですかぁ。多分なんですけどね。多分ですよ?四人であれをやらないといけないのかなぁと思うとですね。微妙な心境な訳ですよ」アルグランドは嫌そうな顔しながらガドルフ先生に説明をした。するとバッハも激しく頷き「右に同じく」と暗い返事をした。
「いっそのことユニット組んだらどうだ?四人で連携の練度を上げるのには最適だぞ?」ガドルフ先生は、笑顔で提案してきた。
「それが嫌だから。困ってるじゃないですかぁ!」アルグランドは、大声で叫んだ。
「お前たちの為、自分達の為と思って励め!」
「先生は、応援するぞぉ」ガドルフ先生のテンションが上がったが、バッハとアルグランドのテンションは、思い切り下がり、激しい温度差が出来た。
(脳筋先生にいうんじゃなかった。リュカオーン先生は、ガドルフ先生の味方だろうから。結局やる羽目にぃ。刹那の奴!)アルグランドの中の孫権は、激しい怒りを覚えた。
そして、放課後になり、バッハ、アルグランド、リューナ、ハルカの四人は、ガドルフ先生に呼び出され、演習場で歌いながらダンスを踊らされた。
「テンポがズレてるぞ!やる気あるのか!」ガドルフ先生は、相変わらずの熱血指導だった。
「なんで俺らがこんな目に・・・とほほ」アルグランドは、落ち込みながら踊るとガドルフ先生の愛の鉄拳が飛んできた。
「馬鹿者!」
「まずは、お前たちが楽しまなくてどうする!」
「これも、連携を取る為の特訓!弱きになるな!自国民を守るために繋がるのだ!他人を笑顔にしてこそ!一人前の兵士になる。苦しい時もあるだろう。今は辛い時かもしれんが、いずれは自分の為にも繋がる。そう信じて励め!」ガドルフ先生は、大声で叫んだ。
それから、毎日、放課後になるとアルグランド達は、歌いながら踊らされた。
そして、早朝になるとガドルフ先生と一緒に四人でランニングさせられた。
猛特訓が始まったのだった。




