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馬車と、自己紹介。

 馬車って素晴らしい。歩かなくても進む…。そのうえ今回は、ひょんな事から旅の仲間が増えたし。


 現在、その旅の仲間と一緒に馬車の中で休憩している。

 雑談…。そうだ、名前知らない。というか、この世界で人の名前未だに一人も知らない。


 これは由々しき事態だ!もうすでに一週間以上異世界に居るのに誰のも知らない何て…。


「あっ、あの。自己紹介…。」

「ああっ、そうか。」


 確かに。

 そう言って、リーダーさん主導で自己紹介が始まった。


 始めに教えてくれたのは、いかにも魔法使いっぽい服装をした、私を仲間に誘ってくれたお姉さんだった。

 というより、リーダーが主導してたけど、「私から!私~」みたいな感じで、順番そっちのけで勝手に始めた。


「私の名前は、バーベナ。特技は魔法です!特にね、氷!氷が好き。」


 勢いが凄い。

 それはもう、リーダーさんが止めない限り永遠と話してるんじゃないかってくらいには。


「ほら、バーベナそれくらいにしとけ。」


 身を乗り出して話を続けようとしてたバーベナさんを、手で押し退けて話を中断した。


「次は俺だな。」

「俺は、レバーリーフって言う。」


 一応、このチームのリーダーだ。


「あとは、今御者してくれてるダリアだが、弓士の獣人だ。」


「ちょっと!それは言わないでって言ってるでしょうが!」


 チラッとこちらを振り向いて、ダリアって呼ばれたお姉さんが文句を言った。

 御者の席の方にある、窓の様な布が広げられていて、少しだけ顔が見えた。


 あの、いかにも人間に見えるお姉さんが獣人だったなんて…

 獣人といえばの、尻尾もケモ耳も見えない。帽子で上手く隠してるみたいで、獣部分が見えない…もったいない!


「獣人っ!」

「ほらぁ!だから知られたくないんだよ!」


 やっぱりこの世界にも獣人居るんだ!

 こんなの知っちゃったらもう、スッゴく見たい!いや、見せて!

 御者の席にの方に身を乗り出して、ダリアさんの方へ詰め寄る。


「見せてください!あっ…あの!獣人さん…初めてで、その…スッゴく…なんと言うか…。」


「えっ…えぇっ。」


 ダリアさんが困惑してるような顔をしてるけど、そんなことはどうでもいい!というか、知らない。気付いてない。


「あんた、私が嫌じゃ無い訳?」

「えっ?何でですか?」

「ほら、獣人って人間と違って…」


「そう!ケモ耳とか、尻尾とか!良いですよね。可愛い!」

「かわっっ……。」


 レバーリーフさんが咳払いをした。

 不味い……。獣人に引かれて話が脱線してしまった…。


「はっ…話を戻しまして…、最後は私ですね。」


 興奮しすぎてしまった為、一度深呼吸をして空気…空気を切り替えてから話し始める。


「私、わたしの名前は…」


 どうしよう…この子の名前分かんない。そもそも名前有るのかすら知らない…。

 それにこの世界、多分庶民…貴族以外には名字が無い感じかな?誰も名字を言わなかったし…。それなら言わない方が堅実かな?何かしらあったら困るし…。


「私は、ツキミって言います。」


 地球での名前まんまだけど…。地球では私は、天草あまくさ月見(つきみ)という名前だった。だから、一応名字を伝えないでツキミ。


「ツキミか、よろしくな。」

「はい。よろしくお願いします。」

「うん!よろしくね~。」


 ダリアさんが元気いっぱいに歓迎してくれた。

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