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ゲームで育てた不人気作物パースニップでみんなを元気にしてあげる  作者: 春無夏無


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ハレとケ

累計PVが100万突破してました。

先月から初めてまだ1ヶ月経っていませんが、沢山見ていただいてありがとうございます。

 今、私はカラスさんへのメッセージをしたためている。


 内容は要約すると「精霊様から賜ったタクト、これ使っても大丈夫なやつですか?」だ。


 このタクト、アイテム名はタクトとしか書いてないのだけれども、説明がちょっと考えられなかった。

 なにこの「任意のクエストを作成・編集できる」って。

 こういうモノはシステムの担当者が使うものでしょ。


 地の精霊様が「正しく揮う」と言っていたけれど、それは良くない使い方もできるってことじゃない。

 いや、むり。

 まじむり。



 程なくして返信があった。

 私なら悪いことに使わないだろうから大丈夫って謎の信頼をされている。


 ああ、でもクエスト内容相応の報酬を自分で用意できるプレイヤーじゃないとクエスト作成しないのか。

 悪いことで人を多く動かすってなると、クエスト作成のコストが跳ね上がるとみた。


 お金は沢山ある。

 あとマンドラゴラもいる。

 ……試してみる?



 未だ進行が止まっていて気になっていた産業革命2クエストを編集してみることにした。工事が始まったとの話も聞かないし。

 弄ったら拙そうなら保存前に中断すればいい。


 デバイスにクエスト作成編集項目が増えている。

 基本的には今いる地域のクエストにしか触れないようだ。


 検索するとすぐに産業革命2クエストは出てきた。

 ステータスは進行中。

 詳細画面を見ると、進行ゲージの上に南京錠のアイコンが乗っていて、そこで止まっているようだ。


 これが次の段階に行かない原因かな?


 南京錠をタップするとアンロック条件が出てきた。

 鉄道作業員不足。

 街に人をもっと集めろってことだけど、それができてないから止まってるのね。


 本来ならもっと街に人が増えてから発生するクエストだったのだろうか?

 クエスト開始時の住人数が充分だったならここで進行が止まらなかったはず。


 これを放置しても人が増えれば自然解除されて再開されるようだ。どのくらいかかるのかはわからないけれど。

 かといって労働力としてマンドラゴラを街に送り込むのはなし。多分やりたがらないし。

 強制アンロックはできそうだけど、そうすると人手不足で敷設が始まるのか。それも嫌だな。



 つまりこちらのクエストは弄らず、ポルカの街に人が集まるようなクエストを新規作成すればいいのか。

 でも難しいな。定住じゃなくても増やすきっかけを作ればいいのだろうか。

 ちょっとじっくり考えてみよう。




 出勤すると机の上に大量の資料や書類が積み上がっていた。

 いじめかな?


「ああそれ、朝一で関谷ちゃんが置いていったのよ。プロジェクト進行の提案とかそれに関する資料だって」


 関谷先輩にはあれ以来避けられているのだけど、仕事の成果で謝罪代わりするということなのだろうか。

 中身を見てみないことにはなんとも言えないけれど。


 ぱらりとめくると、テスト販売の候補店リスト(年代別来客層一覧付き)とか、メインターゲット層に好感度が高いモデルの資料、まだデータを取っていない香りの実験結果など、一昼夜で集められはしないだろうという大量の資料が、しかも読みやすくまとめられていて驚愕する。

 そうだあの先輩、人間性はともかく仕事はかなりできる人だった。


 恐らくプロジェクトが停まっていた3月中も、忙しいさなかで資料作りを進めていたのだろう。

 もしかしてあの日、あの時間に帰宅だったのも?


 真実はわからないし、恐らく尋ねても教えてくれないだろうと思う。

 でも仕事の面だけなら関谷先輩から学ぶことはまだまだあるなと感じた。


「ん? 宣材の仮撮りのモデル、私にやれって言ってますよあの人」


「あらいいじゃない。石岡ちゃんは商品のイメージを一番知ってるのだし、商品のなにを伝えて誰に買ってもらいたいって思い浮かべながら写真を撮ってもらうといいわよ。あとでモデルさんなり女優さんなりが決まったら、その写真でイメージを伝えやすくなるし」


「三浦先輩も仮撮りモデルやったことあるんですか?」


「うちの会社はやったことある人結構いる気がするけれど。私もやったし、あと広報の子なんて頻繁にやるって言ってたわね」


 ふむ。

 わりとみんな普通にやってるなら私がやるのもおかしくはないのか。

 仮撮りのためにわざわざモデルさん呼ぶより安くつくもんね。


 一瞬嫌がらせを疑ったけれど、ごめんなさいね関谷先輩。



「そういえば三浦先輩って結婚式は挙げるんですか?」


「ちょっと悩み中。婚姻届は新居が決まり次第すぐ提出すると思うけれど、お互い忙しいから式の準備をやる時間を捻出できなさそうなのよね。そういう話も夏頃仕事が落ち着いてからかな」


「やるときは呼んでくださいね」


「可愛い後輩を呼ばない選択肢はない」


 ハレの日ってやっぱりいいよね。人が集まって、祝福して、美味しいもの食べて。

 準備とか色々面倒だし、義務感で出席する人もいるけれど。

 でも昔出席した親戚の結婚式は、なんだか自分までどきどきしたし、幸せな気持ちになって……


 ん?

 今なにか引っかかりがあった。


 ちょっと確かめないといけないけれど、エルムジカの世界にハレとケのハレは存在するのだろうか?

 私がたまたま見てないだけかもしれないけれど、後で調べてみよう。


 街に人を集めるなら、きっと誰もが楽しめるハレの日が必要だ。

Good Sleep Water Sheepは顔面偏差値が高めなので、話に出てきた広報さんは仮撮りどころか本採用版のモデルもやってます。

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