南の森への遠征⑥
『蛇』初討伐から10日後には十数体の『蛇』を確保する。
半数を『解体』しチコとリコは調理し『串焼き』と『から揚げ』を作り上げる。
討伐日と休養日を繰り返し『肉』と『革』の確保を進める。
それと同時進行として『革』の加工を進める。
ジンが今まで使用していた革より扱いが難しく常に針と糸に魔力を纏わせる必要があった。
革服などに用いる丈夫な糸でなければ『蛇革』を縫う事が出来ずにいた。
まずは試作品という事でジンの手作りの革の『作務衣』に合わせて『インナー』を作っていく。
『蛇革』は先の戦闘でもわかる様に防御面で見ても皮鎧以上に丈夫であり
何より防御面が高いだけでなく通気性も良く触り心地が良かった。
着心地も考えワンサイズの『インナー』を数点作りジンが着込んでいた。
道具屋で購入した布の『インナー』よりも着心地が良かったので
チコやリコの分も新たに『インナー』が完成次第着込み着心地に満足していた。
下着や靴下も同時に作りジン達が装備しているものは革のブーツだけになっていた。
手作りの革の『作務衣』も内側に『蛇革』を縫い合わせ防御面を高める。
『蛇革』を用いた下着に長めのシャツを着込み革の手袋を装備する。
実際に着込み魔力を纏うと『蛇革』は通常時よりも硬く強靭になる。
当初魔力を纏うと縫い合わせた部分が解けるという事態になったが
失敗を繰り返していたが、完成した『インナー』は魔力を纏う事で微かに発光していた。
「なるほど纏う魔法によって発光する色が変わるのか・・・。」
「あまり目立たないから気にならないけど少しだけカッコいいです。」
「魔力を纏うと魔法も殴れるから便利!」
「耐刃に耐魔に優れているか・・・補強すれば安心できるか。」
「あまりゴテゴテした作りはダメですよ?」
「手袋したまま『調合』や『調理』もするので・・・シンプルに!」
「それなら戦闘用に別途作った方がいいかも。
手甲っぽくしてもいいし小型の盾を仕込んでもいいし。」
「私たちは弓矢を使うこともあるので手首を拘束する作りはダメですよ?」
「重くなるのも疲れるので嫌です・・・。」
「そっか、魔法と弓矢を使うのに不都合があったあらダメだな。
それと手首の稼働率と重量を抑えると・・・色々考えながら作れそう〜。」
「『蛇革』もある程度在庫もあるし『開拓村』のみんなの分の『インナー』を作れそう。」
「多分『インナー』はみんな喜ぶと思うよ。」
「この『インナー』を知ってからは店売りの衣服は着れませんね。」
「着心地最高だし冒険者向けの『インナー』じゃないかな?」
「作れるのがジン兄さんしかいないのが問題ですが・・・。」
「『開拓村』に戻れば誰かしか縫える人がいるかも知れませんが・・・。」
「要修練・・・要練習かな。
チコとリコも引き続き『蛇革』を縫う練習してね。」
「「・・・はい。」」
『調合』やら『調理』は得意なのに『裁縫』が少し苦手な二人
魔力を纏いながら長時間の作業が苦手なのかちまちま縫い続けるのが苦手なのか
休養日は焚き火を囲いジンは『裁縫』をチコとリコは『調理』と『調合』をし
ソラ・シロ・クロは果樹園でのんびり昼寝をしたりしていた。
南の森での探索は終盤を迎えていたが『蛇』の討伐数と果実の収穫数からいえば
満足のいく数を回収し保有していたがジン達はギルドへは納品せず
『開拓村』で加工し調理し美味しく頂くつもりでいた。
もっとも今いる南の森での果樹の豊富さやある程度の地図はギルドへ教えるつもりではいたが
『果樹園』と囲む『土壁』は元へ戻してから帰還するつもりでいた。
地図にはジン達が移動し知り得た情報のうち魔物の分布と種類位の他に
大まかではあるが森で採取できる果実や薬草の情報も教えるつもりでいた。
地図はジンのMAPを簡略的に写して書くつもりでチコやリコに言わせると
「この地図だけでも報酬を受け取る権利があります。」と言われてしまった。
地図の完成と追加で『蛇』の討伐などをし20日間に及ぶ南の森の遠征を終了することになる。
最終的に『蛇』27体討伐し、女性用の各種『インナー』を縫い上げ『開拓村』へと戻るのだった。
食糧と衣服をアイテムボックスに詰め込み冒険者というより行商人の装いで帰還するのだった。
『蛇』27体の内一体だけど『解体』し『調理』し『裁縫』した。
未解体26体はジンのアイテムボックスの中で『解体』を待つのであった。




