プレゼント
頑張ってないですね、すいません
もう少し書きます
中間試験から更に二月過ぎてかなり日差しも強くなって来た。
「そろそろルイスが誕生日らしいな、準備でもしておくか」
とは言っても、この世界で誕生日プレゼントをあげるにしてもどんなものを渡すのがベストなのか分からない。
やっぱり、無難に服にするか、ちょっと良いご飯を奢る。
しかし、俺には金に余裕がある訳では無い。
パルナさんからの仕送りで生活しているから、良い暮らしをしている訳では無く、食堂は出来るだけつかわずに自炊を頑張っている。
(あいつも俺が節約してるのは前に部屋来た時に気づかれてるから心配されるかもな……)
「取り敢えず、聞いてみるか」
俺は今の時間が戦闘訓練と言うのは知っているから、いつも通りだが要件が違っているが、図書室に向かう。
すると書棚に険しい視線を向けている、イリムがいた。
いつも通り、茶色のローブを身に付けているがフードを脱いでいるから表情が見えてしまう。
この世界の住人で数少ない喋れる相手。
恐らくワノンは授業に出てるからイリムしかいない事になる。
「難しい顔してるとこ悪いけど……」
「なっ……」
自分はそんな変な顔をしていたのかと、こっちを見て少しだけ恥ずかしそうな顔をする。
普段の静かで高嶺の花の様な彼女も良いがこちらもまた良い。
「少し、聞きたい事があるんだけど」
「構わないわ」
イリムは手に取っていた本を元の場所に戻しに行ってる間に俺は前に借りた本を返しに行く。
「魔術教本で面白いのってありますか?」
「面白いって言われましても……」
難しい質問をしてしまった。
受付の女性を困らせてしまった。
「すいません質問の仕方が悪かったですね……」
「い、いえ…」
答えられなかった事に申し訳なさそうにするが、あちらに非は無く、確実にこっちが悪い。
そのタイミングでイリムが来た。
俺は下がりながら受付の女性に一礼をした。
図書室の席に座ると早速要件を聞いてくる。
「要は何?」
「友人の誕生日にサプライズでプレゼントを送ろうかとな」
「そんな事するんだ、でそのプレゼントと言うのを私と一緒に選んで欲しいと?」
イリムはプレゼントを贈ると言う事に少し驚いている。
そして、それを他人に頼ろうとしているのにも驚いている。
「何がいいかあんまし分かんなくて」
「これだから世間知らずは……
いいわ」
イリムがボソッと何か発した。
悪口であるのには違いないが、気付かなかったことにしておこう。
話を聞いてくれなくなるかもしれないしな。
「渡されたら嬉しいものって何だと思う?」
「そこから?はぁ…」
今度は聞こえる様なため息。
「で、そのフェールイスって人は何歳で何してる人でどんな人なの?」
「えー、ルイスは、、今年18でハンター?いや、ここの学生前言った外れくじ引いた奴」
「歳上の学院生ね、どんな人かを聞いてるんだけど」
「んー、馬鹿?」
その言葉で更にイリムを落胆させる。
何故こいつは私の言ってる事が理解出来ないの?
と言わんばかりに露骨に苛立ちを見せる。
「あなたはもっと馬鹿ね
彼は剣士?魔術師?」
「どちらかといえば魔術師かな」
「なら私みたいな服とか魔石の入った杖をプレゼントするのはどう?」
「いや、あいつは俺と同じで杖を使わないし服も気にかけないタイプだしな……」
「………」
イリムはキレそうなのをグッと堪えている。
急にスッと落ち着いて、立ち上がる。
「じゃあ今からその友人に聞きにいくわ」
「それじゃあサプライズじゃ無くなるだろ」
俺は今にも動き出しそうなイリムを何とか止める。
「それもそうね…じゃあ行くとするわ」
「だから」
「外に探しに行くって言ってるの
1人じゃ分からないみたいだし手伝ってあげる」
「ありがとう」
深々と頭を下げ、学院を久々に出て、あの忌まわしき街に向かう。
ここら辺でやはり1番栄えていると言ったらこの街。
イリムはこっちのことを一切知らない訳だから仕方の無い話だ。
ヴァルド学院の制服、オーソドックスな黒の上下だが、ボタンが左右に2つずつ付いており少しコートに見える。
そして、右の胸ポケットには特待生の勲章が縫われている。
こんな技術がこの世界にあると言うのには最初とても驚いたが服が手製なら驚く事はない。
こんな凄いものだが、生徒からの人気はなく制服を着ている人は少ない。
これを着けていると、周りからも一目置かれるらしい。
「アクセサリーとかはどう?」
「それは良いな」
装備を置いている店に行くと、端の方に小物類が並んであった。
バングルやネックレス、指輪、手袋、ピアスなんかも置いてある。
ここは防具屋だから、戦闘向きの物が基本的に置いてある。
俺が興味津々になって見ていると店員さんが話しかけてくる。
「ここは初めてですか?」
「はい」
「あの、その勲章、もしかしてヴァルド学院の生徒ですか」
「そうですけど」
店員の男性が少し驚いた表情を見せる。
そして、元々丁寧な口調が、より丁寧になった。
「どの様な物をお探しで……」
「友人にプレゼントをと思いまして、予算は金貨10枚くらいが良いです」
「10万ですか、そうなりますとかなり絞られてしまいますが
手袋なら比較的安いのは多いです
例えば、これはとかはどうでしょう」
そう言って見せてきたのは、お世辞にもプレゼントに向いていない様な黒一色の手袋と青琥珀色の手袋。
日本と違い、見た目は質素なのは仕方ないのか、
「青の手袋にはブルーアンバーが入ってまして魔力効率が上昇する手袋です
もう一つのこちらはかなりレアな代物でモリオンをほんの少し搭載した手袋で使用者によって相性はありますが、魔法攻撃の上昇に魔族に対して有効な攻撃を与えられる様になる作用もあります」
「そんなに優れた物があるんですね」
俺は聞いたカタログスペックだけで感心してしまったが、どうせ予算オーバーでお高いんでしょ?
と、聞いてみる。
「はい、魔道具を10万となるともう少し予算をお上げして購入した方がよろしいと思います
この2つともやはり、高いものに比べると配合率も低く効力も薄れてしまいます
それでも、黒色は35万、青色は20万とどちらも予算をオーバーしてしまいます……」
「……そうですよね」
「ですがヴァルド学院の生徒さんなら少しだけお安くする努力はさせていただきます!」
「本当ですか」
「10万を切るのは難しいですけどどうですか」
「………」
流石にパルナさんからの仕送りを節約して貯めた10万だから使われなかったら悲しい。
もしかしたらルイスはもっと良い魔道具を持っているかも知れない。
そう考えた俺は申し訳なさそうに店を出た。
「買わなかったみたいね」
「ああ、やはり魔道具は値段がな、」
「じゃあ貴方が今から稼ぎに行けば良いのよ」
「え!?」
その言葉に声を出して驚く。
この学院に入った理由としては安全に育っていく為、危険から少しでも逃れる為だ。
まだ俺は狙われているかも知れないから。
大罪を犯したとされる父の息子だからだ。
それでもやはり少し自立はしないといけないとは思っている。
逆にこのまま何も変わらず歳だけとって何も成長せずに外界に出る方が危険だ。
「そうだな……頑張ってみるか」
俺は誕生日プレゼントを買う為にハンターとして、短期で活動する事にした。
誕生日までおおよそ2週間無いくらい、目標は40万位と高々に決めた。
^^




