魔法の違い
「後は1チームっと、」
俺は相手の2人を挑発的に煽る。
しかし2人は冷静だ、この場で逃げようとしている。
「逃げさせる訳にはいかない」
背中を向けたら丸腰になってしまう。
「戦うしか……無い!」
「分かった、絶対1人で行くなよ、攻めるなら2人で」
「戦略は決まったか?」
俺は後ろに壁を作って、背後からの攻撃をカバー、攻められたら風で逃げれば良い。
確実に魔法を使える魔術師が有利だ。
「火球!!」
「雷砲」
相手の2人が同時に魔法を放つ
それと同時に突撃する。
恐らく、温存していたのだろう。
(うおっ、こいつら一応魔法使えるのか、)
俺は少しびっくりしたが、防御魔法で軽く攻撃を防いだ。
「……少しはやるみたいだな」
「舐められたら困るな!
俺は優秀生なんだぞ!」
優秀生?学院にも入ってないのに?
あれか、集団塾みたいなのの中で威張ってるだけか、それじゃ所詮攻撃魔法が関の山だろう。
「さあ、裕福君たちどうする?」
俺はこの2人に誠心誠意本気で戦ってあげる事にした。
空を飛び、安全地帯から話しかける。
その姿はまるで神、いや、悪魔が囁く様に
「どうやって空に?」
俺は2人が戸惑っているのを無視して、攻撃をする。
一方的な蹂躙だ。
それに乗じて周りの敵も近づいてくれれば良いが、この激しさだと怯えてみんな逃げてしまうか。
俺はド派手に爆発魔法で蹴散らす。
気づかない間に1人は倒れていた。
「やり過ぎたか、ごめんね」
俺はそれに気づいて、回復魔法でアフターケアを欠かさない。
流石に派手にやり過ぎた。
強いのがバレてしまうかもしれない。
もう1人はうまく凌ぎ切っていたようで、俺が回復してあげてる間に背中を狙った。
「俺が、気付かないとでも?」
「ぐっ……」
俺はきっちり先手で心臓の防御魔法を割った。
「まあ、今年は相手が悪かった
来年頑張るんだな、お前ならまず2次の初めに勝者側で通過できる実力はある
俺の攻撃を耐えたんだから、才能あるよ」
「何か分からねえお前に褒められたって嬉しいはずないだろ!」
俺はその言葉にはあっとため息を吐く。
今お前を圧倒的な力で倒したのに、まだ実力を認めないだと?それともあれか?俺の師匠の方が優秀だったですか?
恥ずかしい、
「俺か?覚えておけ
俺はいなくなったこの国の王となる男だ!」
そう言って立ち去った。
こいつと話していては無駄だ。
「そろそろ、見つかるか」
俺は少し自分に傷跡をつけ、仰向けに倒れる。
数分後案の定と言った所か、アーノルドが助けに来てくれた。
「大丈夫?」
「なん……とか…な」
「本当に!次は1人で動かないでくださいね」
「分かった、悪かった
でも、1つ落としたぞ、これで俺達の勝ちが近づくな」
「そ、そう、だね」
なぜか歯切れの悪い返事をする。
俺はアーノルドの手を取り立ち上がる。
勿論回復は打たない。
使えないテイだからな。
別にこの程度の傷なら別に影響はないし、相手も所詮魔人以下のレベルしかいない。
敗者組なんだからな。
「これって、残り何チームとかは言われないのか?」
「はい、終わりの合図以外は学院側では何も言わないです」
「あ、あとさ学院以外に俺らより子供が集団で魔法とか習う場所ってあんのか?」
俺はさっきの事をアーノルドに聞いてみる事にした。
「……俺は、家庭教師だったから分からないんですが、
あるにはあると思います!
学院推薦があるくらいですから」
「そうか、ありがとう」
となると、あいつは学院が大元の付属校見たいなとこに所属していたと言う路線が正しい解釈だな。
でも優秀なら推薦貰えるはずだし、やっぱそこまでだったのだろう。
それからかなりするが、俺達が敵と遭遇する事はなかった。
範囲が縮まり、最終決戦が近づいてきた。
流石に目立ち過ぎると、強いのが派手にバレるし、アーノルドにさっき口出しされたんだ。
いくらなんでも2度破るのは叱ったほうが可哀想だ。
少しくらい俺にも自制心はあるというのだ、
それに比べ、あいつ、グランは大暴れだ。
俺達は隠密してるから一方的に見ているだけだが、あいつは1人で何チームも相手に蹂躙している。
やはり前進学院通っていても実践で魔法が使えるかは別問題。
さっきの2人も膠着状態が続いた中で動かない相手に放った1発のみ魔法を使った。
強力なだけあって、実演で使いこなせるかは別問題という事だ。やはりグランは使えてしまうから勿論強い。さらに、魔術師と名乗るが、剣術もある程度はイケるみたいだから仲間もいるが、完全に置き物状態だ。
「また1チーム倒されましたね」
「ああ、俺が見えてる範囲なら、正確ではないが残り7チーム程だろう」
これは本当だ。
俺には見えている。
そしてこの場が安全であるという事も。
さすがのグランも1つ戦いを終え休憩をとり再びの膠着状態になる。
(ここが、最終決戦って訳か……バトロワはここからが面白いのに、最後まで決めないんだから寂しいよな)




