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特訓


 翌日、少し起きるのが遅れ、朝飯を作っている時にグランが来た。


「ルイスは、来てないな」

「ごめんまだ朝飯作ってる所…

 座って待ってて」


 来客を初日から待たせてしまった。

 急いで準備をし、配膳もぐちゃぐちゃになって俺が焦って調理に戻るのを見てグランは配膳を直してくれていた。


「あ、ありがとう」

「気にするな」


 以外と面倒見のいいやつなのかもしれない。

 俺がご飯を食べる時も一言も話さなかった。

 食べている最中には話さないようにするみたいな自分なりのルールでもあるのだろうか。


「食べ終わったか?」

「え?まあ」


 そう言うとグランは何も言わずに皿を運んで洗ってくれた。

 ここまでしてくれる奴が問題児と言われるのは少しおかしい、何か裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう。


「どうして、そこまで献身的にするんだ?

 ルイスは良いやつだけどやばいって言ってたからちょっと想像と違ったなって」

「俺は考えて行動するからな、それに面倒見の悪いやつに指導は務まらんだろう」

「グランは教師になりたいんだ」

「なんでそこまで発展すんだよ」


 グランは恐らく図星にも関わらず、一切表情は変えない。

 

「時間が惜しいんだろ、早く行くぞ」


 グランに急かされ俺は着替えて部屋を出る。

 戦闘訓練場を借りる。

 第3訓練場なら狭くて人気もあまり無いが、俺にとって1番重要な回復魔法陣が敷かれていると言う事で即決。


「魔法の指導は俺より上手いからいらねえな

 まあ、とりあえず氷魔法を小さくしてみてくれ」

「うん、分かった」


 俺は言われた通りに魔法を使う。

 恐らくグランは氷と言うのは凝縮の難しい固体だから選んだのだろう。

 しかし、俺は難易度を意に介さず、目に見えるかギリギリのサイズに止めた。


「やるな、だがお前、手抜いてるだろ

 まあいい俺より優秀な魔術師である事は分かった

 回復魔法陣もあるし一度対戦でもするとしようか」

「本当にやるんだ」


 訓練場の備品にある鎧を身につける。

 これは一般的に急所と言われるハンターが頭の次に守り、狙う心臓と背中にとても薄い防御魔法が予め貼られている鎧。


「先にどちらかの防御魔法を割った方の勝ちでいいね」

「了解!」


 試合が始まったが、一向にグランは攻撃をする素振りを見せない。

 互いに様子を伺いながら反応は出来る距離を保っている。


(どういう事だグランは俺に手加減をしているのか?)


 グランは何やら集中している表情だ。

 戦闘となれば、集中するのも普通か、

 何もして来ないならと言わんばかりに俺は派手に火の上級魔法、獄炎檻(ヘル・デスゲージ)を放つ。

 本来なら即死級の範囲攻撃。

 俺の場合はチクチク熱いなんとも言えない攻撃。

 熱いけど死ぬ程の暑さでは無い。

 

 勿論グランは俺の初見殺しを理解している。

 防御魔法を使ってくれる事は無かった。

 しかし、それでも反撃をしようとはしない。


(一体何を考えているんだ?)


「……なん、だ、っ!!」


 突然俺の身体に襲って来た謎のだるさに眩暈そして痺れ、防御も雑魚でその経験の無い俺はかなりの時間気を奪われてしまう。


「……電撃(スパーク)


 グランは俺の心臓向かって初級電撃魔法を使って俺の的を割った。


 俺には何が起きたかよく分からなかった。

 

「何してんだ魔法の才があっても相手の魔力感知も出来ないのか」

「どういう事?」

「簡単な話、お前と同じ攻撃をしようとしただけ、

 まあお前はよく分からん上級魔法使ってたけど」

 

 俺と同じ魔法?

 恐らく見えない魔法のことだ。

 でもそれなら、俺以外の相手にはどうすれば良いんだ?

 小さくし過ぎると勿論威力は弱くなる。

 俺のはどの大きさでも1原子に1しか威力はないがグランは違う、だからこそ俺を崩せたに違いない。


「時間が惜しいんだろならそんなことしないで1番の近道を使うのがいい」

「それは、どういう事?」

「俺の今の戦い方を学べってことだ」


 俺が食い気味に聞き出すと呆れたため息を吐く。


「ここまで言っても何も気付かんのか

 まずは魔力感知する技量をもっとつけろ、そうすればお前の消却魔法が間に合って不意打ちは防げるだろう」

「消却魔法だって無敵では無いし多投は出来ない」

「なら防ぎ方は何だっていい防御魔法を死ぬ程重ねがけしたり、爆風で魔力を離散させたり沢山知ってるだろ」


 グランは俺と違って、様々な選択肢を持っている。

 これはハンターとして培って来た戦闘勘だけでは無く強くなる為の研究と膨大な知識を蓄えた男だ。

 強くなる為には俺だってどんな事だってする。そんなことをグランの前で言ったことが恥ずかしく感じるくらい俺は何もして来なかったんだと実感する。


「魔力を嗅ぎ分けるのはまあ追々やっていくとして、まずは戦闘スタイルからだ」

「分かってる」 


 俺に合うスタイルか、正直言って無いよな、剣士(ファイター)は紙の俺には無理だし射手(アーチャー)は今からだし、回復術師(ヒーラー)は俺は1しか回復させてあげられない。

 盾職(タンク)はもう言わずもがな

 やっぱ普通に魔術師が1番いいのか後衛寄りで安全地帯でちまちまやるのが。


「いつも通りで後衛魔術師で良いんじゃ無いかって思ってるんだけど」

「いや、俺ならお前を前衛の黒魔術師(デバッファー)とするな」


 前衛と言う事に俺は驚いた。

 この俺が?

 

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