火鳥、飛翔
休憩が終わり、両チーム選手、フィールドに入って自分が担当するポジションに向かっていく。
試合後半戦が始まろうとしていた。生徒も休憩を終えて観客席に戻っている。
キックオフはサッカー部の方。シュンとモーグリンが中央に立っている。
「モーグリンさん。俺にボールを渡してください。お願いします」
「うん、わかったわ~」
(よし、もう一点取ってリードをさらに広げる)
点はたくさんあった方がいい。Aクラスの魔法による爆発力は侮れない。このままリードを保ったまま試合を終えるのは大変なことであろう。
ゆえにシュートを打ちまくって点を量産しなければならない。
点差を広げて勝利をより盤石にすることが大事だ。
ピッーーー‼
『試合再開の笛が鳴った! さあ、皆さん! 試合後半戦が始まります! おっと、シュン選手がいきなり上がってくるぞ! 点を取る気満々です! ノってます!』
「皆! 俺についてきてください! 点を取りに行きますよ!」
「うん~! わかったよ!」
シュンの指示にチームの味方がついていく。
初っ端からフルスロットルだ。相手陣地を突き進んでいく。
「何度も抜かされてたまるものですか!」
Aクラスも負けじとボールを奪いに行く。
シュンを警戒しているのかじわりじわりと迫っていく。
するとシュンは立ち止まって体をひねりボールを蹴る構え。
これはパスを出す。
そう思ったケットシーすぐさまシュンに近づいてボールを奪おうとする。ほかのメンバーはシュンがパスを出すであろう相手に向かってパスボールを止めようと走っている。
これでシュンを封じた、そう思ったケットシーであった。チャージを仕掛けてボールを奪う。
「え⁉」
その行動をしようとした瞬間、シュンは振った足を地面において、もう片方の足でボールをタッチ。そして自分からボールを奪おうとしたケットシーの横をすり抜けるように通っていく。
「なんてな!」
足にボールと一緒にケットシーを軽々と通り抜けた。
パスを出すと思い込んでいたケットシーは突然のドリブルに対応できず、思わず立ち止まってシュンに抜かれるのをただ見るだけしかできなかった。
さらにケットシーの後ろにいたドゥラハンも、シュンはインサイドからのアウトサイド切り替えし。これも軽々と突破する。
『シュン選手! いきなり二人抜き! 彼のドリブルを止めれるものはいないのか! そよ風のように捉えられない!』
(くっ……完全にシュンに思いどおりのプレイにさせられている!)
味方がいとも簡単に抜かされたことに、フロストンはシュンを見て苛つく。
Aクラスのメンバーはシュンに警戒しすぎて、シュンのどんなプレイでも疑念を持ってしまっている。
ケットシーを抜かした技はキックフェイク。パス、もしくはシュートをすると見せかけて、相手を惑わせた瞬間に抜かす技。練習をすればだれにでも使える基礎的なフェイント。
単純なキックフェイントで惑わされるほど、シュンのプレイングが脳裏に焼きついているのだ。
Aクラスの方が魔法では勝っている、身体能力も負けていない。
だがフィールドで優勢になっているのはシュンなのである。
「どうにかして止めなければ……」
しかしうかつに近づいては抜き去ってくれと言っているようなもの。
とりあえず後ろに下がって様子をうかがうことにした。
(へへ、相手の動きが鈍いな。これなら楽に抜ける)
完全に迷いが見える。シュンのドリブルに惑わされているのだ。あれだけ動きが鈍ければドリブルで相手を抜き去っていけるだろう。
まさに攻めのチャンス。前半の終了間際にチェインシュートで点を取ったからこそ、Aクラスの生徒がシュンにどう対応すればいいのか迷っているのだろう。
今なら誰も自分を止めることはできない。シュンはボールを転がしながらそう思った。
ならばここはシンプルな作戦が一番いい。
「ここはまっすぐ進んでいくに限るな!」
