占いだって外すことぐらいあるよ 星座編
今夜も盛況。盛況。客の列が絶えない。
お隣はね。こっちはさっぱりだよ。
「お願いします」
一人目のお客がやって来た。
面倒だねまったく。
「それで何を占って欲しいんだい? 」
「えっと相性が知りたいんです」
若い子だ。学生さんだろう。まあ適当でいいかな。
机には水晶やタロットカードがある。これで多少は格好がつく。
「その…… 」
「待った! 当ててあげるよ。同級生だろ? 」
「違います。先輩です」
「惜しいね。うーん。野球部のエースだね」
「違いますって! サッカー部のスーパーサブ」
「ははは! コンビニのバイトをしてるね? 」
「だから違うって! レストランでウエーター! 」
これまた外してしまった。よくあること。
「もうさっきから外してばかり! どう言うつもり? 」
疑いの目でこちらを睨む少女。これでは信用を失う。
まったく最近の若い者はこれだから。我慢が足らないと言うんだよ。
「続けるよ。初めての出会いは帰り道に見かけた…… 」
「違うってば! たまたま入ったレストランで一目惚れ」
「ああそうかい。じゃああんただ。専門だろ? 」
「違うってば失礼ね! 共学に決まってるでしょう! 」
「ほうそれは驚愕したね」
「いいから早く占ってよ! 」
どうもご機嫌斜めのようだ。
この年頃の子は皆こうなのかね。まったく困ったもんだよ。
「じゃあこのタロットを一枚引きな」
適当に真ん中を取る少女。
「本当にこれでいいんだね? 」
「はい。早くしてよね! 」
「五百円だよ」
「はああ? 」
「だから五百円。ほら早く! 」
「もう! 何なの? 」
「毎度どうも」
「じゃあ水晶と行こうか」
「お願いします」
それっぽいものを出したものだから少女は真剣だ。
「うーん。百万円」
「ふざけんな! 」
怒らせてしまった。
「商売道具だからね。高いんだよ」
「もういい加減にしてよ! 占う気あるの? 」
そう言われては証明するしかない。
「あなたの近所に住んでる…… 」
「違うわよ! 工場の脇よ! 」
「なぜ知ってる? 」
「それくらい当然でしょう! 」
「ストーカーは止めなさい! 」
「まったく失礼なんだから! 」
そろそろ当てないとまずくなってきた。
評判が悪くては客は寄り付かない。
いっそのこと全て外す占い師でやって行こうかね。
「じゃあ最後だ。実はこの時の為に全て外してたのさ。
「彼はおとめ座の男だね」
少女が一瞬凍り付いた。手応えあり?
「さっきから失礼ね! ロボットなんだから星座なんかある訳ないでしょう! 」
それはハイカラだ。わたしゃもうついていけないよ。
<勘>
補足
専門 人間のみの学校。
共学 ロボットと人間が共に学ぶ学校。
驚愕 びっくりすること。
主人公 占いで生計を立てているお婆さん。