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第一次試験


「これより合否の結果を配布する

 中を見てまず自分で確認する事」


 そう言って左前から紙を返却する。

 それを見て激しく喜ぶ者、静かに喜ぶ者、泣いて喜ぶ者と少しだけ、落ちてる者がいた。


(受かりすぎじゃないか?)


 俺より前のやつが半分以上が喜んでいる。

 少し俺も心配になってきた。

 これで落ちたら、ウィルはどんな反応するだろうか。

 ちょっとだけその反応も見たい感あるけど、もう1年頑張るのは流石にだるい。


 俺は配られた瞬間はそこまで願っても変わらないからサッとひっくり返して、自分の答案を見る。


(やっぱり前半やばいな、自信あるとこもちょいミスってんな、うわ、ここ間違えてる)


 テスト返し、別に楽しくないわけではない。

 結構自分の頭の中で「良くやった」とか「何してんねん」とかしてたから1人で楽しむ分には結構良い。


(後半は……まあそうだよな)


 当然の様に後半の魔術問題は満点、そして結果は合格だった。

 俺は何もなかったかの様に家に戻り合格を伝えると、2人はほっとしている様だったが、別に余裕だろ?

 勉強が出来ない訳じゃないのは前から知ってただろうに、


 まあ昨日の俺の反応が渋かったからだろうな。


「良かった……でふね」


 アイリスもパンを咥えながら笑顔な表情を見せているのが分かる。

 もう10歳になったとの事だ。

 大人しいから大人の雰囲気を見せるが、話してみると案外子供らしかったりする。

 しかも、魔術に関して強い関心を持っているが、パルナさんの意向でハンターにはならないとのことだ。

 この歳で学院にも入らず、大した学びもせずに扱えるのなら少し才能を感じるけど、そう言うなら仕方ない。

 

 俺はその歳ではもう、暴れまくって目をつけられまくってたけど、、

 ウィルもまあ前世の魔法の知識のおかげでとか言って、小さい頃から魔術を完璧に扱えていたそうだが、新たに覚えた魔術以外の成長はあまりしていないそうで、そこは若さ故の成長速度だったのだろう。


 小さい時に英会話はやらせるべきと言うのと同じだな。


「まあ一先ずは、まだ合格って訳じゃないし気は抜かないでおく」


 とは言っても内心では余裕だと感じている。


「いや、実技でお前に勝てるやつ世界でほぼいねえのに」

「当たり前だ、最強だからな!」


 俺は自分の強さを誰よりも分かっている。

 その強さには一切の隙もないと言うことも。


「今日はウィルはどうすんだ?」

「ちょっとアイリスと魔術の特訓を……」

「パルナさん、大丈夫なんですか?」

「ええ、ウィル君は優しいから」


(そう言うことじゃ無いんだけどな……)


 後で聞いたのだが、魔術の特訓と言ったが、実際はウィルの練習をほぼ見ているだけで、少しだけ回復魔法を指導しているだけだそう。

 まあ、魔術の知識に関してはあいつも相当だからな。


「じゃあ、俺は少し自分の家に戻ります

 夜は自分のとこで食べますし、朝も直接向かうので朝のご飯も要らないです」

「分かったわ、頑張ってね」

「頑張れよ、ルイス最初の方は見れるらしいから応援にはいく」

「別に来なくても結果は合格だ、アイリスの面倒でも見てやれ、パルナさんはお前のせいで忙しいから」


 そう言うと、アイリスとウィルは何やら怒った様な顔でこちらを見てくる。

 俺(私)のせいじゃ無いからと言わんばかりに、俺はその顔を無視して家を出て、日が落ちる前に自分の家に戻る。




「ただいま……うおっ」

「お帰りなさいませフェル様っ!」

「重いな、」


 そう言うとアルマーはすぐに身を引いた。

 悲しそうな顔をする。少し気にしていたのか、


「……ってごめんなアルマ、急だったからびっくりしてな

 でもすぐに飛びつくのはもうやめてくれ」

「いやですよ!私は1番ですから」


 本当可愛いやつだ。

 ウィルにももうちょっと優しくしてくれれば良いんだけどそうは行かないらしい。

 そこら辺はやっぱりマイナス。


 でも、頼りになるし強さも申し分ない。


「今日はどうなさいますかフェル様」

「ん?今日はカインはいないのか?」

「ええ、セシリアと任務に出向いてまして」

「……そうか、では俺もその任務に向かうとしよう

 アルマ一緒にくるか?」

「もちろんです」


 アルマーは声高く張り切ってる様に返事をする。


「じゃあ朝には戻る」

「いってらっしゃいませ」


 俺とアルマーは高速で街に向かった。

 どんな状況かは大体想像つくが、まああのカインなら心配無いが、セシリアがいるから難しい任務をしてないから不安になった。

 死なないとは思うが、死なれたら困る2人。


「どうして、今日は2人を助けに行くんです?」

「話さないといけないことができた」

「それはどんなことです?」


 これを話すとアルマーは悲しむだろう。

 全力で止めに来るだろう。

 でも決まってしまったこと、そして親友の為でもあるから約束は破れない。


「明日から学院に通う、数年間はたまにしか会えないだろう

 申し訳ないが決定事項だから譲れない」

「いやです!なら私も学院に行きます」


 それはまずい、と言うか、俺の近くにいる人は全員学院等には行かせたく無い。

 俺にとっては大切な家族の様なもんだ。

 俺から手放してしまうことにはなるが、いない間くらいは安心できる場所にいて欲しい。


 しかし俺はアルマーに少しだけ鬼畜な事を言った。


「試験があるから、アルマは入れないよ」

「そうなのですか……」


 また俺は1人悲しませてしまった。



 街について、2人の依頼している場所に着くと、俺がいる事に驚いている。

 それもそうだ。

 基本的に追加で誰か来る時は、他の女子が来るのに今回に限っては俺が来ているからな。

 とても珍しい事である。


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