天才と凡人
2人は最強と言ってもこれは流石に盛り過ぎだ。
俺がいない方が強いに決まってるし、現状の戦いで俺が何をしたかと聞かれても何もしていない。
というか何もできない。
ルイスとパドックと速度は異次元だ。
俺には到底辿り着く事も出来ないレベル。
「流石に簡単には行かねえな……パドック」
「私も少し貴方の事を甘く見ていた様だ、敬意を表し相手をしよう」
このパドックという人は前に父と戦っていて俺が邪魔で手負になっていたとは言え、あそこまで父を追い込んだ人だ。
技量でルイスが負けるはずがないけど、速度が年齢を感じさせない速度でさっきより一段と速くなっている気がする。
ルイスは剣術はあまり得意ではないと言ってたし、あまり使わないと言っていたのにも関わらず近接の達人ともほぼ互角に渡り合っている。
「……俺にだって!」
俺も少しは攻撃を繰り出し視覚的に感覚で攻撃から避けさせようとするも、そこは相手も達人、俺の攻撃が通用しないと分かっている。
すぐに俺の攻撃からは注意を逸らしルイスとの戦いに専念しルイスの有利な対面に持って行かせない。
「…地上はちと厳しいな」
ルイスはわずかなタイミングで上空に跳ね上がる。
そして手を構えて地上にいるパドック目掛けて最大出力の魔法を放つ。
「……迅雷宝刀」
「え?」
俺は何が起きたか分からずに、変な声が出る。
パドックは凄まじい速度の抜刀に加え魔力の集中させる速度も異次元、そして放出までの流れを父のアーノルドが放った奥義、そして、俺が全ての力を注いで繰り出した最終奥義を一瞬にして完成させてみせた。
この技に瞬時に上空にいるルイスには追いつくもルイスの牙城を崩せる威力にはあのスピードでは到底届かない。
「反射防御魔法」
ルイスの反撃とで相殺される。
「電撃」
下に着地した僅かな硬直の隙にルイスは合わせて電撃を放つ。
一般初級の魔術にも関わらず、一撃喰らうだけで殺せそうな破壊力を持ってそうな迫力。
それを何度も連続で放つ。
そうした事で形成は一気に逆転する。
パドックは得意の近距離に持っていけず逃げるばかり。
しかし、少しずつ距離が近づいている。
すると……
「ウィル!離れろ!」
ルイスの攻撃に合わせて電撃を俺も放っていた。
しかし、ルイスは急に俺に逃げる様指示をした。
「私の狙いを察するか……そう君もアーノルドと同じ」
もう一度パドックが高く飛びルイスを越して俺に向かってくる。
俺ではこの速度に反応できない。
そう判断した俺は反撃する。
「消滅波……黒炎領域!!」
咄嗟に俺はパドックの速度を止める為に消滅波で魔力を消し、黒炎領域でトドメを刺そうとした。
「……何?」
消滅波は上手くいった。
速度を遅くして落下させる事に成功。
後は黒炎領域を当てるだけ。
しかし、寸前でパドックは身を翻す。
そのまま立ち上がって、もう一度俺の方に向かう。
俺は最後の切り札の魔剣を召喚し、向かい討つ!
「うおおおおおおっ!!」
しかし、俺の剣がパドックに当たる事はなく、そして、パドックの剣が俺を貫く事もなかった。
「倒せたじゃないか!今!何で邪魔するんだ!」
俺はルイスの仲介に激情する。
少しプランには外れていたが、俺の完璧な行動、最適な立ち回りだった。
それを邪魔された。
助けたのかもしれないが黙ってはいられなかった。
「今のお前はパドックに勝てない……だから今は大人しく俺の勝利を見るかこの場から離れてくれないか」
「………んでだよ」
言い返したくなる気持ちをぐっと堪えた。
これは前と同じだ。
また自分だけじゃなくて周りを不幸にしてしまう。
自分の行動が原因で。
俺は自分のやった事で後悔はしたくない。
だけどその自分の変なプライドで他人を何度も失う事だけはしたくなかった。
「俺は今何を目標にしているんだ?」
その問いの答えは今は1つだ。
「父を探して自分の中の幸せを取り戻す」
ここで後悔ない選択をして失敗して死んだらそんな事、、
「後は……頼む」
俺は下を向くのをやめ涙が出そうなのをめちゃくちゃ堪えて変な顔をしていた。
でも今はそんなの関係無い。
「ありがとう、任せろ!」
俺は全速力で走って視界から逃れる。
が、俺は少し離れた所で大人しく傍観している。
やはり2人のレベルは側から見るとよく俺はここに立ち向かおうとしたなと思うくらいには違うし、俺はただ一体の魔神を2人の大きな協力ありきで倒しただけなのに過信をし過ぎたと言う事を改めて思い知らされた。
「……はぁ、、やっぱ天才は違うなぁ生まれた瞬間から俺は凡人は天才に勝てないんだ
天才は凡人の全ての努力を無にするたった数%の才能があるんだ、勝てないって分かっててもやっぱり諦めたくなかった、、」
俺は逃げた事を少し後悔。
そして、戦いを観るのをやめた。
「もう一回やり直したいな、、、」




