川と、おさかな。
おはようございます。
昨日は結局、お腹痛くなりませんでした。この子の胃すごいなぁ…。あぁ、私のか。
今日の予定は、川沿いを歩いていったら何処か人のいるところに着くでしょう。
という、楽観的な考えて動いてみようと思ってる。
そうと決まったら、レッツゴー!。
っと、その前に。胡椒はゲットしとかないとね。
「『ストレージ』っと、生胡椒ゲットだぜ。」
よしよし、今日のとっておきの準備完了。
それじゃあ、改めてレッツゴー!!。
昨日と同じように、けもの道を進んですぐに川に出る。ここからが悩みどころ…。
さぁ、どっち行こうかぁ…。上流か、下流か。川沿いに進めば多分、人の居るところに行ける。文明は川沿いに発展するとか言うし、多分。
うん、有るんじゃないかな?問題はそれが上流の方なのか下流の方なのかだよね…。
下流なら、海の方に行けると思うし、上流なら……なんだろう?山に行く、とか?
緩やかな川だしどっちでも何かしらあるだろうけど、う~ん。
「下流にしよう。」
うん、海見たいし。
それに港町って大きいイメージあるし、交易品とか?うん。よし、下流だ。決定!!
そうと決まったらご飯だね。昨日から胡椒くらいしか食べてない為、めちゃくちゃお腹空いた…。
そして、ここは川。
「そう、おさかな。お魚だぁ~!」
まぁ、素人が道具も無しに何かしら魚が捕れるとは私も思ってない……。
それならと、辺りを見渡した。すると、あるものに目線が合う。
石だ。といっても、川辺によくあるような小さく丸い石じゃなく、そこそこな大きさの石。
転生する前なら軽く持てたんだろうなぁ……。
そんなことを考えながら持ち上げる。案の定重い……けど、目先の利益の為だぁ~!
石を持ち上げて、川に投げ込む。
すると、ボチャン…という音と共にガン!と音が鳴った。そう、これは……。
「ガチンコ漁だぁ~~!!」
あっちの世界だと、禁止された方法だけど、ここだと…多分……禁止されてないだろうから。
うん。まぁ緊急性を認められればセーフでしょ。現に私、緊急事態だし!
そんなことを考えながら少し待っていると、石から出た衝撃波で麻痺したおさかながプカプカ浮いてきた。
それを、一匹一匹ストレージに入れていく。
よしっ、何のか知らないけど、お魚ゲットだぜ!これで…ごはん食べれる。
ただ……私、気付いてしまいました。いや、元々気付いてはいたのかも…。この魚、川魚なんだよなぁ…。ってことはだよ?いるよねぇ…寄生虫。
はぁ…火、火かぁ……どうやって?
分かってる。分かってるよ!キリモミ式しかないよねぇ…うん。弓になりそうな物も周りに無いし…文明の利器がこんな異世界に有るとは思えないし、そもそも此処、川だし!
「はぁ……よしっ…!『ストレージ』」
さぁ、ここで取り出したるは、閂さんです。
いゃ~この子、仕入れるのわりと苦労したのですよ…。聞くも涙、話すも涙な苦労が…。
まず、だいいちに奴隷として売られる所から始まりまして、それで………なんやかんやあって逃げるぞ~!ってなって、ストレージを発動した訳ですよ。
でも、これが中々入らない。何回だ?試行錯誤6回の末にやっとのこと手に入れた一品でございます。
なんて茶番やってる暇なんて無いわけですよ。
この後の重労働……木の枝と閂さんを擦って、火種を作るとかいう作業が行われる訳です。こんな風に……。
「異世界なんだから、魔法でどうにかしてよぉ~!」
暫くたってもまったく火がつく気配もない。そもそも煙の一つすら立たない。
はぁ……はぁ……。
空腹にこの作業は辛い…手が痛いし疲れるし、こんなことで体力と時間を無駄にするくらいなら、先に村やら町を目指して歩いとけばよかった……。
いや、今からでも遅くない。その筈、うん。そうしよう……別に逃げた訳じゃないよ?断じて、辛かったとか、そんなの無い。
……今日のところはここら辺で勘弁してやる!閂をしまって、立ち上がる。
はぁ……無駄に疲れた…
「お腹空いたよぉ……」