再びスローライフ。
少し間隔が開いてしまった。
定期的に更新予定です。
ジン達が海底探索をしていた頃『開拓村』では
黒飛蝗襲来時に姿を隠していた黒犬や灰犬などか再び現れ
ギルド職員のリンダ・リスター・リムルが班長になり『開拓村』周辺の警戒をしていた。
『開拓村』の川辺では大蜥蜴が姿を現していたが
リスター達の姿を見ると一目散に逃走を計り
追う間もなく逃げる姿を見ながら「肉が・・・。」と呟くのだった。
草原の方では黒飛蝗から逃げるように姿を隠していた黒犬や灰犬の群れが
街道を行きかう商隊を襲いかかるとギルドから通達があり
『開拓村』周辺でも飢えた黒犬や灰犬の群れが襲いかかってきたが
リンダを始めリムル達により怪我も無く倒されるのだった。
もっとも黒犬や灰犬はギルドへ納品し報酬は直ぐに果実酒や酒の肴になるのだが・・・
リンダ曰く、「痩せ細った黒犬は食糧にも毛皮にも不向き。」との事だった。
『開拓村』では常に食料の確保をしており
街で買い物をしなくても数カ月分の食材は食堂の地下室に保管してあったり
調理済みの料理は各自のマジックバックに保存してあったので
食糧不足になる事は無かった・・・。
今回の黒犬と灰犬の討伐依頼は冒険者ギルドからの緊急依頼と言う事もあり
街の安全と街道の完全の確保と言う事で10日間で
ギルドへは100体以上の黒犬や灰犬が持ち込まれる事になる。
持ち込まれた黒犬や灰犬は痩せ細り薄汚れているものが多く
解体される事無く『火魔法』で焼却される事になる。
過度の空腹を経験した黒犬や灰犬は飢餓状態になり
『餓狼』と呼ばれる自我を無くした魔物に変貌すると言う・・・。
大飢饉や大災害に現れる魔物としてギルドでも危険視されており
今回のような『天災』後には街の周辺のみならず痩せ細った黒犬や灰犬を見かけたら
ギルドへ通達をし討伐する事が義務付けられていた。
「それにしても冬期前に黒犬や灰犬は完全に討伐か・・・。」
「それが何か問題でも?」
「今回の場合『天災』後だからしょうがないけど
冬期間の黒犬や灰犬の毛皮の確保が難しくなると思うと・・・。」
「「あぁー、それな。」」
「それに黒犬や灰犬は露店とかの『串焼き』の食材になっているでしょ?
さすがに値上がりはしないと思うけど・・・品薄にはなるかなと・・・。」
「確かに可能性はあるかも・・。」
「今回は討伐対象は黒犬や灰犬だけだった所を見ると
大蜥蜴や大猪などの中型種は影響を受けなかったみたいだね。」
「黒熊とかは逆に食糧になる黒犬や灰犬を喰らい危険視されているけどね・・・。」
「大蜥蜴は黒飛蝗から逃げるように下流と上流の巣穴に隠れていたみたいだし
大猪や黒熊は巣穴に篭って身を潜めていたみたいだね。」
「黒犬や灰犬は・・・巣穴とか無いの?」
「群れで動くから棲み処はあっても巣穴のように隠れる事が出来る場所は無いはず・・・。」
「その為に安全を確保する為に逃げて逃げてって感じかな?」
「それで気が付けば黒飛蝗は来ないし食糧となる小動物は巣穴に篭り見つける事もかなわず
草原に戻ってきても・・・やはり食糧にありつけず誰かれ構わず襲いかかり討伐されると。」
「小動物といえば野うさぎの姿も見かけませんが?」
「やはり山間部へ逃げたか・・・巣穴に籠ったかじゃ?」
「冬期間中は篭ると言いますし可能性はありますね。」
「黒犬と灰犬の毛皮は皆無と考えれば野うさぎや黒熊・大猪の毛皮は高騰しそうです。」
「毛皮よりも肉の方がいい値が付きそうですが?」
「いい値は付くでしょうが、『開拓村』では解体をすれば無駄なく食しますよ?
