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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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雪が降らない冬期間の過ごし方③

『開拓村』への視察はギルドから数名来たのだが

女性が多いと言われていた為に男性がいないという状況だった。

ギルド職員のリーナが『開拓村』を案内していたが

収穫後の畑での土作りを見学したり

果樹園での剪定を見学したり

『土壁』での防壁を実際に作成して見せたり

『開拓村』での建物が『土魔法』で作られた事を知り

チコとリコが目の前で小さな小屋を作り驚いていた。


視察中はジンはソラやシロと一緒に川辺で釣りをし

のんびりと釣り上げては焚き火で『焼き魚』にし

ソラとシロと一緒に頬張っている。

今日の『開拓村』は女性ばかりでジンに場所が無く

朝から川辺へ逃げていた・・・。

それに気が付いたソラとシロも一緒に逃げてきたのは

一緒に遊べるかと思ってだった。

釣りが一段落し木陰で『焼き魚』をソラとシロで堪能し


「今日は久しぶりにまったり。」

『今日はジンとまったり~。』

『えへへ、まったり~。』


黒犬の毛皮を敷きソラとシロを膝にのせ撫でながら

出会った頃から大きくならないソラやシロに首を傾げていた。

クロは大きく育ったからソラ達も次第に大きくなるのかと思い


「そういえばソラもシロも大きく成長するの?」

『ジンは大きい方がいいの?』

『んー?』

「このままの方が嬉しいかな。

抱っこするのも頭に乗せるにも今の方がいいし

何より子犬や子猫の方が一緒に寝れるでしょ?」

『『あい。』』


ソラとシロは嬉しそうにジンに抱きつき

ジンもまた嬉しそうに撫でまわすのだった。


海ではチコやリコの護衛として常に二人の側を離れずにいたので

今日のようにジンの側で過ごすのは久しぶりで

ソラもシロも嬉しそうにジンの足元を離れずついている。

ジンは釣りをしながら海での出来事を聞いてみる。


「海で襲われたアレは何だったんだろう?」

『ジンがイカやタコと言ってたアレ?』

『海からバンバンの足の事?』

「そそ、目の前の海の深さから見ても変な気がしてね。」

『なにか変だったの?』

『ん?』

「海の深さかを考えても長かった気がするんだよね・・・。」

『足が長すぎると?』

『倒せなかった・・。』

「あの辺の岩場は海の深さはそれほどでも無かったはず

海の深さ以上の足の長さはどうかと思ってね・・・。」

『確かにアレの反応は陸から離れていた気がする。』

『アレの足は叩いても蹴っても倒せなかったし。』

「まだまだ修練不足で倒せないけど倒したいね。」

『また海に行くの?』

『魚が美味しかった~。』

「冬期間中は海へは行かないよ。

これから寒くなるし『開拓村』でゆっくりしよう。」

『暖炉の前で昼寝する?』

『クロと一緒に昼寝する?』

「そうだね、暖炉の前で昼寝しようか~。」

『『一緒に昼寝~。』』


ギルドからの視察は朝から昼頃まで行い。

昼ご飯を食堂で食べてから『アストランタ』へ戻って行った。

ジンやチコ・リコにとっては当り前の事だが

ギルドから派遣された三名はメモを取りながらリーナの話を聞き

満足しながら帰って行くのだった。

ジンは挨拶程度を交わしただけで名前も覚えなかった事を後で気が付くのだった。


午後からはいつも通り食堂でポーション作成をするのだが

視察で色々聞かれたのか『草原の風』のアリスらは疲れ気味だった。

ルカ達も同じく緊張していたのか今は通常通り『調合』をしており

今日もまた一定数のポーションが完成しそうである。


「今日の視察はギルドからのお願いだったの?」


ポーションを作成しながらジンがリーナに聞いてみると

首を傾げなから視察に来たギルド職員から手渡されたメモに目を通し


「どうやら東方の草原に新たに『開拓村』を作るらしいです。

この『開拓村』を見本にしたいみたいだけど・・・。」

「『土魔法』で作成した防壁や小屋建てを見て行きましたが

他の者達が作れるかどうか問題な気がしますが。」

「話を聞く限り『開拓村』と言うより新たな農場を作り

雇用の確保をしたい感じがしましたが?」


「ギルドが仕事の斡旋?