『シュン選手! 止まらない! ゴールに向かって一直線だ! 彼を止めなければリードが広がってしまうぞ、Aクラスチーム!』
自分がどんどん前に進んでいってシュートを打ちにいく。隙を見せている今なら点も取りやすいはずだ。
そう考えての単独突破。
そう考えていると前にフェネクスが見えた。静かにこちらを見ている。
「彼女を突破すれば……」
チームの中心であるフェネクスと一騎打ちで再び勝てば、確実にAクラスの勢いはなくなる。
ならば今勝負を挑むべきなのだろうが、
「……」
不気味なほど静かに立っている。ただ突っ立っているわけではない。視線はシュンをじっと捉えている。
なにか変だ、シュンは警戒してドリブルをしながらフェネクスに視線を向けた瞬間、
「――ッ⁉」
体に震えが走った。
正確にはフェネクスの目を見たときに突然心臓の音が大きく聞こえたような、とにかくなにか危ない予感を感じ取ったのであった。
(なんだ、このプレッシャーは⁉)
サッカープレイヤーとしての本能が告げる。
彼女、バニス・ウー・フェネクスの前に立つな、と。
なぜかはわからない。だがシュンはその本能に従うことにした。
先ほど感じたプレッシャーはサッカープレイヤーとしての本能で感じ取ったものだとシュンは思った。ならばそれに従うのみ。
「トノスさん、パス!」
「おう!」
味方にパスを出して前線を上げようとする。
「もう一回シュートを打ちに行くぜ!」
「うわ⁉」
トノスの前にいるAクラスミッドフェルダー、トレンツに対して姿勢を低くして抜き去った。シュートが打ちたくて仕方がないトノスはハイスピードでゴールに向かっていく。
あとはディフェンダーを抜けばフリーでシュートが打てる。今度は自分一人で打ってやる、そう思って前に進んでいると、
「なっ⁉」
声を上げたトノス。
驚きの声が混じった声。
――トノスの目の前にフェネクスがいる。
いつの間にかトノスの前にいたフェネクスに驚くフィールド上の選手たち。
(マズイ! ここはバックパスで――)
――スパンッ‼
風を切るような音がした。
その音はフェネクスが思いっきり足を振るったときの音だ。
豪快な脚の一振りがトノスを襲った。
「うわ⁉」
『こ、これは! なんて豪快なカット! 相手をボールと共に蹴り飛ばすかのような脚の一振りでボールを奪い取ったぁ‼』
ボールを奪いつつトノスを吹き飛ばす、なんて『豪快なカット』。
フェネクスはボールを奪い取り、
「――このまま」
ボールを強く踏みつけて、
「負けっぱなしでいられるかっ‼」
フェネクス、咆える!
フィールドどころか観客席にいる生徒や教師にも彼女の怒りの叫びが轟いた。
「この私をなめるなよ!」
『フェネクス選手! 単独でフィールド中央を斬り込んでいく! 先程までの冷静なプレイから一転、荒々しいドリブルで進んでいくぞ!』
「フェネクス⁉」
「この圧倒されるようなプレッシャーは……」
サッカー部のメンバーはフェネクスの変わりように驚き、そしてその威圧感に無意識に体が震えていた。
そしてその震えはフェネクスにとっては絶好の隙であった。
「邪魔だ! どけ!」
「きゃあぁっ⁉」
避けることなく曲がることなく、そのまま直線に最高速のスピードでダッシュしながら、真正面にいたプロスにチャージ。悲鳴を上げて空に吹き飛ばされていった。
『なんと! スピードをいかした激しいドリブルっ! いつも冷静沈着のフェネクス選手からは考えられないプレイング! まさに猛々しく燃えさかる炎が如く! サッカー部、止められない!』
実況のメロエウタもフェネクスの変わりように驚き。
そしてAクラスのチームも困惑していた。
「な、なんだ……あのフェネクスさんが……」
「ディフェンスではそういうプレイは見せていたけど、ドリブルであんなに攻撃的な技は見たことがないわ!」
「あの目……マジのときのフェネクスだわ」
