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自分ではない何か

本当にすいません。

しかも過去最大のミス。


 それからはと言うと、俺は2人を見て相変わらず、隙を探しているが、さっきのを見てしまうと、全然隙があるようには見えない。

 

 2人は魔法を警戒して、攻撃をあまりしなくなって心なしか押され気味だ。

 恐らく俺への期待も薄れて、10傑の人や優秀なハンターの救援を待つ動きをしているように見える。


「2人、強いな……本当にD級かよ」


 俺は2人とのレベルの違いに辟易としていた。

 魔法を解禁して、動きにもキレが増した魔神相手にも受けを徹底して押され気味だが、焦りが見えない。

 なんなら余裕な表情に見える。


「その2人が、俺に期待してるって言ったのか……そんな余裕なら自分達だけで、やってくれよ

 俺みたいな雑魚に危険な事させないでくれよ」


 さっきまでの魔石を手に入れてウヒョウヒョしていた俺はもうどこかに行ってしまって、また自問自答をする最低な俺になってしまった。

 しかし、戦っている2人の姿を見ると、どこか決め手に欠ける要素が多い。

 俺から見ても、攻撃が出来そうな場面でも前に行こうとしてないのが見て取れる。

 

「まだ、俺に期待してるのかな」


 そう自分で思っても、今出せる俺の力であの固い魔神を討ち取れる攻撃を持ち合わせてはいない。

 

「妄想が過ぎる……俺は俺に期待しすぎなんだよ……転生者だからって何でも上手くいくって思うなよ俺」


 本当に馬鹿だ。

 何て独り言をしているのか、そんなこと考えるなら、どうせ無理なら逃げてしまっても構わないはずなのに、何故かここから立ち去ろうとはしていない。

 謎のプライドがあるのか、それとも本心では諦めていないのか。


 答えは後者だ。


「俺なら、いやあの人は何をしていた」と俺の中の引き出しを探し始める。

 俺自身の限界はここだ。

 なら俺の想像、自分の思う最大の力をイメージしろ。


 どの攻撃が1番強かったか、どの攻撃が俺に出来るのか。


 考える時間なんか必要なかった。

 そんな答えはすぐに見つかった。


「ふーっ」と息を吐いて、集中を高める。


「図体がデカい、これなら俺でもやれる」


 覚悟を決めて、体が壊れてしまう可能性も堪えて、全てをこの一瞬に集約させる!

 2人の動きを一切気にせず、隙も無いところを目掛け俺は攻撃の構えをする。


 剣のチャンスは一度だけしか無いからこそ、もっと時間をかけて、伺う。

 俺に見えているのは自分と相手の攻撃対象のみ。


 父親である、アーノルドが俺に見せた最終奥義、それを俺が模倣(コピー)する。

 剣ではなく魔力を溜めるのは身体全身に、そして、誰の目にも止まらぬ稲妻の様な速さと鋭い刀で敵を討つ。


 さらに極限まで集中が高まり、いけるってなった瞬間に異様なオーラが俺から放たれる。

 それに、魔神も含めオルト達もこちらを見て避けようとした。


 しかし俺にはそんな事に気にするはずもない。

 

迅雷宝刀(じんらいほうとう)!!!」


 2人が怯えたのと同時に俺は閃光の様な速さの一撃は魔神の首を切り裂いた。

 そして俺の魔剣が雷を放ち儚く散る。

 途端、俺の速度に遅れて風が靡く。


 攻撃で宙に飛んだ俺は何故か上手く着地まで出来た。

 魔神は一言も喋る事も無く、首が切られ倒れて死んだ。


 首が切られて、


 死んだ魔神に俺が近づいで立ち尽くす。


「俺が、やったんだよな……この魔神を」

「そうだよ!君がこの魔神を一撃で倒したんだよ

 本当に助かったよ私達じゃ固くて斬れそうに無かったからね〜本当に凄いなぁ」


 彼女が俺に向かって飛びかかる。

 彼女が言った事とは俺は違う事を想像していた。


 実際、この魔神を倒せたのは凄いと思う。

 魔神自体、等級が低くてもA級はあると言われている。

 それを削れていたとはいえ一撃で倒したんだ。

 

