南の森への遠征⑤
味付けはシンプルに塩胡椒で食材の味を楽しむ。
焚き火でじっくり炙り焼きあがった『串焼き』は肉汁滴る一品だった。
噛むほどに上品な肉汁が口の中に溢れチコやリコは目を閉じながら『串焼き』を頬張っている。
ソラやシロは『串焼き』が美味しいのか口いっぱいに頬張りながら次の『串焼き』を見つめていたりする。
クロはうんうんと頷きながら『串焼き』を頬張り『美味しい』と呟いている。
クロの『美味しい』という言葉を皮切りにチコやリコも「美味しい・。」や「美味・・・。」と呟き
ソラやシロも『美味しい、もっともっと!』言われジンは追加の『串焼き』を次々と焼き上げていく。
ジンもまた『串焼きは』を焼きながら味見をしつつ
予想以上の味わいに追加で『蛇』を討伐するかと考えるのだった。
「これはシンプルな調理法の方が肉の味わいを楽しめるのかも・・・。」
「黒熊や大猪よりも優しい味わいな気がします。」
「どちらかと言えば上品な河鳥のような気がします。」
「確かに河鳥の『串焼き』より野性味が無いが旨味はすごいな。」
「この蛇肉は『串焼き』にすると何本分位あるんですか?」
「大蛇からの蛇肉なら・・・『開拓村』でも暫くは食べ続けられる?」
「んー、『開拓村』の人数も増えたし・・・
『串焼き』を晩御飯の時だけ食べるとしたら・・・
ハッキリとはわからないけど10日くらいじゃ無いかな?」
「大蛇ほどの蛇肉でも10日くらいの分しかないのか・・・。」
「追加で大蛇を倒しにいきますか!』
『『『いきますか!』』』
チコやリコは大蛇こと『蛇』をご所望のようだし
ソラやシロも『蛇』を同じくすぐにでも倒しに行きたそうだ。
少し驚いたのはクロも一緒に『蛇』を倒しに行きたいようだ。
「『蛇』を倒すのは賛成だけど2〜3日後に行こうか。
今日の疲れもあるし何より連日での戦闘は厳しいです。」
「それじゃ、3日後に万全の状態で『蛇』を倒しましょう。」
「『開拓村』へのお土産に!」
『美味しい『串焼き』の為に!』
『美味しい食事の為に!』
『美味しいは正義!』
「それじゃ、修練しつつ身体を休めますか。
箱馬車は使用不可になったし移動はクロに乗れば問題無いとして・・・。」
「休憩時は『茨の森』を展開すれば問題無いとして・・・。」
「食事は作り置きの『串焼き』や『焼き鳥』もあるし・・・。」
「次に『蛇』に遭遇しても大丈夫なように対策を練った方がいいかな?
もしくは遭遇したら全力火力で打ち滅ぼすとか・・・?」
「ジン兄さん・・・打ち滅ぼしたら食べれないから却下!」
「できれば無傷で肉を傷つけづにお願いします。」
「それなら即座に首を落とすのが一番か・・・。
蛇肉と蛇革の両方無駄なく回収できたし・・・。」
「発見したら接近からの首斬りですか・・・。」
「私達では発見しても『魔法障壁』を展開して攻撃を引きつけるしか手が無いですね。」
「箱馬車を護る必要が無い分守りに集中出来る。」
「それか逃げないように『魔法障壁』で動きを封じる。」
「みんなで動きを抑えてくれるから『蛇』を倒すのは容易なはず。
『蹴撃』でしか『蛇』を倒せないのは実力不足として修練しなきゃなぁ。」
普通はパーティーを組み『蛇』を取り囲みながら倒すのが常識であり
ジン達のように『蛇』の攻撃を耐え一撃必殺の『蹴撃』で首を斬り落とすのは非常識なのだが
ジンはその事を知らないしチコやリコは非常識以前に『蛇』の味を知ってしまい
倒せるなら問題無いとさえ考えている。
ソラやシロはジンなら問題なく『蛇』如きに負けないと思っている。
ソラ・シロ・クロは実際にジンとは違う形ではあるが『蛇』を倒せると思っていた。
「やはりジン兄さんの様に『風魔法』で首を落とすのが一番かな?」
「『土魔法』や『火魔法』では潰したり焦がしたりするかな?」
「それか『水魔法』で頭を凍らせてから倒したり?」
「凍らせてから砕くの??」
「チコやリコの場合、弓矢に魔法を纏い攻撃すれば倒せると思うけど?」
「『蛇』の早い動きに合わせて矢を射るのは・・・無理です。」
「魔法を纏った矢でも致命傷は難しいじゃ無いかな?」
「目や口を射抜けばしょうきはあるとおもうけど練習・・・修練あるのみかな。」
「ジン兄さんの様に近づいて殴る蹴るは相当覚悟がないと無理です。」
「そうかな〜、慣れだと思うけど?
武器での戦闘が苦手というか適性がなかったっから殴り倒したり蹴り続けた結果なんだが・・・。」
南の森での唯一の休憩場所である『果樹園』は『土壁』と『魔法障壁』に護られたばしょである。
『土魔法』作られた宿泊場所などは日頃の修練の延長と考え
休憩場所の寝室に加え、みんなで楽しめるお風呂場や焚き火を囲みながら食事をする場所など
『開拓村』と同じくらいの施設を構築し増設を繰り返していく。
前まではジンが『土魔法』で『簡易小屋』を作り上げていき
チコとリコが『簡易小屋』の細部を丁寧に作り完成させていたが
最近ではチコとリコが『簡易小屋』をジン並みに作り上げていく。
旅をしながら不自由さを感じない暮らしに慣れきったチコとリコだったのです。
それから3日後、再び南の森の深部にで『蛇』を見つけては倒すジン達なのであった。