彼女とずっと中東部の時から同じクラスであったケットシーは小声でつぶやいて、脳裏にはある出来事を思い出す。
(去年のエルドラド魔導祭。彼女が出た競技で一番の自信のあったコメットレース。誰もが優勝を予想していたけど、結果は二位。準優勝になった)
普通の人ならこの結果に喜ぶか、もしくは優勝を逃したことに悔しがるか、そのどちらか。
だがフェネクスは違った。
(その時の彼女……怖いという言葉しか思い浮かばなかったわ。部屋の中の家具が荒れに荒れて……ベッドも燃え焦げがあったし……)
悔しがってはいた。それと同時に怒りも抱いていた。負けてしまったことへの己のふがいなさ。そして頭の中では優勝者を称賛しているが、心の中では私が優勝するべきだ、負けるなんて納得できるか、というそんなわがままな怒り。
それはフェネクスの本性ではない。
冷静沈着な生徒会長として威厳ある姿も、ただ勝負にどん欲になり負けることが何よりも嫌な彼女も、どちらもフェネクスの性格であるのだ。
「普段は冷静、だけどここぞというときは爆弾のように激しく戦う。今のフェネクスさんが本来のバトルスタイルなのよ」
今のフェネクスは火鳥だ。
邪魔するものならどんな存在であろうと燃やし尽くしてゴールへと飛ぶ火鳥。
大地にヒビが入りそうなほどの力強い走りで前に進んでいく。
「だめだ、止めなければならない!」
このままだと点を取られてしまう、そのことを察知したシュンはすぐさまゴールに戻っていく。自分はフォワードだが関係ない。今止めなければ絶対に点を取られてしまうという確信があるからだ。
「マデュランさん! シュートを打たせてはダメだ!」
「ああ、わかっている!」
シュンの言葉を聞く前に動き始めていたマデュラン。ほかの仲間もマデュランについていき連携守備でフェネクスを止めにかかった。
「止めれるか? このバニスを!」
何人来ようが焦りはない。どんな相手でも突破してやるという闘志が満ちていく。
むしろ複数人で来るというならば、全員抜き去ればその分ゴール前の守備も手薄となるもの。
ならば邪魔な連中は魔法で吹き飛ばせばいい!
「翔ぶぞ‼ 『フェニックスダイブ』‼」
全身に紅い炎が包まれる。
そのまま上空を飛んで、マデュランのたちの目の前に急降下。そして地面に着陸した瞬間、火の羽とともに炎の衝撃波がフェネクスを中心に広がる。
灼熱の熱波がフェネクスを邪魔するものを吹き飛ばさんと、マデュランたちサッカー部ディフェンダーに襲い掛かってきた。
「うおっ⁉」
「きゃああ⁉」
羽と一緒に空に吹き飛ばされてしまうマデュランたち。
なんという魔法、着地したフェネクスの足元の草が見事に燃え尽きている。彼女のいる場所だけ大地のサッカーフィールドになっているのだ。
「この魔法は! 冒険のときにモンスターとの戦闘で使われる魔法!」
「え⁉」
そんな魔法を使ってきたのか、とシュンは驚きの声しかあげられない。
「そりゃああんな威力になるわけだ! 待て! フェネクスさん!」
「やはり最後の壁はお前か! シュン」
後ろを見て近づいてくるシュンの位置を確認するフェネクス。
二人の間の距離、約三歩。シュンにとっては走っているフェネクスに追いつくのが難しい距離で、フェネクスにとってはシュートを打とうとしたら奪われてしまう。そんな互いに苦虫を噛んでしまうような距離。
「だがしかし!」
シュンは全力で走ってフェネクスの横につく。いくら身体能力が高くてもドリブルはボールタッチが大事。その技術が未熟ならばドリブルが遅くなってしまうため、身体能力で劣っていても追いつけるのだ。
「背後からスライディングしてこないのは情けか⁉」
「違う! 俺のスタイルであんたからボールを取るからだ!」
横からフェネクスに向かって突撃。
(ボールを盗むようにカットする! あの勢いなら力よりも技で攻める!)
