6話
自分の部屋で小説を読んでいるとスマホから着信音がした。
俺はスマホに手を伸ばすと相手の名前は幼馴染みの碧兎だった。
「コウ?」
「碧兎が電話したんだろ。俺以外誰が出るんだ?」
「えっとコウのお母さんとかお父さん!」
「母さんも父さんも俺の携帯に出ないって。それでどうしたんだ?」
「えっとね。コウ明日の放課後空いてる?」
「大丈夫だが」
「あのね僕この前修学旅行だったでしょ。それで写真とか出来たからコウにあげようと思って」
碧兎の言葉に俺は反応した。俺は歴史が好きで、碧兎の修学旅行先は京都。
歴史的な場所の写真を見せてくれるのだろう。
「分かった場所はどこだ?」
「うん僕のバイト先でいいかな?」
「この前のカフェか?分かった」
「うん!マスターにもお土産渡すんだ」
電話が終了し俺はあの並んでる列を思い出しため息を少しついた。小説を読む気になれず少し早いが就寝した。
約束の日になり授業も終わり碧兎がいる店に行くと案の定女子が多く並んでいた。
すして数分後俺の後ろにも並ぶお客がいた時、最近聞いた声の人物が俺の名前を呼んだ。
「秋月君!」
俺の後ろにいたのは星崎美桜と
「話すのは初めましてですわね。私の名前は九蔵花蓮と申します」
知ってる。ウチの高校で三大美少女の一人だ。
九蔵花蓮 九蔵グループのご令嬢で長い黒髪に色白の肌は美しすぎると評判らしい。
俺は三大美少女の二人に挟まれる形になってしまった。
俺の前に並んでいた列が少しずつ居なくなり俺の番になった時、碧兎が扉を開けて出てきた。
「コウと一緒に居るのって友達!」
うっそのぽややんとした顔でこっち見るな。その顔をされると否定出来ないんだ俺は。
同じ学校で何故か前後に並ぶ俺達に無関係だと言えず、一緒の席に座ることになったのだった。