最終試験
「そこまで!!
残り5組となったので敗者側2次試験を終了する」
(はあ……結局最後もいいとこなしか)
しかし、生き残った人達はここからが本番の様な顔をしている。
俺以外が。
「なあ、どうしてそんな顔すんだ?」
「もう終わっただろ?合格じゃないのか」
「ごめん、ルイス君
あと1つあるんだ……」
(こんな少なくなったのに、まだ減らすのかよ)
まだ終わりじゃない、まだ楽しめると俺はワクワクしていた。
運営側から最後の試験を提示される。
「よく生き残った
今残っている者は実力だけで生き残った力のある者だと言う証明だ
先ほどの2つ試験では仲間との協力、又は1人の圧倒的、力が勝利の鍵になっただろう
最後の試験は至ってシンプル
チームを組んだ者で戦ってもらい、勝者が試験敗者側の合格者として我が学院に受け入れよう」
その言葉に全体に緊張が走る。
バトルロワイヤルが想像以上に長引いてしまったのか、もう夜だ。
これでは力を出さず怠けてしまう可哀想な人が出ると考え、ここでは実力のある者のみを取りたい学院に則り、一度帰宅を命じた。
ここでは皆、誰とも話す事なくこの場を後にするが、あいつだけは一直線にこっち向かって来た。
「ねえ、ルイスは何組倒したの」
「あ?2チームだよ」
「へえ、想像より下回ったな、近くで激しい爆発音がしたの、 あれルイスだよね
倒したのってそれだけ?」
「俺はア……あ、いやチームメイトに隠密を優先されたんだ、勝つ為にな!」
「あ、そう
君は強いことを隠すのが好きなのか、悪趣味だね
仲間の子は自分が相方引っ張って来たと思ってる
だから最後も勝てると思ってるだろうに、しかも俺あの子見た事あるけど多分今年で最終年、可哀想だね、本当に」
「そうだな、俺は誰から見ても悪い奴かも知れんな」
「それじゃ明日」
そう言ってトボトボと猫背で帰って行った。
後に聞いた事だが、グランは20組中、8組を落としているそうだ。
「明日、想像より長いな、入学式まで数日しか無いのか、
逆に計算されていたのか」
俺はあの事を考えない様、他の変なことを考えている。
それでも思い出してしまう。
最後に戦わないといけない事、そしてアーノルドを蹴落とさなきゃいけないと言う事。
実力で言えばまず間違いなく俺が勝ってしまう。本気出せば1秒で終わらせられるくらいの実力差がある。
でもグランが言ってた事が本当だとするなら、アーノルドは3回目の受験で後がない。
しかも、俺はアーノルドがどんな思いでこれまで頑張って来たのかを知っている。
「でも、勝ちを譲る訳にはいかないよな、ウィルもいるし…」
そこで俺は全てのことに気づいてしまった。
「こうなるなら、最初から本気を出せば良かった」と言う事に。
グランは色々と教えてくれたが、結局大切な事は言わない奴だった。
俺は目をつけられたくなかったから、隠してたけど、グランにはバレてる訳だし、学院に入るのならばいずれバレる事なのに。
「実績も何もない俺は、最初の試合で何も出来ず、俺は弱い方として認識されて、優秀判定されたアーノルドが不幸にも俺とチームになってしまったと言う事か……
全部……俺が悪いなこれは」
そしてアーノルドは今年でラストチャンス。
俺は荒らしのつもりは無かったが、結局は荒らしになってしまったと言うことか、
「俺、あいつと同じ事してんのかよ…」
俺は自分のした事の愚かさをあいつと照らし合わせて気づいた。
そして俺は最低なりに最低な解釈をした。
「アーノルドになりたくて、なら同じ道の安全な道では無く、茨の道を進んでこそ偉大な人物に追いつけるのでは無いか」と自分がアーノルドを気にする事無く蹴落とす為に考えた、自分が考える最低な解釈。
俺は友達を離す時には、自分が気負わない様に、勝手に相手を下げる事で悲しみを減らす事をしていた。
根本的な弱い部分というのは、力が強くなっても変われてはいなかった。




