戦いが始まる。
そろそろ入学の時期、後2週間程となったのに何だこの状況は、洞窟でモンスターを狩る予定が、何故か人がいるし、こっちに敵意を向けてきてるんですけど。
「ちょ……危ないです」
とても早い速度、
俺はかろうじて避けられたと思ったが、俺には一切の興味を持たず、一直線にルイスの方へ向かう。
標的はルイスの方だった。
「……魔人か」
「よくも、俺達の王を……」
何を言っているのかさっぱり分からん、そして速い。
男はかなりの速度で多方向からの攻撃を仕掛けるが、ルイスは一歩も動かずに綺麗に全て防御魔法で受け切る。
疲れたのか、バックステップで距離をとって一旦休憩を取る。
するとルイスは俺の方に向かって話す。
「こいつ、魔人の中でも多分弱い方だ、戦ってみろ
多分いい勝負だ」
「それって勝てる?俺」
「6:4でお前が勝つよ」
まじか、俺そこまで強くなったのか、少し嬉しい。
あれから俺の戦闘スタイルも少し変わった。
さっき見せた、ルイスの守備型が俺の戦闘スタイルだったのだが、それでは1ミスが命取りになる事が分かってしまった。
気付けてよかったのだが。
なのでそれからは、攻撃的魔術師というよく分からないポジションをする事にした。
これはルイスといる時限定だが、モンスターを狩る時もずっと
「死ぬ気で突撃してみろ、俺がいる(死なない)から」
とか言う圧倒的強者にしか許されない言葉を発した。
それのおかげか、俺の魔術の成長も著しかった。
何と言っても防御魔法を使わずとも消却魔法をほぼ完璧に扱えるまでになった。
レベル差問わずとは流石に言えないが、多少強い攻撃も90%くらいは弱体化出来るようになったおかげで気合いで受け切れたり、避けれたり出来るようになった。
攻撃が喰らわないとなると攻撃魔法の成長も実戦で積めるようになったと言う事だ。
爆発はかなり有効、爆風があるおかげでサポートもできる。
あと毒もやはり優秀である。確実に一瞬でも神経を削る事ができるその間にルイスがトドメを指してくれるから。
問題はやっぱり俺がトドメを刺さないことだけ。
「ここからは俺がお前の相手をする
ルイスを倒したいならまず俺を倒せ」
「おいおい、俺の親切で攻撃しないでやったのにそんな挑発していいのかよ死ぬぜ」
相手は完全に舐め切っている。
それが逆に好機。
まずは見せかけの派手な魔術を見せる。
それは俺の目の前にバリケードとして置く。
そうする事で、雑魚では無いと思わせる。
「ふん、その程度なら俺は破れないぜ、ガキさんよ」
「俺はガキじゃ無い、ウィルフレッド=ユースメルグだ」
ここで一度普通の剣で、受け身を取る。
勿論弱いので剣は壊れ、後ろに吹き飛ばされる。
「弱いな、調子に乗るからだ!」
完全に狙い通り、相手は全ての策を看破したと思い込んでいた。
フェイクの防御魔法も剣による受け身も全て打ち勝ったと思っているだろう。
勿論俺も全て負けると想定済みだ。
だからこそ、この最終奥義が輝く。
「魔人には人に足りる脳が無い
だからいつまで経っても狩られる側なんだよ」
バリンと魔剣が破壊した音と同時に強い衝撃が走る。
魔人には大きな傷、そして切断された片足、燃える体完全に攻撃力が1の男が出した攻撃とは思えない、決して強くは無いが弱くは無い、中レベルの敵1人倒すには十分な火力が出た。
「くそ……クソがああ」
そう魔人は死に様に何とも情けの無い言葉を吐き完全に燃えた。
「使っちゃったか、」
「まあ、俺召喚魔法使えるから」
そう言って、さっき使った魔剣と同じ形の剣を生成。
俺は実は召喚魔法もある程度習得していた。
まあ精度も低く、素晴らしいかと言われればNOと言わざるを得ないクオリティだが、無いに越したことはない。
「良いんだけどよ、召喚魔法は等級が低いと、魔剣は少しずつ魔力容量は減るからな」
「そうなのか……」
せっかく習得したのに、弱くなるんじゃ奥義じゃ無くなるから使えないな……
「まあ、俺が魔剣は買ってやるとして、今日は良くやったな!
中々に良い戦術じゃねえか
俺の手助けもなしで1人で魔人倒せるなら相当実力つけたな」
とりあえず俺の仕上がりは完璧。
これで後は入学するだけだ、不安は無い。
もう友達がいるのだから……
「ああ、ウィル君とルイス君のクラスなんだけど
多分別クラスだと思う」
「は?え?」
「俺はいるから、逆に俺がいたら意味無いだろ、安全だけじゃ無くて、俺以外の人との交流も増やして欲しいから仕方ない」
「無理無理
本当に無理、ごめんそれなら辞退するって」
「でも特待生の届けは出したしもう取り消しはできないんだよ……」
騙しやがった。
2人で俺を嵌めた。
これじゃ、2年前と何も変わってないじゃ無いか。
俺が戦えるようになっただけで、結果として俺は魔剣を使わないと倒せない。
だから俺の戦いに加減はない。
ふざけたりしたら殺したり、殺されたりするから、他の人も俺の扱いが大変だろ。
俺は自分の事が不安で仕方なかった。
「特待生は多分強えー奴ばっかだぞそんな余裕な顔なんて出来ないぞ」
「だから、殺されちゃうだろ!」
俺は必死に訴える。
「校舎は同じなはずだし……」
「4年間だっけ?」
「いや3年だった」
3年間、クラスは変わらないらしいし、特待生なら授業も必須なのが少ないから最悪逃げれば何とかなるけど、
「強くなるなら、俺がいない方がいい」
「……分かった
次会う時はお前を絶対驚かせてやるよ」