ギルドからの緊急依頼があれば別でしょうが?」
「・・・緊急依頼があっても『串焼き』や『ステーキ』になって食べるイメージしか湧きませんが?」
「「確かに・・・。」」
『開拓村』の周辺は4日後には痩せ細った黒犬や灰犬を見かける事が無くなり
ギルドへは周囲の安全を通達し追加で街道周辺を警戒する事になる。
川辺の方は逃げる大蜥蜴を見かけるのだが川鳥や川魚の姿も見えるようになり
次第に前と同じ風景が見かけるようになる。
冬期間と言う事で花が咲き乱れると言う事は無いのだが
北の大地のように雪が降ると言う事も無く長めの秋が続く感じだった。
それから数日後にジン達が大量の海産物を手にし『開拓村』へ帰還するのだが
『開拓村』の畑の野菜の収穫が終わったり
『開拓村』の敷地を囲む『土壁』が更に二倍になり
畑や果樹園の予定地の拡大により何を植えるか悩んだりしていた。
魚やエビは『串焼き』にし酒の肴になり
貝はスープの具材となり『開拓村』でも新しい料理に加えられる事になる。
もっとも食材の量的には半月分の食材しかなく毎回食べる事は無理なので
スープの具材にし全員が食べられるように工夫される事になる。
そして海藻は乾燥されスープの出汁用に大事に保管される事になる。
「それにしても南の街へ行かずに魚が食べられるとは・・。」
「しかも種類も豊富だしエビまであるとは・・・。
「それにしてもうまいな。」
リーナを始めギルド職員の四人は『串焼き』を頬張り
美味しそうに果実酒を飲んでいる。
リムルだけは無心で『串焼き』を頬張っていたが・・・。
「干物以外の魚初めてです。」
「それに海の魚は川魚とは異なる姿をしているんですね。」
「色も違うし・・・味も違う。」
「泥臭く無く美味しい。」
『草原の風』の四人は生の海の魚は初めてのようで
ゆっくりと美味しさを噛みしめて食べている。
こっちは果実酒は飲まずに次々と『串焼き』を食べている。
ルカ達五人組は『串焼き』と『海鮮スープ』を食べながら
「これが海の魚か・・・。」と呟いたり
「川エビよりも大きいエビ美味い。」と呟いたり
「川魚より美味しいかも。」「スープも魚介のうま味が出ている。」
どうやら初めての海の幸を『串焼き』よりも『海鮮スープ』で実感している。
ジンはチコとリコを一緒に次々を魚を捌き『串焼き』にしたり
『海鮮スープ』は『串焼き』に不向きな子魚や小エビや貝を投入し
具沢山でありながら少しピリ辛のスープに仕上げていく。
「どうやら『串焼き』の『海鮮スープ』も好評の様だな。」
「何度も試食を繰り返したソラとシロのおかげです。」
「それに味付けは酒の肴に合う様な『串焼き』と
パンに合う様な『海鮮スープ』だったしね。」
「冬期間と言う事でピリ辛スープにしたのが成功だったかも。」
チコとリコも『海鮮スープ』を一口飲み「「ピリ辛がクセになる。」」と言い
ジンも一口飲み「うん、やっぱり美味い。」とパンを浸しながら食べ進めていく。
ジンのスープに浸しながら食べる食べ方は一般的では無く
チコとリコは最初は首をひねっていたのだが
同じように食べていくと面白いようにパンとスープが止まらず
気が付けばお代わりをし鍋が空になるまで食べ進めていく。
ギルド四人組は酒を飲みながらなので『串焼き』のみを頬張っていたが
『草原の風』の四人組とルカさんら五人組はスープとパンを満足するまで食べ進めていく。
2つ目の鍋が無くなった頃に全員が食べ過ぎた事に気が付き
「やばい食べ過ぎた・・・。」
「やっぱり『串焼き』も『海鮮スープ』も美味し。」
「『串焼き』は数に限りがあるけど『海鮮スープ』なら具材次第で数日おきに食べれそう。」
「この味を知ってしまっては干物では満足できないかも・・・。」
「いやいや、干物でも『海鮮スープ』は作れるんじゃないかな?」
チコとリコは干物での『海鮮スープ』の味付けを相談し始める。
「干物を炙っても美味しいからスープにしても美味しいはず。」
「干した海藻も良い出汁がとれるはずだから期待していいよ。」
「それなら暫らくは干物の美味しい食べ方を考えるか?」
「「えへへ、それいいかも。」」
「あ、そういえば南の街の魔物騒動はナニが原因だったの?
海岸は霧が凄くてよく分からなかったんだけど??」
「聞いた話では海から攻撃されるだったかな?」
「船乗りが襲われたり船が沈められただったか?」
「噂ではクラーケンと言う話だったんだけど・・・
南の街での騒動を聞く限り浅瀬でも襲われていたと言うから
クラーケンでは無いという結論になったはず・・・。」
「ギルドとしてもクラーケンに襲われたとは考えなかったみたいです。」
「なるほどクラーケンか・・・。
タコかイカの魔物だっけ巨大な?」
「そうです10mを越える巨体で15mの触手というか足で相手を絡め取り捕食する。」
「一度掴まれたら逃げる事は不可能。」
「船をも絡め取り海底に引きずり込む。」
「海での戦闘は冒険者には不向きと言う事もあり中々討伐出来ない状況ですね。」
「それにしてはアレはクラーケンっぽく無かった気が・・・。」
「ジンさんはクラーケンを見たんですか?」
「海岸にいればクラーケンの攻撃は受けないはずなのですが・・・。」
「それにクラーケンっぽく無いとは?」
「触手の攻撃を受けたけど絡め取るというより
叩き潰すような攻撃だった気が・・・
それに15m以上の触手の長さだった気がすし・・・。」
「ジンさんは海岸で攻撃を受けたんですか?」
「海岸と言うか岩場で攻撃されたな。
釣りをしていたら突然襲われて・・・殴りながら対応したけど?」
「岩場で釣り中に襲われたんですか・・・
ギルドでの報告には無かった情報ですね。」
「それに叩き潰すですか・・・。」
「触手での攻撃じゃない気がするし・・・確かに変な気がする。」
「まぁ、何度か対戦して追い払う事しか出来なかったけど・・・。
倒したら美味しいかどうか知りたかった・・・。」
「「「「食べるんですか?」」」」
ジンはイイ笑顔で「もちろん!」と答えるのだった。




