2話
俺は本を買いに街にある大型ショッピングモールに行き無事欲しかった本が買えた。
俺は早く買った本を読むため家に帰ろうとしたら見知った制服姿の少女を見つけてしまった。
黒をベースに灰色のリボンとシックな制服は女子に人気があるみたいで、星崎の周りには数人の女子たちが集まっているのだが、気付いていないみたいでジーッとカフェエデンを見つめていた。
何してんだと思いながらさっさと帰ろうと踵を返すと丁度お店が開くカランカランと音がした。
「ありがとうございました。是非また来てくださいね」
聞きなじみのある声に俺は振り返るとそこにいたのは、俺の家の隣に住む一つ上の幼馴染の月城碧兎だった。
碧兎はイケメンの分類に入るらしく中学の頃は女子たちに紹介してと言われたな。
回想していると俺に気付いたのか碧兎はにっこりと笑うと俺の前まで歩いてきた・
「コウが街に来るなんて珍しいね」
「ああ、本を買いに来たんだ」
俺は買った袋を見せると碧兎は、ああと頷き、そのシリーズコウ好きだもんね」
コウとは俺のあだ名だ。紅狼なんて読みづらいからな。
紅はコウと読むから、碧兎はコウと呼ぶようになった。
「バイト中だろ。さっさとお店に戻れ」
「そうだった」
そう言って碧兎は戻ろうとしたら急に振り向き。ここのケーキ美味しいよ。コウも食べに来てと笑顔で言われ、周りの女子たちは目がハートになった。
俺の幼馴染の笑顔はとてつもない力があるようだ。
俺はため息をつき今度こそ家に帰ろうとしたら「あの!」と声がした。
俺に声をかけたのは星崎美桜だった。