ディフェンスだって様々な技を覚えている。シュートやドリブルだけ練習してきたわけではないのだ。
ボールを奪うために自身の最大速度でフェネクスにカットを仕掛けに行く。
「なるほど、己のスタイルか。ならば私もそれにこたえてやろう!」
そのプレイを見て、フェネクスは走りながら右足を大きく上げて、ボールを全力で踏む。そして地面に衝撃が伝わり、大地を踏みしめた衝撃が風圧となってシュンに襲いかかる。
「くう⁉」
カットしようとしたシュン、体に襲ってくる風圧に足を止めてしまった。
(なんてデタラメなパワー! この人、足踏みだけで魔法みたいなことを!)
シュンのサッカー技術とは別の技。フェネクス本人の超人を超えた身体能力の応用。
魔力で自身の体に宿るパワーを増幅させて放った足踏みの風圧。
その風圧は下級風魔法の威力を凌駕している。それをただの足踏みで、ノーモーションに近い速度でくりだしてきたのだ。
「うわっ⁉」
『シュン選手! フェネクス選手のパワーに吹き飛ばされてしまった‼』
至近距離での暴風圧に吹き飛ばされてしまうシュン。それでもなんとか空中で体勢を立て直す。
視線をフェネクスに戻すも、すでに追いつけられないほど距離を離されてしまっている。
「浅はかだったよ」
一言、吐き捨てるような冷たい声色でそうつぶやいた。
誰に向けて言った言葉かは言った本人しかわからないであろう。
そこからフェネクスの体から赤いオーラのようなものが見える。
エルドラドにいる人ならこの現象は誰もが知っている。
あれは魔力が可視できるほど濃くなって見えた魔力の気。彼女の膨大な魔力が体内に溜まっているからこそ見える。
そしてその魔力のオーラが見えるということは今から巨大な魔法を発動する合図でもある!
「自分たちの魔法ならばサッカーの技術など取るに足らないと思っていたことを。ゆえにこの魔法を使う!」
足を振り上げたとき、彼女を中心に巨大な魔方陣が展開された。
「なんだこの大きさは⁉」
フィールドの半分を覆うほどの魔方陣。初めて見たシュンはこの現象に驚くしかなかった。
この魔方陣なら強大な魔法が繰り出されることもすぐに理解した。すぐさまフェネクスを止めようにも吹き飛ばされてしまったシュンではもう止められない。
フェネクスの足が魔方陣のまばゆい輝きとともに振り下ろされた。
「これが私の! 魔力解放した全力の『エクスプロージョン』だ! 爆ぜ散れ!」
ボールを蹴った瞬間、紅き閃光がフィールドに広がる。灼熱の彗星が大地を焦がし、空を真っ赤に染めながらゴールへ飛んでいく。
「…………ッ、これは⁉」
遠くからのシュートなのに熱が頬に伝わってくる。もし直撃したらただでは済まないのがすぐにわかった。それほどの威力があのボールに込められている。
「……でも」
ゴールキーパーはシュートからは逃げない。
立ち向かうぞとエスバーは覚悟を決める。
流星のような速さで飛んでくる『エクスプロージョン』になんとか反応してエスバーは手のひらに『ファイアボール』を投げ飛ばしてみたが、
「……な⁉」
火の玉は紅いシュートに触れた瞬間霧散する。
『ファイアボール』の火力ではまるで歯が立たない。
フェネクスの放ったシュートの威力が強すぎるのだ。
「……だからって!」
それでもシュートを止めようとシュートに向かって両手を突き出すエスバー。シュートを止めてやるという気迫が伝わってくるが、
「ぐあああっ⁉」
魔法のシュートに魔法を使わずに止めに行っても、そう簡単には止められない。
シュートに触れた瞬間、腕がはじかれてそのままボールはエスバーの胸元に直撃。そして勢いは失うことなくゴールに向かって、エスバーごとゴールネットにたたきつけた。
そしてシュートが決まった瞬間、そのフェネクスのあまりにも強大なマジックシュートに場がしんと静まり返って、
