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魔導のファンタジスタ  作者: ルジリオ
一章 魔導学院、入学へ
61/130

反撃へ

『さあ、選手各ポジションに戻っていきます。Aクラスチームが一歩リード。しかし試合はまだ終わっておりません。まだまだ逆転のチャンスはあります!』

 作戦会議を終えてすぐさまポジションに戻っていく。

(……ここがこの試合のターニングポイントだ)

 後半からの試合の流れはAクラスチームが握っていた。

 フェネクスの負けん気に満ちたプレイでAクラスの生徒が感化され、彼らのサッカースタイル、『魔法サッカー』が存分に発揮されたプレイング。

 自分たちはそのサッカーに翻弄されている。

 後半も二十分が過ぎ、これ以上彼らの『魔法サッカー』を好きにさせてはいけない。

 でなければこの試合は最後までAクラスの流れのまま進むであろう。

 ボールの前に立ち、笛が鳴った。

 試合再開の笛、キックオフ。

「シュンくん」

 モーグリンからボールを受け取り前へ進む。そして相手もシュンからボールを奪おうと動き出した。

「止めに行くわ!」

「おう!」

 Aクラスチームのフォワード二人、ケットシーとドゥラハンが守りにシュンの前に立ちふさがる。

 シュンの動きを見ながらゆっくりと、しかしキレの合う動きでボールをカットしに来た。

(しぶとい守り! さっきと違って迷いがない!)

 力攻めはせずじわりじわりとボールを取ってくるような動き。

 思わずシュンも立ち止まる。

 Aクラスのチームが優勢になり、さらにはフェネクスの活躍が彼らの心にある不安が消える。シュンに対しての過剰な警戒がなくなり動きにキレが戻る。

「だが! ドリブルのキープ力なら――」

 ボールを浮かばせて一瞬の高速ステップで二人をかわし切る。じっくりと守ってくるならフェイントではなく最高速のスピードで切り抜けるのみ。

 二人の間を抜くように突破した。

「誰にも負けん!」

「くう!」

 なんとか二人抜きを達成し、そのまま敵陣を進みこむ。

「皆、もう一度行くぞ! 『マジックフォースサークル』だ!」

「「「はい!」」」

 シュンがドリブルで突破したとき、Aクラスの準備はすでに終わっていた。

 巨大な魔方陣がAクラスチームの自陣に展開された。

『出たぁ! 再び発動! 『マジックフォースサークル』! 完全な守備態勢! このリードを守り切るつもりでしょう!』

 あの魔方陣が再び現れた。『マジックフォースサークル』は魔方陣の上に立つ人物の魔法の効果を上げることができる。

 このリードを保って勝ち切るための作戦であろう。

「シュン! 再び止める!」 

 領域魔法を唱えた後、フェネクスがすぐさま猛ダッシュでシュンに迫ってくる。

「チィッ! だけど!」

 先ほどは止められてしまったが今度はそうはいかない。

 シュンはボールタッチで相手を揺さぶろうとしたが、

「遅い!」

 フェネクスがすぐさま近づいて『豪快なカット』を仕掛けに来る!

 シュンのフェイントなぞ関係ないといわんばかりの強引な防御だ。 

『おっと! フェネクス選手が炎をまとってシュンに炎脚の一振りをあびせにきた! 当たれば確実に吹き飛んでしまうでしょう!』

 フェイントを見ていたら迷ってしまう。それではシュンに抜かされてしまう。

 だからこそ先制防御のカットである。

 その攻撃にシュンはすぐさまフェイントを止めて、ボールの下に足を入れて上にあげて浮かばせる。そしてフェネクスの炎脚の一振りをジャンプでかわした。

『シュン選手、とびこえるつもりか⁉』

「甘い!」

 だがフェネクスはそれを予測していたかのように足を急停止。そして飛び越えているシュンめがけて足を思いきり振り上げる。シュンを真下から蹴り上げて吹き飛ばしてボールを奪いとるつもりであろう。

