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8話

チュンチュンと鳴く雀の鳴き声に起きた俺は時計を見ると8時になっていた。

俺はヤバいと急ぎベッドから降り部屋を開けると、ちょうど母が部屋の前に居たようで母は驚いた表情をしていた。


「おはよう紅狼。朝ご飯の準備は出来てる」


「わかった!」


階段を降りる机には朝ご飯があり俺は急ぎご飯を食べていると、キッチンから父さんが出てきた。


「おはよう紅狼!今日は日曜だから少し朝寝坊だったね」


そう今日は日曜。学校もなくて普通なら少し遅く起きれるのだが俺にはそれは出来ない。だって


「紅狼朝ご飯食べたならさっさと服に着替えお店の掃除をしろ」


そう俺の両親がやってるお店の手伝いをするのだ。






桃源郷

俺の両親がやってるお店の名前だ。

母さん秋月果歩は中国に夢中でよく旅行に行っていたそうだ。そこで母さんは父さんと出会い、2人で中国のお菓子とお茶を出すお店を作ると言う夢を持ったそうだ。


それが桃源郷。俺はいつもの通りお店の前を掃き掃除していると近所の人達にお手伝い頑張れとエールを送られた。

俺は頷き返事を返し店の周りを掃除を終え、看板を立て今日のメニューを書き、机などを拭き終えると店が開く10時少し前になっていた。


「うむ時間通りだな。それでは紅狼ちゃんとお客様には笑顔だぞ」


「・・・・・・・・・わかってるよ母さん」


俺はあんまり笑顔が出来ない。だから笑顔の練習をさせられてる。マジで辛いとため息をついていると父さんがやって来た。


「ほら母さんも紅狼も、もう時間になるよ!」


10時になりお店には早速お客がやって来た。なんとか笑顔で頑張る









2時お客が多い時間さっき帰ったお客の皿や机を拭いているとお客を知らせるベルの音がした。

俺はだいぶ柔らかくなった顔で笑顔で答えるとそこに居たのは最近よく出会う星崎美桜と九蔵花蓮だった。


「ここですわとても美味しいと評判のお店!」


「とてもキレイな所だね花蓮ちゃん!って・・・・・・・・・あれ?」


星崎と俺は驚き一瞬見つめ合っていると、お客にお茶とデザートを持ってきた母さんにお盆で頭を叩かれた。


「何お客様を待たせてる馬鹿者が。お客様2名ですか?」


「はっはい!」


「それではこちらにどうぞ!紅狼はお二人にメニューを頼む」


「ッッッ分かった!」


マジで痛い。俺はメニューを持って二人の元へ行くと、星崎はチラチラと俺を見、九蔵はニッコリと笑っていた。


「秋月君はここでバイトをしてらっしゃるの?」


「いやここは両親がやってる店だ。学校の終わりや休みの時は手伝ってる」


「へぇ~とてものどかな所だね。何かゆったり出来そう」


「二人でお出かけか?」


「ええ色々買った後ゆっくり出来るところを探してましたらここを見つけたんですのよ」


「まぁゆっくり過ごしてくれ。はいメニュー。頼みたいモノが決まったら言ってくれ」






星崎はジャスミン茶、九蔵は白牡丹しろぼんたんとココナッツの揚げ団子を頼んだ。


「ん~~~とっても美味しい!」


「この白牡丹とっても美味しいですわ!」


「ええ白牡丹は一芯二葉の茶葉から作られるお茶です。コクが強く旨みのバランスもとてもいいんですよ。気に入りましたか?」


「はいとても!」


「ジャスミン茶は中国ではよく知られる花茶だ。リラックス効果や集中力UPなど期待されてる」


「へぇそれじゃ勉強の時とか秋月君もよく飲むの?」


「ああ星崎も買ってみるか、あそこにお茶の茶葉も売ってる」


「買う!!」


「それでは私も。この白牡丹気に入りましたわ」


二人はお茶とココナッツの揚げ団子を食べ笑顔で帰って行った。

そして店に戻ると母さんはニッコリと笑い。


「うむウチの愚息と話せる仲のお嬢さん達だな。紅狼どの子か気に入ってるのか?」


「はぁーーーなんでそうなる?」


「お前あんまり年の近い子と話さないだろ。だがあの子達とは普通に話してる。気に入ってるからじゃないのか?」


「・・・・・・違う。それに星崎って奴は好きな人がいるんだ」


「ほー頑張れ我が息子」


「・・・・・・何を頑張るんだ」


こうしてお店が閉じる夕方の5時まで俺は店の手伝いをしたのだった。




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