『ご、ゴォオオルゥ‼ フェネクス選手、後半が始まって五分で点を取った! すぐに同点! そ、それにしてもなんてシュートでしょうか! これがこのマギドラグ魔導学院の生徒会長の実力というわけでしょう!』
実況の声とともに観客は大歓声を上げる。
「す、すげえ……初めて見たぜ、フェネクスさんの上級魔法、『エクスプロージョン』! サッカーで見られるなんてよ!」
「上級魔法は国から認められた魔導士でさえも使えるものは少ないっていうのに……さすが生徒会長様だわ!」
観客はフェネクスが放った『エクスプロージョン』に大興奮。
それもそのはず『エクスプロージョン』はフェネクスが冒険の時に危機に陥った時や強大なモンスター相手に先手必勝で放つ必殺の魔法。奥の手である。
それをサッカーのマジックシュートで見られるとは観客の生徒、および教師は思ってもみなかったのだ。
「見たか、サッカー部! これが私の魔法だ!」
「な、なんて強大な魔法……」
まるで隕石でも見たかのような衝撃。
シュンはフェネクスの本気の魔法に驚愕と称賛のことしか頭に残らなかったほどだ。
「え? おい、エスバー!」
驚いて立ち止まっていたシュン。だがゴールに倒れているエスバーを見て焦りを顔に浮かべる。エスバーは横になったまんま。長い時間立ち上がらないので心配になってシュンはエスバーのもとに駆け付けに行った。
ほかのサッカー部のメンバーもエスバーが倒れているのを見て心配になって走り出す。
「おい、大丈夫か! エスバー!」
「今のシュートを受けたのよ、大丈夫なわけないじゃない」
「おい、エスバー! 目を覚ましてくれ!」
「……い、意識は大丈夫だよ……」
「おお、大丈夫でしたか!」
胸元に手を置きながらも大丈夫だというエスバー。
しかし息が荒いうえに目の焦点が合っていないような気がする。本当に大丈夫なのか心配になってきたサッカー部。
「それでも心配だわ……審判、『ヒーリングタイム』をお願い!」
「わかりました!」
すると監督のクアトルもゴールの前にやってきて、審判にヒーリングタイムを頼んだ。
(ヒーリングタイム……確か、選手がケガをしたり体調が悪そうだったら治療魔導師から回復魔法を受けるための時間をとれるんだったな)
この異世界だからこそできたルール。
強靭な身体能力の肉弾戦、そして強大な魔法の存在があるためこの世界ではケガをすることが多い。
だから試合には審判のほかに治療魔法専門の治療魔導師がフィールドの外にいて、試合中にアクシデントが発生したらすぐにかけつけてくれる。そして治療を受けることができるのだ。
ケガをしても回復魔法を使えば治せることができる。ダメージを受けても痛みを消すこともできる。 もっともダメージが大きすぎたら治療魔導師から試合続行不可と言い渡されることもあるが。
『おっと、ここでサッカー部はヒーリングタイム! エスバー選手の体調がよくなるまでしばらくお待ちください』
「……ここからの後半戦、かなり大変な勝負になりそうだな」
シュンの額に汗がこぼれる。
この汗は激闘になる予感を感じた故に出た汗。
シュンは闘志をむき出しにしているフェネクスを見ながら激しい勝負になることを予感していたのであった。
【エルドラドサッカー日誌】
エクスプロージョン
フェネクスが放ったマジックシュート。強烈な爆発力と灼熱の火力を秘めた紅い流星のシュートをゴールに向かって放つ。
エクスプロージョン自体は上級魔法のカテゴリーに入っており、習得するには膨大な魔力を精密に操作する技術が必要であり、国から認められた魔道士でさえもこの魔法を習得するのは困難を極めると言われている。
元々はフェネクスが冒険のときにここぞというときに使う奥の手の魔法である。