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はじめての、人里!。

 暫く、下流方向へ川沿いに歩いてると、木造の柵が出てきた。

 今までには無かった明らかな人工物。これは…町だ!村かもしれないけど、人だ!人の気配がする!


 こんなの、疲れてゆっくりになっていた足取りも回復します。さっきまでとは比べ物にならない速さで足が動いて、前へ前へと歩く。


 すぐに町の入り口に着いた。

 丸太で出来た防護柵の途切れ目。町への入り口に、最近だとファンタジー作品でしか見ないような、剣を持った門兵が立っている。

 急に子供が一人で、親が居ない状態で走って来た為か、少し同様しているような素振りをみせるが、そんなことに気付かなかった。

 ようやく町に着いたことによる嬉しさや、異世界初の町という高揚感で、目に入っておらず話しかけられて我に返った。


「なぁ、お嬢ちゃん。どうした?親は?」


 急に冷静になったせいか、言葉が出なかった。沈黙の時間が出来るのは、経験上面倒くさいことになる事が多いから、首を振った。


「…そうか。わかった、中には入りな。」


 何か誤解された気がする。

 ……まぁ、いいか。何て思っていようとあまり変わらないだろうし。そんなことより、町だ!って事でどうすればいいんだ?手持ちも無いし、まずはお金からかなぁ…。


 なんにせよ、まずは探索からだね。今手持ちで売ったり出来るものといえば、お魚…胡椒……。

 胡椒!そうじゃん。胡椒って昔、黒い金とか言われてて、金と同じ重さで取引されてたとか聞くし売れるかも。

 まず食料品店を見つけて、胡椒さえ売ればなんとかなるかも。



 町のなかを探索してみると、ひとつわかった事がある。それは…屋台、めちゃくちゃ屋台に出てる串焼きとか果物、パン……1日食べてないお腹にダイレクトアタックしてくる。

 お腹が鳴りそうで、恥ずかしい…。本当に早く何か売れる店探さないと…空腹がヤバい。


 パッと見た感じ、お肉を売ってるお店があった。少し違うような感じもしたけど、もうそこでいいや。お肉屋さんなら、魚とか売れるでしょ。


「すみません。えっと、お魚…売りたいんですが。」

「ん?なんだ、魚?まぁ、いいや見せてみろ。」


 店の奥から体格の良い男が出てきた。

 私を見て、驚いたような顔をしたけど、嫌な顔をせずに対応してくれた。

 ストレージから、魚を数匹出して渡す。

 男は驚いた顔をしたが、魚を一匹ずつ確認してくれた。こんな経験、元の世界では全く無かったから凄くドキドキする。心拍数が上がって、心音が聞こえてくる感じがする。


「うん。鮮度がいいな。一匹銅貨2枚で、この量だと…銀貨1枚くらいか?」


 うん、わかんない。

 いきなり銅貨とか、銀貨とか言われてもわかんない。この世界のお金の事とかわかんないしとりあえずそれでいいか。


「えっ…と、それでお願いいたします。」

「はいよ。あと嬢ちゃん、さっきの収納魔法とか言うやつだろ?危ないから使わない方がいいぞ。」


 そうか、失念してた。ストレージは珍しいのか、ファンタジーあるあるなのに考えが至らなかった…。

 早いうちにバック買っとかないと…。


「そっか……ありがとうございます。」

「おう。あと、まだ有るようだったら買うぞ?」


 う~ん。どうしようか?まだ少しストレージの中に魚は入ってるけど、私が食べる分も欲しい。と言っても、火の付けようがないし、食べれないのも事実。それならいっそのこと売ってしまって、この分で何か買うのもあり……か。


「はい、そうですね。ありがとうございます。」


 残りの分の魚も取り出して売ったら、合計で銀貨1枚と、銅貨が8枚になった。

 お魚は全部で9匹売ったから、10枚で銀貨1枚かな。

 そこら辺も勉強しないとなぁ……。


 改めて、お肉屋のおじさんにお礼を言って後にする。

 最後にまた取ったら売ってくれって言ってくれた。ありがたい、優しい人だったなぁ…。

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