『開拓村』はすぐには完成しないと思うけど?」


「そこはギルドからの長期依頼と言う事らしいです。

黒飛蝗襲来時に上に冒険者たちが築いた陣地から橋を作り

その先に『開拓村』を作り上げるとの事です。」

「食糧の確保と働き口を作る。」


「黒飛蝗襲来で忙しくなっているのか・・・。」


「何をするのかはギルドから通達されると思いますし・・・。」

「それこそ『土魔法』を修得している『青空旅団』や『草原の風』には声がかかるんじゃ?」


「いや、これを気にギルドの冒険者達も『土魔法』を修得した方がいいんじゃないかな?

それに冬期間中に毎日のように『土壁』で防壁作りをすれば

春までには『土魔法』で小屋建てくらいできるだろうし。」


「最初は丸太で柵作りをすると思いますが?」

「林が近くにあるけど木の本数にも限りがあるし

丸太とロープで簡易の柵を作りながら『開拓村』を作り上げるはずです。」

「それとギルドから支援もあるから予想より早く完成するかもしれませんよ?」


「そうなのか・・・。

まぁ、何はともあれ冬期間はゆっくり過ごすつもりだし

最低限の生活費は午後からのポーション作成で何とかなるし

釣りをすれば魚を釣りあげられるし

川辺の大蜥蜴を倒せば定期的に肉を食べる事も可能。

食堂には酒を樽で保管してあるし

衣食住は問題無いから無理したくないな。」


「街での暮らしより快適なのは問題ですが?」

「美味しい食事とお酒があるし。」

「寒く無く寝る場所がありますし。」

「仕事を選ばなくても暮らせます。」

「街での暮らしに戻れそうにないです。」


ポーションを作成しながら苦笑しながら『草原の風』のアリスらが話し

ルカ達もコクコクと頷いている。

ギルド職員のリンダ達はポーションを手にとり


「ポーション作成だけでも暮らせそうだけど?」

「性能にバラつきはありますが修練次第と言う事で問題無いですね。」

「薬草採取も定期的に必要になるし採取と『調合』を考えれば

薬草採取に二日としてポーション作成に一日とし

三日働き一日休日とする・・・そうすれば身体を壊す事無く暮らせるだろう。」

「それこそ住む場所があっての事でしょ?

宿屋暮らしでは休みなくポーションを作り続けるしかないけどね。」


「宿屋に泊る為に働き続けるのか・・・

僕らは野営ばかりで宿屋での暮らしはわからないけど

街で暮らすのもやはり大変なんだね・・・。」


「あのジンさんの野営ばかりと言うのも大変な気がするんですけど?」

「チコちゃんやリコちゃんがいるのに野営ばかりと言うのが問題です?」

「荷馬車があるし焚き火を囲んで寝るのも楽しかったです。」

「ソラとシロを抱きしめながら寝るから楽しかった~。」

「あぁー、ジンさん達の荷馬車は 調理場や寝室があったりで

移動出来る宿屋みたいな感じでしたね。」

「野営の時は『土魔法』で小屋建てしていたとも聞きますしね。」


「薬草採取場所を探しながら薬草を採取しポーションを作成し

街や村を訪ねてはポーションや薬草を売りながら食糧に変えていたし

寝る場所や食べるものに不自由しなかったね。

衣服は季節ごとに買い揃えていたけど・・・

武器や装備の類いは弓矢と革の上下位は年一回は替えていたかな?」


「消耗品はわかりますが・・・チコちゃんとリコちゃんの衣装が少ないのは気のせいかな?」

「革の上下がデフォというのも問題ですよ?

二人とも可愛いんですから服には気を付けましょう。」

「革の上下は丈夫で好きなんですが?」

「それに汚れが目立たないし通年着れますよ?」

「「「可愛く無いでしょうに・・・。」」」


ジンと一緒に行動するにあたりチコとリコは可愛い衣装よりも

丈夫な格好が気に入る娘さんになっていた。

この日も革の上下に革のブーツと言う格好をし

冬期間と言う事で毛糸のマフラーをしていた。

ジンも同じ格好をしていたので冒険者の恰好は革の上下と思い

街での買い物も下着と一緒に革の上下を購入し

ジンを含め三人は革の上下の替えを五着ほど保管していた。





それから暫らくして『アストランタ』の冒険者ギルドで長期依頼が発行していた。

東方に新たな『開拓村』の建設である。

冬期間の冒険者は勿論であるが『アストランタ』の住民達も春までの働き口として

かなりの人数が参加し夏頃には柵とロープで囲った立派な『開拓村』が完成した。

住居区のみを『土壁』で囲い丈夫な防壁を築き

農場は杭とロープで簡易防壁となり即急に防壁を築く事を求められていた。

冬期間前まで『土壁』での防壁作りと言う事で

『土魔法』を修得した冒険者達は長期依頼と言う事で

新たな『開拓村』に住み込みで従事していた。

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