 途中で軌道を変えてもスピードと力強さはまったく衰えていない。

 空中にいるシュンに炎の一撃を振り上げてボールとともにシュンにぶつける。

「なんとぉ!」

 しかし相手の攻撃をやすやすと喰らってたまるか、シュンはボール上に右足を乗せて体重をかける。そしてフェネクスのカットを自身の体重を利用した防御で防いだ。

 これですぐさまボールを両足で挟んで前に飛び越えれば抜けれるはず、すぐさま左足を動かそうとしたが、

「人間の体を! 片手で持ち上げられる私が!」

 フェネクスの右足の炎がより激しく燃え盛る。

「えっ⁉」

「片足で持ち上げられないと思っていたか‼」

 そして右足をシュンごと振り上げて、ボール越しに蹴り飛ばした。

 なんという身体能力。強靭な肉体を持っているからこそできる無法なボールカット。全体重を乗せて突撃するショルダーチャージよりも力強い。

「うおっ⁉」

 片足で空中に吹き飛ばされたシュン。

 だが幸い自分の近くにボールがある。すぐさま足を動かしてボールを蹴とばして味方にパスを出す。

 運がよかった。もしボールの存在に気づかなかったらフェネクスがボールを奪いにジャンプしてきていたであろう。

 そしてパスを出した後、シュンは地面に着地。

『これは上手い! カットで吹き飛ばされたシュン選手、空中でパスを出した! なんとかフェネクス選手の守りを切り抜けました!』

「吹き飛ばされてもなんて冷静な判断……」

 ボールごと体を蹴り飛ばされても、相手にボールを渡さないためにパスを出すそのメンタルに驚きつつも、これがサッカー特待生であるシュンの強い部分であると理解した。

 飛ばしたボールはトノスがすぐさま受け取る。

「ボールを受け取ったんだ! 攻めるぞ!」

 パスを受け取ったトノスが前に出ていく。

「皆も動いているよな……」

 相手選手の行動を警戒しつつ、味方の様子を確かめようと周りを見ると、

「なっ⁉」

 驚きの声を上げた。

 ――シュンの近くにフェネクスがいる。

 フェネクスはシュンをマークしたのだ。

『ここでフェネクス選手。サッカー部チームのストライカーであるシュン選手を徹底マーク! 点はやらせない! そのためのマークでしょう!』

「シュートを打たせない。君たちのチームの得点源はシュン、君だからな」

「……そう来たか」

 正直に言えば誰かが自分にマークをしてくることは想定していた。Aクラスが今勝っているため、このリードを守ることが大事。だから点を取る可能性が一番高い選手を封じに来るのは当然。

 だがまさかフェネクスが攻めを捨ててシュンをマークしに来るのは想定外ではあった。

「情けない話だけど、フェネクスさんじゃないと彼を止められないからね」

 フェネクスならシュンに苛烈なマークをしてボールを渡せないようにプレイしてくれるだろう。身体能力と魔法で互角以上に戦えるフェネクスにしかこの役目をこなせない。

 そう思っての作戦。

 こうすればシュンの動きを制限できる。

 Aクラスチームにとってシュンにシュートを打たれて点を取られることが一番警戒しなければならないことなのだから。

「シュンさえ押さえれば勝てると思っているか! なめやがって! 俺だけでも攻める!」

「待って! わたしたちもいるから!」

 トノスが一人で突っ走ろうとしたらモーグリンも急いでサポートしに行く。

 サッカー部チームにとって攻撃の要であるシュンに強力なマークがつくのは苦しい状況に持ってこられてしまった。

「……」

 キャプテンのマデュランは相手の作戦を見て、

(シュン……今は守りの時、なんだよな)

 心配になりながらも先ほどの作戦会議のことを思い出していた。




「皆さん、すいません。しばらくの間、俺は魔法を使いません」

「え?」

「なんでだ?」

「あの領域魔法を発動しているAクラスチームを相手にするには常に魔法を使わないと突破できないと思ったからです。さすがにあの場所だと俺のドリブルも魔法で簡単に止められてしまいます」

