#3 学食のメニューはまるで占い
某大学に通う3人のお話。
話が噛み合っているの、噛み合っていないのか。
仲が良いのか、良くないのか。
3人の会話が絡み合ってなんとも言えない1日が今日も始まる。
#3 学食のメニューはまるで占い
3人が学食の前で列に並ぶ
メガネ:いつも思うんだけど、学食のメニューを選ぶ時いつも同じモノを頼んでしまうんだけど。他のを頼んでみたいけど、ハズレそうで一歩踏み出せないんだよなぁ。
テンドウ:オレは考えるのが面倒だから、いつも一択だぞ。
ドッチ:一択でよく飽きずにいられるね。まぁ、メガネの言ってる事はわかるよ。確かに好みじゃなかったらショックだし、これどうする?みたい状態だよね。
メガネ:……今日オレは一歩踏み出すぞ。
ドッチ:どうした、急に。何きっかけ?
メガネ:オレは物心ついた時からメガネをかけていた。メガネはもうオレの体の一部といってもいい。しかしだ、オレがモテないのはメガネがあるからだ!メガネがあるからオタクの様に見られんだ。だから……コンタクトだ。オレはコンタクトにしてメガネを卒業する。
ドッチ:メガネに全責任を取らせるなよ。あと、学食と何が関係あるのさ?
メガネ:未開拓のメニュー、それは未知なる挑戦。失敗する可能性がある。いや、むしろ失敗する可能性が高い。ここを乗り越えたら、その勢いで脱メガネも成功する気がするんだ。
テンドウ:一理あるな。オレもDVD返す為にチャレンジするか。
ドッチ:まだ返してないんかい!それはご飯食べずにでも返しなよ!
メガネ:さて、運命を変える大勝負だ。ハイリスク、ハイリターンでいこうじゃないか。味の想像がつかない、人生で今まで食べた事がないメニューに今日は手を出す。
ドッチ:そんな珍しいメニューなんか学食にあんの?
メガネ:……ドライカレーだ。
ドッチ:ドライカレーって何?確かによくわかんない。カレーピラフみたいな物?
メガネ:カレーピラフだったら、カレーピラフと書くだろ。ドライカレー、それは別物の筈。カレーはウェット。ウェットなカレーがドライ。未知なる食べ物で人生で出会った事が無い。
テンドウ:オレは学食でカレーを毎日食べてるが、確かにドライカレーに気付かなかった。何者だ。
メガネ:ふふふ、それは会うまでのお楽しみさ。いざ、ドライカレー、勝負!あっ、ドライカレーくださーい。
先に席に座って俯いているメガネにテンドウとドッチが合流
ドッチ:これがドライカレー?…なんか想像してたのと違う。
テンドウ:確かに。キーマカレーの固まりの様な。初めましてだな。
メガネ:2人とも困惑してるようだけど、1番困惑してるのはオレだよー!!何これ、何なのー!!ドライじゃない、もう既にウェットじゃん!!
ドッチ:これは困惑するわ。
テンドウ:オレのカレーの方が美味そうだ、負け戦かもしれんな。
メガネ:負け言うなよ…そうだ、見た目で判断してはダメだ。重要なのは見た目ではなく、中身。
ドッチ:重要なのは見た目じゃないってわかるけど、この流れは既にコンタクト失敗しそうじゃない?
メガネが一口食べるのを見守るテンドウとドッチ
メガネ:…やっぱりドライじゃない。
ドッチ:いやいや、味の感想わい。
メガネ:普通のカレーの方がうまい。オレはやっぱり一生メガネのままなのか……
テンドウがドライカレーを一口食べる
テンドウ:オレはうまいと思うぞ。カレーといっても色んなカレーがあるからな。メガネも色々なメガネがあるじゃないか。メガネの種類を変えたら印象も変わるんじゃないか?
メガネ:確かに、オレはこのメガネと一生付き合うわけじゃない。これから色んなメガネと付き合っていくんだ。
ドッチ:メガネを彼女みたいに言うな。あと人は中身が重要だから。