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銀色の雲  作者: 火曜日の風
1章 猫耳を探しに行こう!
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7話 オークロード現る?


 辺りの状況を見まわす、馬車の側に人間が2体いる。さらに馬車の先頭には、馬? らしき生き物が1体、その馬の近くに人間がもう一人いた。おそらく馬車の運転手だろうか? 馬らしき生き物は、あとで観察するとして、先に盗賊を始末しておこう。


 ひし形状に陣形を整えている盗賊達。先頭に居るのは前衛なのか、右手に銅色両刃の剣を、左手には木の丸い盾を持っている。中盤の2人は、前衛と同じ剣だが盾は持っておらず、両手で剣を握っている。最後の一人は、銀色の剣を持っていて、服装も前の3人よりも幾分豪華である。


 と言う事は、前衛が引付け、その後方の2人が攻撃に専念だな。後ろの人間はリーダー的存在だろう。意外と戦略がしっかりしているな、だからと言って俺が苦戦するわけがないけどな…


 まずはテレポートで、中盤の2人の間に割って入る。最後尾に居るリーダー格の盗賊と、目が合った。その男は驚きの表情と「なっ」と言う声が漏れた。その声で両脇の盗賊が、俺の存在に気づく。両脇の盗賊は、俺の方に向き直り、両方同時に剣を振りかざした。

 俺は、その剣を手でつかんで止める。当然防御シールドを展開しているので、痛くはない。その剣を引っ張ると、盗賊はバランスを崩し、俺に向かって倒れ掛かってくる。一歩下がり、2人と盗賊の頭を持ち、頭同士を強くぶつけた。ゴツンと鈍い音と共に、2人と盗賊は地面に倒れた。


 次に首だけで、振り返る。盾を持った盗賊が、俺に切りかかってきているのが確認できた。そのまま、右足で蹴りを入れながら振り返る。それと同時に上半身を逸らし、盗賊の剣を避ける。俺の蹴りは、盗賊の下腹部に命中した。盾を持った盗賊は、そのまま2mほど吹っ飛び、仰向け状態になった。


 残りはリーダー格の盗賊のみだ。振り返ると、その盗賊はゆっくりと後ずさりを始めた。どうやら、距離を取って逃げ出すつもりだろう、だがそうはいかない。すかさずテレポートで、その盗賊の後ろに回り込む。その盗賊は「消えた?」と叫びながら、突然消えた俺を、首を振って探している。

 左手をその盗賊の肩に置き、引き寄せて強引に振り向かせる。振り向きざまにお腹に向けて、強力な拳を繰り出す。リーダ格の盗賊は、2mほど吹っ飛び倒れた。


「っふ、余裕だな」

「ちょっと・・・・なんか、カッコいいんだけど?」


 そこに口に手を当てて、若干顔を赤らめている麻衣が居た。今頃になって、俺のカッコよさを認めたようだな。今までに、何度もカッコいい場面に遭遇しただろう! 今さらなのか?


「日ごろのエロ行動からは、想像できない。これが、噂のギャップ萌えなのね!」


 ・・・一言多いな。


「ありがとうございました」


 オークが人語を吐きながら・・・もとい、太った男がお礼を言いながら、俺に近づいてきた。身長は俺と同等の180cmぐらいか、だが横に広い・・・そして顔が・・・豚なのか? 

 盗賊の服は、茶色い・・・と言うより土汚れが酷い質素な布を、巻き付けただけ物だ。だが太った男は、格子の柄が染めてある綺麗な服を着ている。ボタンは無く、紐で腰辺りで巻き付けて服を留めている、日本の和服に近い格好だ。下はズボンらしきものをはいている。


 その太った男の陰に隠れて、少女が顔を出した。こちらも太った男と同じ様な服であるが、服の模様は赤を取り入れた派手なものだ。ズボンは着用しておらず、服の丈が膝辺りまで伸びていて、ミニスカート形状になっている。おかげで、白く綺麗な太ももが、剥き出しになっている。

 少女の髪型は、肩まで伸びたショートヘアだ。身長は・・・太った男の差から考えて155cmぐらいだろう。年齢は・・・肌の張り艶から推察するに16~18歳ぐらいか? 胸もほどほどある。顔は、眉が太めのハッキリ眉で、目ははっきり大きめで、低めの鼻にピンクの唇。


 こ・・・これは! いけるぞ!