「ああ、たしかにそうだな」

「ただでさえ強力な魔法がより厄介なものになるからね」

「でも、俺の魔力が満タンの状態なら点を取れるチャンスを作ることはできます。その時になったら指示を出しますので、その時まで耐えてくれませんか? 絶対にシュートを決めますから」



 

(不思議だ。年下の新入生の言葉なのに、不安だけでなく希望も湧いてくる。シュンならこの状況を変えてくれるような気がしてならない)

 これまで彼の活躍を見ていたからか、それとも彼の気迫あるプレイに心惹かれたからか。

 任せてほしいと頼まれたとき、サッカー部のほとんどのメンバーは頷いてシュンの作戦に乗った。例外は、無理でしょと否定したトイズと

 シュンの魔力が溜まるまで今は必死に耐えるまでだ。

「この試合、シュンに頼ってばかりだからな。この時ぐらい、必死になって勝利に貢献せねば! いくぞ皆! 上がれ!」

「おう!」

「わかったわ!」

 その指示とともに前に走り出すサッカー部。センターラインまで上がってきた。

「あいつらも攻撃に加わるのか?」

「いや、おそらく中盤で守りを固めるつもりだ」

 ゴール付近で守っていてもAクラスチームは来ない。なぜなら領域魔法によりロングシュートの方が威力の高いシュートを放てるからだ。ならば中盤まで上がって相手からボールを奪いに行った方がいい。

 だがそれは中盤を越えられたらフリーにシュートを打たせてしまうということ。失点のリスが大きい。

 だとしても、もしフェネクスにボールが渡って領域魔法で強化されたマジックシュートを打たれることを考えると中盤まで上がって守りに行った方が失点する可能性が低い。

 一点も取られたらいけない状況、だからこそのこの作戦。

「それ! ただ上がるだけではない!」

 サッカー部ディフェンダー陣が中盤まで上がった後、キャプテンのマデュランだけさらに前進。一気にアタッキングサードまで駆け上がってくる。

 マデュランがオーバーラップ。攻撃に参戦だ。シュンがマークされて前線でとどまっているサッカー部攻撃陣に援護しに行ったのだ。

『サッカー部、ここで賭けに出たか! キャプテンのマデュラン選手がどんどん前に上がってくるぞ!』

「トノス! 私にパスを!」

「マデュラン! 大胆なことをしてきたな!」

 フェネクスもマデュランのオーバーラップにそうきたか、と感心する。守りを捨てての攻撃。シュンが動けないならキャプテンである自分が動いて試合を変えようとするその姿勢に感心したのだ。

 本当ならここでボールを奪いに行きたいフェネクスだが、だからといってサッカー部の攻撃の中心であるシュンから目を離すのは悪手。マデュランとシュンが連携して攻めてこられることの方が厄介と考えると、シュンから離れないことが大事であろう。とどまることもサッカーだ。

「マデュランか! よし、プロス! ほらよ!」

「うん!」

 マデュランが攻撃に加わってきてのなら早くボールを渡そう。だが直接渡すのはAクラスチームが奪ってくるかもしれない。先にプロスにボールを渡してパスを読まれないように私に行った。

「この!」

「おっと、危ないっと!」

 相手チーム音横からの奇襲スライディングにも軽くよけてマデュランにパスを渡す。これでマデュランにボールが通った。

「よし!」

「ここまで上がってきたのは焦っているのか、マデュラン!」

「フロストンか!」

 ボールを受け取った瞬間を狙ったフロストン。マデュランの目の前で魔法を発動し、冷たい霧が周りに現れる。

「この霧! 『コールドミスト』か!」

「お前が相手なら容赦はせんぞ!」

 霧で視界を封じ、なおかつ冷気で動きを鈍らせてからの鋭いスライディングタックル。ボールを刈り取ろうと低空のタックルをマデュランにあびせた。

「なっ⁉」

 だがしかし。ボールは全く動かない。

 ボールとみると、バリアをまとった足でボールを力強く踏みつけていた。

 視界を封じようがボールを奪ってくることはわかる。ならばボールを取られないように動かすのが困難なほどボールを足裏に止めておけばいいのだ。バリアの魔法で守りも強化し、生半可な攻撃ではボールを奪えないようにすることによってフロストンのスライディングタックルを防いだのだ。

