お願いされた、採取。
馬車に揺られながら、ジャラジャラ胡椒を混ぜて…。そんな風に過ごして暫く経った。
そして、今日は予定があるらしくて、馬車に乗ってる時の気分か少し違う。
なにやら、今日はギルドで頼まれ事をされて、それをするということらしい。
「ギルドって、冒険者ギルドですよね。」
「ああ、そうだな。」
「それなら、どんな依頼なんですか?」
ギルドの依頼。
異世界に来たら…って、憧れる事の1つ。それを目の当たりにしてるとは。
「いや、今回のは依頼じゃないな。」
「えっ?ギルドから頼まれたんですよね?」
「そうだな。」
「それで、依頼じゃない。」
うーむ。ギルドなのに依頼じゃない。並列思考クイズかな?それにしては雑か…。
「じゃあ、どんな頼まれ事なんですか?」
「薬草の採取ですね。」
レバーリーフさんとの話に割り込んでダリアさんが入ってきた。
「ツキミさんはマイタイに行ったことある?」
マイタイ…行ったことがある訳がない。地球にはそもそもそんな土地がある訳無い。港町には行ったことはあるけど、多分この世界とは全然違うと思う。
この子の記憶にも、マイタイに行った記憶はない。そもそも、記憶自体があやふやな部分もある上に、口減らしされるくらいだから、恐らくそんな余裕すら無かったんじゃないかな?
「無いですね。」
「うん。マイタイではね、1年に1回、武道大会ってのが開かれるんだよ。」
ほぉ、武道大会…日本だと、剣道とか柔道の大会だけど、この世界だと多分全然違うんだろうなぁ。
魔法も有るし、そもそも剣道みたいな競技がこの世界にあるとは思わないし…。
「それをギルドが主催してて、怪我する人がよく出るから、そのために薬草を採ってきて欲しいってお願いだね。」
なるほど、そのために薬草の採取か。
「そういうことだな。」
「それで、ツキミちゃんはマイタイに着いたらどうするの?」
う~ん。正直何も考えてないんだよね。
何があるのか知らないし、ただ大きな町だってことと、港町だから交易品とかありそうだなぁ…くらいにしか考えてなかった。
「特には…ですかね」
そっか。
ダリアさん達の目的は恐らくその武道大会に、参加するのか、運営にまわるのか、まぁ武道大会絡みなんだろうなぁ…
「それなら、武道大会中はお祭り騒ぎだから、楽しむのも良いかもな。」
「そう、かなり盛り上がるからね。屋台とかも沢山でるし。」
なるほど…屋台…。屋台か、この世界の料理に舌鼓を打つのも良いかもなぁ~。
「それで…薬草採取に付き合わせちゃってごめんね。」
「いえ、全然大丈夫です。」
むしろ薬草とか、そういういかにもファンタジーな要素に関わらないとか…。
「薬草のことも知れるし、むしろ楽しいくらいです。」
「それなら良かったけど…。」
ちゃんと休憩しながら休み休みで大丈夫だからね。とダリアさんが言ったくらいで、馬車が停まった。
目的地に着いたのかな?




