開戦
一方、グラン
「お前が死んでも俺がいれば確実に勝てる
取り敢えずお前どっかいって俺が暴れてくるからさ」
そう言ってグランは速攻で仲間を振り切る。
(この戦いは近くに転送される事が多いから近くの苔を燃やして反対方向に進めば……)
「敵がいるって訳」
「やべー敵が来たぞ」
「おい!こいつ1人だ今のうちに倒すぞ」
2人が迎え撃つ。
しかし、この2人では簡単にグランを止める事は出来ない。
猫背なグランはまるで玄人の様な立ち回りだ。
2人の剣を上手く躱したり、杖でいなしたり洗練されている。
タイミングを見て、少しだけ間をとって魔法を打つ。
土を固めて顔付近ギリ躱せるくらいの速度と場所に打って避けた所に本命の氷魔法。
本来なら並の人なら死ねる氷魔法だがこの学院は凄い防御魔法が相当の攻撃を割れる事によって防いだ。
もう1人は常に相方がやられた事を見て、しっかり対策をする。
「絶対に負けねえぇ!」
「気合いじゃ俺は倒せないよ」
グランは軽く攻撃を受ける。
良いタイミングで、蹴りを入れて相手を飛ばす。
予想外の事で相手は剣を手から放し倒れてしまう。
この状況で剣を落とすのは死を意味する。
「なんだよ、そんなのありかよ…」
「なら、本番、理不尽な相手と戦った時も同じ事が言えるのかよ、
俺はお前みたいな甘えた考えの奴が一番嫌いなんだよ」
グランはそう言って必要も無く強めに剣で心臓の防御魔法を割った。
「これで一つ、今回は出来れば5つ落としたいな」
しかし、そう上手くは見つからず、ひたすらに探す時間が続いた。
―――
ルイスに戻る。
「こいつ1人だ!まずはこいつらから倒すぞ」
「一時休戦だ」
2組4人の奴が1人をリンチしていた所に俺が入ったらしい。
必然的に2対4の形が出来上がる。
「すまん、1人のお前、共闘してくれないか」
「敵じゃ無いのか?」
「ああ、だがお前も1人で4人は流石に厳しいだろ…だから」
「分かった!今俺たちは仲間だ」
仲間とは言ったが、2人とも真に信頼はしていない。
上手く連携は取れず敵が分散するだけで、数的不利は変わらない。
しかもあいつはあまり強く無い。
1人の相手やや押され気味。
でも、あいつも分かっていた。助ける必要はないと言う事を、だからか、「助けてくれ」とは言わなかった。
あちらが遂に決着となる。
完全に1人が負けた。
死に際にまさかの寝返りを宣言。
当然受け入れられるはずもなく倒されてしまった。
これで4対1
「いいねえ、楽しくなってきたねえ!」
俺は先制攻撃で、地面を沼にする。
足元を奪い一気に畳み掛ける戦術。
しかし、1人の男がすぐ反応したせいで、不完全な魔法になり、全員が沼には引っ掛からなかった。
「魔術師は近接いけんのか?」
やはり魔術師相手は近接で押すというのは、共通認識で習っているのだろうか、揃いも揃ってグイグイくる。
俺は一応剣を持っているというのに、魔術師は非力だと勘違いしている。
「すまんな、俺はお前に負ける程落ちぶれてないんでな」
浮いた1人を一閃。
正確に心臓の防御魔法を割る。
「あと3人」
恐らくこいつらの心情では逃げと言うのが働いているが、こいつを倒さないとと言う思考が先行したせいで逃げが一歩遅れる。
それを俺がしっかり、バックステップで少し距離を取って、地面に手を置く。
「また沼が来るぞ!」
「ジャンプだ」
俺が沼の一辺倒な訳が無いだろう。
逃げられない様に俺は背後に土でバリケードを作る。
簡易的な魔法だから割とすぐに壊されるが、こいつらの思考ではこの判断は出来ないだろう。
「何も……起きない?」
「魔力切れか?」
「いや、後ろ……逃げ道が……」
恐らく、3人の脳内が一致した。
「逃げ道がなくなったから戦うしか無い!」と言う事に。
「さあ倒してみろ」
俺は指で1人の心臓を狙うが流石に狙いがバレすぎていたか、見えない攻撃だが、剣で守られてしまった。
「お前ら!心臓を守れ!」
「おいおい、前じゃなくて下はどうするんだ?」
俺はそう言って地面から氷を突き出す魔法を放つ。
3人は綺麗に転がる。
しかし、全員が防御魔法だけは守っている。
「やるなあ、でも魔法が使えないと……」
「黙れ!!」
1人がカッとなったのか、踏み込みで突撃してくる。
勿論俺はその浮いた駒を流す訳が無い。
サイドステップで避けて、勢い余った男を受け止め優しく背中を剣で刺した。
「これで1チーム終わり!」




