雪が降らない冬期間の過ごし方①
『開拓村』での冬期間の過ごし方は
春に向けて野菜の種まきや果樹園の剪定などやる事はいっぱいあった。
その中でも定期的に川辺での釣りをしたり
渡り鳥と思われる鴨っぽい鳥を撃ち落としたり
その中でも自家製の干物作りをしたり乾燥昆布を作り
『開拓村』での食卓を充実させたりしていた。
収獲量こそ少ないが川鳥や川エビや川カニなど
『開拓村』の周囲には豊富な食材に囲まれていた。
川鳥はチコやリコが弓で射り
川エビやカニはジン・ソラ・シロが川辺を散策しながら入手していた。
他の仲間達は『開拓村』の周辺の林で薪を採取したり
『開拓村』の拡張をする為に『草原の風』の四人は『土壁』で周囲を囲んだり
ルカさんら五人は収穫後の畑に暖炉の焼き灰を散布したり
『開拓村』の周囲の林の落ち葉を畑の土に混ぜたりしていた。
流石に落ち葉での『腐葉土』作りは来年以降になりそうだし
今年は畑の一画に落ち葉を積み重ね『腐葉土』作りの為に
林に足を運び荷台に落ち葉を次々と運び込まれていく。
野菜の種まきまでに『土魔法』で土に落ち葉が馴染む様にし
新たに土作りの後に数種類の野菜の種を植えていく。
ギルド職員のリーナさんは冬期間中も『開拓村』で生活していた。
『開拓村』で収穫した野菜や毛皮をギルドへ納品する手続きをするのだが
冬期間はギルドへ納品する品が無い為に
『開拓村』の周辺で薬草を採取しポーションを調合していた。
それは『開拓村』からの納品では無くリーナさんの内職と言う事になるのだが・・・。
『開拓村』では午前中は各々の作業をし
午後から夜までの間は食堂で全員でポーション作成をし
ポーション作成の修練を続けていく。
その中には未完成の物も多くポーションにも慣れない軟膏の様な『塗り薬』もあり
『開拓村』は冬期間中は『ポーション屋』になるのだった。
ポーションの種類は多種多様用意出来たが
『調合』スキルがLv1未満の状態では『塗り薬』ばかりで
最初の一カ月はギルドへの納品の七割は『塗り薬』に
三割の低品質の『ポーション』になっていた。
『調合』スキル無しの『草原の風』の四人は
半月後には『調合』Lv1になり低級の『ポーション』を完成する事になる。
ルカ達五人は『調合』を一カ月後に修得し
『開拓村』では低級ながら『体力回復ポーション』を定期的にギルドへ納品する事になる。
「これで『開拓村』のメンバー全員が『調合』スキルを修得出来たね。」
「ポーション屋には劣るけど定期的にギルドへ納品できるのは嬉しい限りだね。」
「冬期間はギルドの依頼も限られているからね・・・。」
「『塗り薬』でも納品すれば小額でも報酬が頂けますからね。」
「『ポーション』が冒険者用だとしたら『塗り薬』は住民用と言う事か・・・。」
「薬草採取場所が『開拓村』の周辺にあるのは便利ですが
数日おきに採取に行く必要があるのは問題だね・・・。」
「十人以上が一斉に『調合』すれば当然のながれな気もするけどね。」
「ギルドへの納品も秋よりも頻繁に行けるし
報酬で果実酒などを買い込めるから嬉しいと言えば嬉しいんだけど。」
「そういえば黒飛蝗襲来で食糧が不足していたりするのかな?」
「今のところ黒犬や灰犬の討伐以降は街の周辺から姿を消して品薄な気が・・・。」
「ギルドでも討伐依頼は出ていましたが期限切れぎりぎりで放置してありましたね。」
「野うさぎや大猪なども同等に討伐依頼は放置気味だった気が・・・。」
「やはり草原に野うさぎ達は戻ってきてないか・・・。」
「山間部では逆に黒犬や灰犬の進行で生態系に影響があったみたいですが・・・。」
「年越しまでには通常の生態けに戻るはずギルドでは通達しているみたいですが・・・。」
「それにしても黒犬や灰犬を襲い冬期間中なのに黒熊や大蜥蜴が
豊富に食糧となる環境で年越し前にもかかわらず通年よりも姿が大きく育っているらしい。」
「その為なのか山間部では黒熊の討伐依頼が大量にギルドに来ていた。」
「大猪や大蜥蜴に関してはどうです?」
「大蜥蜴は多少は影響ありそうですが弱った個体から姿を消し
強い個体のみが戻ってきたみたいですね。」
「大蜥蜴も大猪も肉食であるが黒熊よりも好戦的でなかったのが影響したのかも。」
「逆に野うさぎも肉食ではあるが好戦的な面もあるが
強者に向かう事をしないので生き残る事が出来たのかも。」
「『開拓村』の周辺に危険が無ければ倒す必要も無いし
今は薬草採取や畑の土作りが一番かな?