 しかし俺はこの固い魔神の首を斬る事ができた。


 俺は剣が扱える様になった瞬間だった。


 全てを諦めて、自分の限界を見たからこそ自分の限界を越える事が出来た。

 それが自分にとっての新たな存在意義でありとても言い表せない高揚感に包まれた。


「魔神は魔石とかを落とさないんだな……」


 オルトは相変わらず、仕事モードみたいで死体処理を行う。

 一通り確認をし終えた所で俺の所に向かってくる。


「お前その攻撃、まさか」


 と言って俺の身体を触った。

 しかし、


「違うか!フハハハ!凄いなお前魔神を倒したって報告すりゃ速攻でBに昇格だな」


 そう言って普段のオルトに戻り俺の頭を嬉しそうに叩く。


「ありがとうございます」


 俺は今日でハンター活動を辞めて学業に戻ろうとしていたから飛び級だとしても正直と言うか全く嬉しくない。

 だとしてもこの人達からすればB級はすごい事なのだろう。


(でもこの人達も普通に魔神と戦えてたよな)


 なんて疑問も残りつつ上に戻る準備をする。


 とりあえずは何とかなった。

 しかし、時間は確実に残されていないだろう。

 死にかけで勝ち取った魔石を上げることにしよう。

 俺がルイスの為に採った物だ喜んでくれるに違いない。


「少し急がなきゃなんで先に上がらせてもらいますね」

「うん分かった、じゃ〜ね」


 俺は翌日のルイスが喜ぶ事をウキウキで想像しながら地上に出ると異様な光景が広がる。


 恐ろしい剣速で誰かに襲いかかっている姿だ。

 しかし、もう片方もその速度を意に介さずすべて見切っている。

 

「流石は10傑殺しの男だけはあるな……」

「あんたには絶対に負ける訳には行かねぇ!」


 もう1人の男が何故か急なタイミングで剣を召喚し相手の剣と激しい音を鳴らし弾き合うと、こちらに飛んで来る。


「……えっ」


 俺は一瞬殺されると思い目を背けると言う隙だらけな事をするが、その男は俺を攻撃する事はせずに何故か大きな声を上げる。


「おい!ウィル…何してんだよ!危ないだろうが!」

「……え」


 この声は俺には聞いた事があった。

 俺の1番の親友であるルイスの声だ。

 しかし、俺は今そのルイスに怒られている。


「お前、自分の状況を分かってるのか!

 アーノルドの息子なんだぞ、少しは考えて動いてくれないと俺だって守れないだろうが!」


「何で、ただ少し10傑に歯向かっただけなのに

 それの息子ってだけなのにどうして俺は自由に外をで歩く事が出来ないんだ!弱いからか!」


 俺はパルナさんにも、前にお父さんにも言われた事、分かっているはずなのに、俺が間違ってるって分かってるのに、反抗した。

 

「俺だって強くなったんだって、魔神を倒したんだって皆んなに褒めてもらいたくて認めてもらいたくて頑張ったのに、何で俺だけ!」


 俺は何も悪い事をしていないルイスにまで当たってしまった。

 自分でも最低だと思う。

 その言葉にルイスより早く反応したのは相手の男だった。


「……ほう、魔神を倒したか、面倒事に派遣されて気分が乗らなかったのだが、10傑殺しに遭遇しておまけにアーノルドの息子がいると来た

 ……これは楽しめそうだ」


 そう言ってルイスを上手く躱して俺の方に一気に距離を詰める。


 恐らく少しの驕りがあったのか、俺はなんとか攻撃を避ける。


「流石に以前とは違うと言う訳か

 因みに君がさっき言った事は正しい、弱いから君は何も出来ないんだ」

「違う!!!」


 俺はムキになって反撃をしようとするが感情に任せた魔法攻撃、当たる訳がなくさらに隙を大きく晒した。

 しかしそれをルイスが防御魔法(シールド)で防ぎ、魔法で吹っ飛ばす。

 

 吹き飛ばしたが、受け身を取る事で衝撃は最小限に抑えていた。


「パドック、お前、ウィルを殺したいんだってな、が、そうは行かねえ俺がいるからな俺とウィルは最強なんだよ!」

 


読んでいただきありがとうございます。

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