「守りの魔法ならたとえAクラスの生徒相手だとしても――」

 体に力を込めて、少し前に足を踏み出す。足を前に出したとき、強烈なパワーでフロストンの足が押し返されて、前へと思いきり足を踏み出したその時フロストンの体が吹き飛ばされて地面に転がっていく。

「ぐはっ⁉」

『フロストン選手、飛ばされた! マデュラン選手、その巨漢にふさわしいパワーで相手の守りを崩していく!』

「互角に戦えるぞ! 私は!」

 フロストンを吹き飛ばして、目の前にあるゴールが見える。自身のパワーならこの距離でもゴールを狙えるはず。そう考えて魔方陣を展開。

『おー! ここでサッカー部チームのキャプテンがシュートの構え!』

「この距離でも! 『バリアシュート』!」

 ボールにバリアをまとわせてからの強烈な一撃が発射。

 ディフェンダーなため凡庸のマジックシュートしか放てないものの、その巨体を生かした強烈な蹴りで吹き飛ばされたシュートは並みのストライカーの威力を越えている。

 そのマジックシュートが直進してゴールに向かっていった。

「キーパーだけに負担をかけさせるかよ!」

 だがしかし、相手チームも黙ってみているわけではない。

 ディフェンダーのゴムレスとタルチュラがマジックシュートを防ぐために横から飛び出し、魔法壁を展開。それをぶつけてシュートの威力を落とそうとした。

『しかし同点にはさせない! Aクラスチームのディフェンダー陣のシュートブロック! マデュラン選手の豪打の蹴りを止めに来た!』

「止めた!」

「いーや、まだだよ!」

 シュートを防がれたが、ボールは弾かれてモーグリンの近くに転がっていく。

 目の前にディフェンダーはいない。シュートを妨害する相手選手はいないということだ。絶好のシュートチャンス。

(狙いは! ゴールの隅!)

「『ウォーターシュート』!」

『これは! シュートブロックで弾かれたボールはモーグリン選手の前にこぼれた! そしてそのボールはすぐさまシュート!』

 鉄砲水のような勢いで飛んでいく水球。正確無比なマジックシュートはゴールの内に捉えつつゴールの隅に狙って進んでいく。

「たとえ狙いがよくても! 『バリア』で!」

 ゴールキーパードレイク。ここは発動するまでの時間が短い『バリア』の魔法を唱える。そして両手に魔力防壁を展開した状態でシュートボールに向かって大ジャンプ。

 よく使っている『リフレクトシールド』ではボールを止めるまで間に合わないと判断しての『バリア』でキャッチング。

 ドレイクの手にボールが当たり、そして水を弾き飛ばしてボールをがっちりとつかみ取る。そして地面に倒れつつもボールを抱き着きゴールを割らせない。

 モーグリンのこぼれ球ねじ込みを何とか止めた。

『と、止めた! 軌道を読んですぐさまダイビングキャッチ! ボールを弾くことなく手のひらに収めました!』

「ただのマジックシュートでゴールを決められたらAクラスの生徒として失格だからな」

「む、むー!」

 止められてちょっと不機嫌なモーグリン。

 Aクラスの守りは鉄壁だ。同点にさせないために必死に守っている。

「……なぜだ」

 その一方、シュンをマークしているフェネクスは疑問を抱いていた。

(先程のあの状況。ゴールを取る大チャンス、シュンならば動くと思っていたが)

 今の攻撃に参加しないことに首を傾げる。シュンならば今のチャンスに加わると考えていた。あのこぼれ球をシュンが打っていた方が点を取る可能性も高い。

 ――自分がついてくるから動かなかった?