それと午後からのポーション作成をすれば食べるに困る事は無いか。」
「食べるも何も『開拓村』では自給自足出来ている気がするけど?」
「本来であれば借家や宿屋での暮らしをする為に
冬期間でもギルドの依頼をする必要があるんですがね。」
「この街では冬期間の依頼と言えば草原での黒犬や灰犬の討伐依頼や
川辺での大蜥蜴の討伐依頼が殆どのはず・・・。」
「それ以外では薬草採取や川魚や川鳥の採取依頼があるけど・・・
薬草採取は低ランクの冒険者が専門でやってるはず。」
「川魚や川鳥の方はどうなの?
川辺と言う事で人気が無いとか??」
「人気以前に川辺では大蜥蜴に襲われる危険があるし
何より川辺までの道のりが危ないんです・・・。」
「街を外れ草原を抜けて林を越えた先に川辺があります。」
「林では黒犬や灰犬が群れで生息している危険もあるし
それに川辺の周辺の草が腰の高さまであり
周辺警戒が苦手な冒険者には無理があります。」
「川鳥を弓で射る事が可能な冒険者も・・・いませんしね。」
「ゆっくり川辺で釣りをするにも大蜥蜴が気になって釣りどころじゃないだろうし・・・。」
「釣りをする前に川辺を草刈りをしたりしないのかな?
川鳥も弓で射るより魔法で撃ち落とした方が確実な気もするけど?」
「川鳥のように小型の鳥は命中するのも困難だし
何より倒した後に大蜥蜴に横取りされるし
倒す人と回収する人と周囲を警戒する人と
三人以上で組む必要がある・・・報酬額を考えてもなぁ・・・。」
「少数では失敗する確率があり
大勢で向かっては報酬的に赤字になると・・・。」
「今の時期なら川鳥よりも渡り鳥の方が美味しいけど
ギルドへ納品するより実際に食してみたいな。
鴨鍋にしたら美味いだろうな。」
「川鳥よりも渡り鳥の方が報酬額がいいんですが・・・
やはり渡り鳥は警戒心が強く弓が上手な冒険者向けの依頼になってます。」
「渡り鳥専門のエルフの狩人が担当する事があったはず?」
「最近はめっきり見かけなくなりましたが・・・。」
「この辺で一番近くのエルフの里は・・・西にあったはず。
大森林の深部に巨木を中央に『森林都市』を形成している。」
「『森林都市』ですか・・・大森林の深部か・・・。
それに巨木を都市化ですか・・・。
エルフは弓が得意なんですか?」
「エルフは弓も魔法も得意ですが
それ以上に周辺の警戒に敏感であり
周囲に溶け込む術に長けている種族です。」
「街ではエルフは・・・いませんね。
猫耳族と犬耳族は少数ですが冒険者として活動してますが・・・。」
「私もエルフは遠目で見た事があるだけで話した事は無いですね。」
「エルフはドラゴンを信仰していますし
『森林都市』でもドラゴンと共存していると噂されてますが・・・。」
「エルフにドラゴン・・・見たい気もしますがダメな予感もします。」
「まぁ、大森林はある意味魔境ですから
馬車や荷馬車では進入不可ですし
街道も無いという話です・・・。」
「エルフの抜け道があると言いますが本当のところは謎ですがね。」
「気が向いたら観光がてら大森林に向かうのも面白そうだな。」
「ドラゴンと共存って話が通じるんですかね?」
「上位種に限っては事場での意思疎通も可能との事です。」
「それなら上位種以外なら出会いがしら襲われる可能性も?」
「・・・可能性はありますね。」
「ドラゴンはワイバーンとは別種族なんですか?」
「はい、別種族と言うか・・・ハッキリ言えば別次元の生物ですね。」
「出会うことは滅多にないので大丈夫だと思いますが?」
「それはドラゴンがですか?」
「そうです、ドラゴンは大森林の『深淵』か霊峰『龍の麓』にいるとされています。」
「ワイバーンは山間部に生息していますし・・・
何よりギルドでも討伐依頼であるくらいですよ?」
「ワイバーンは討伐可能なのか・・・知らなかった。」
「ワイバーンの革での鎧やマントは人気があります。」
「・・・値段は高いんですがね。」