「ナンパでもするのかな~?? 金銭を要求するんじゃなかったのかな~?」

「な、なにを言ってる麻衣。と言うか、耳元でささやくな!」

「露骨に、女子を見る時間が長かったけどね!」

「妬くなよ」

「ち、ちがうってば! そんなんじゃないから!」


「あの~・・・」


 俺の麻衣のやり取りに、太った男が割り込んできた。よく顔を見ると、額から汗が出ている。気温的に暑くないはずだが、汗が出ている。まぁ、あるあるだな・・・


「俺の名は、織田兼次。この辺りを旅をしている。たまたま、偶然通りかかって助けてやった。ただし、無償ではない! お礼は頂くぞ! で、これはどうする?」と俺は、地面でのびている盗賊達を指す。


「そうですか、旅ですか・・・ああ、私の名は『オーグ・ロート』と言います。この先の街で、商いを営んでおります。当然お礼は差し上げます、その盗賊ですが・・・」

「オークロード! キタァァァァ!!」


 オーグが話している途中で、麻衣がガッツポーズをとって叫んだ。ずいぶん楽しい、聞き間違いだな。まぁ、その風格と豚顔は『オークロード』と言っても差し支えないだろうが・・・


オーグ・ロート(・・・ ・・・)です。その盗賊ですが、街に持ち帰って衛兵に引き渡しましょう」

「ではオークよ、俺にいい案がある。あと、すまんが街まで乗せてってもらえるか? 少し聞きたいことがある」

オーグ(・・・)です。6人は少し狭いですが、乗れるでしょう。それで、いい案とは?」


 ………

 ……


 狭い馬車の室内、俺が中央にララと麻衣が両脇に座った。対面にはオーグと少女、そして瑠偉を壁側にもたれかけさせ寝かせた。盗賊達は縛り上げて、三角屋根の頂上をまたがせた。


「痛てぇー! 股が! 股が裂ける! おろせー!」


 馬車が走り出すと、屋根上から盗賊達の叫び声が聞こえてきた。

 舗装されていない道なき道を行く馬車、細かい上下振動が盗賊達の股にいい刺激を与えているようだ。さしずめ、動く三角木馬と言ったところだろう。街に着くころには、新しい快楽に目覚めてくれるはずだ?


「あの、彼らは大丈夫でしょうか?」

「オークよ。見かけによらず、優しいな?」

「あの・・・オーグ(・・・)です。先ほどから何度も、間違えていらっしゃいますが・・・誰かと間違えていませんか?」


 先程から何度も、名前を訂正してくるオーグ。懐から布を出し、額の汗を何度も拭いている。さらに、馬車の天井にぶら下がっている、革袋から革製の水筒を取り出し水を飲み始めた。


「ちょっと兼次ちゃん、狭いんだけど! 股を広げないでもらえる?」

「何を言っている麻衣。股を閉じたら、俺の大事な部分が圧迫されてしまうだろう」

「・・・なるほど。男子が座ると、股を広げる理由が、そんな理由だったとは」

「これで、少し大人になったな? これからは股を広げている男性には、優しくなしろよ」


「でも、もうちょっと閉じてよ、狭い」

「お前、聞いてたの? むしろ狭いのは、お前のデカ尻が原因じゃないのか?」

「っな! デカくないってば、標準だから! 何言ってるの!」


「あの~、お取込み中に申し訳ないのですが・・・」


 額の汗を拭き終えたオーグが、俺と麻衣の会話に割ってきた。しかし今度は、革袋から木の薄い板を出して、顔を仰ぎ始めた。おそらく日本の、うちわの様な物だろう。風を顔に当てて、体温を下げているのか?


「すまんな、騒がせた。それでオークは、暑いのか? 先ほどから汗が止まらない様だが?」

オーグ(・・・)です・・・もう、オークでいいです」


 どうやらオーグは、拗ねてしまったようだ。さすがに、しつこく言い過ぎたかな?


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