 そう考えて、すぐさま首を振り違うと断定するフェネクス。シュンは根っからのストライカー。点を取るチャンスなら確実に攻め込む。

 だからこそ何も動かないシュンに疑問を持っているわけだが。

 そんなことを考えていると、ドレイクがボールを思いっきり蹴り飛ばして仲間に渡す。今度はAクラスチームの攻撃だ。

「もう一点取れば――」

「おせえ! 『ストライクタックル』!」

 だがその攻撃は一瞬で終わった。

 リンナイトが離れた距離からハイスピードタックルがケットシーに激突。そしてそのままボールを奪い取りつつ相手を吹き飛ばした。

「きゃあ‼」

「へっ、お前らこんな便利な魔法を使っていたのか。そりゃあ強いわけだな!」

 領域魔法、『マジックフォースサークル』の上で発動した『ストライクタックル』はいつもより速くスピードが出て、相手から遠い距離で放ってもすぐさま懐に入り込むことができた。

 Aクラスがより厄介になる理由が今の魔法でよく理解したリンナイトはすぐさま前線にパスを出そうとする。

「この!」

 そうはさせないとドゥラハンが走り込んできてボールを奪いに来た。ボールを取られた程度で攻撃を緩めるつもりはない。取り返すことができれば攻撃続行だ。

 素早く足を振りボールをカット。

 これで再び攻撃できる。

 ――ブンッ!

 風を切る音がした。

 ドゥラハンの足元にバルバロサが低い姿勢で足払いスライディング。視覚外からの奇襲ディフェンスだ。

「ただでボールを渡すと思いますか!」

「うおっ⁉」

 突然の足払いスライディングタックルに対処できず、ボールを取られて地面に転がされてしまう。

『まさに執念の守り! Aクラスチームの攻撃をすぐさまシャットアウト! サッカー部チームの陣地に踏み入れさせない!』

「なんて守りの固さ! サッカー部の陣地に足を踏み入れられない!」

「フェネクスさんなら突破できるかもしれないけど今頼るのはな……」

 サッカー部メンバーの必死の守りにAクラスチームの攻撃陣も困惑。絶対にシュートを打たせない、そんな気迫が彼らのプレイに伝わってくる。

(当然だ! 俺たちが突破されたらゴールまでフリーだからな! 相手が自陣でしか攻撃してこないなら相手の陣地でボールを止めてやる!)

 ドリブルで突破させない、相手陣地からのロングシュートも打たせない。

 点を取られたら負け、だからこそAクラスの武器である強化したマジックシュートを打たさせない。

 そしてAチーム陣地でのボールの取り合いが起こり、時間だけがたっていく。サッカー部チームにとって攻撃して点を取れないのは苦しい展開ではあるが、Aクラスチームもサッカー部の攻撃を耐え続けているためこちらもかなり厳しい。 

「――そろそろね」

 そしてこの展開にとうとう流れが変わる。

 フィールドを見ていたクアトルが右手を上げた。

「シュン君、みんな。お願いね」

「――ん⁉」

 それを見たシュンはその時が来たか、そう思った。

(来たぜ!)

 あの腕上げはシュンの体内の魔力が満タンにまで溜まったという合図。

「皆! ついてきてください!」

「おっ、とうとうか!」

「ラストは任せるよ!」

 すなわち反撃の時は来た。

【エルドラドサッカー日誌】

 ストライクタックル

 足に魔力をためてハイスピードで飛んでボールを奪い去る超高速のスライディングタックル。

 リンナイトの得意な技であり、視覚外からの奇襲では無類の強さを誇る。

 超高速のスピードと魔力によって強化された足の一撃は強烈で、シュートをブロックする点でも頼りになるマジックディフェンスである。


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