ぶらり海底採取しよう。
次の日から午前中は釣りをし午後からは海へ潜る事になる。
チコとリコの二人も午前中は料理をし独自の魚料理を確立し
食事時には『串焼き』『焼き魚』と二人の『魚料理』の三品が食卓に並ぶ事になる。
『結界魔法』で海に潜ると言うのも可笑しな話だが
実際には自分を中心に海水を外へ吐き出した状態だった。
ジンは結界で海に立つと水族館みたいと思うのだが
チコやリコも海の中を断面として見る事に驚き
結界を触りながら「これは魔法?」と呟いていたが
海の中を無数の魚が泳いでいる光景に目を奪われていた。
ジンは結界内部に取り残された貝や海藻を採取しホクホク顔である。
「しかし何で海水と魚は結界の外に行くのに
貝や海藻は結界内にあるんでしょう?」
「魚も結界内にあれば獲るのも楽なのにね。」
二人の話を聞きジンは「そういえば・・・。」と考え
海底に接触した貝や海藻は『結界魔法』の範囲外だったとか?
それとも『結界魔法』の任意出来るのか・・・?
つまり・・・『結界魔法』で海水だけを結界の外へと考えればいいのかな?
「まずは実験かな?
チコちゃん・リコちゃん、こっちに来て!」
「「はーい。」」
ジンは二人の手を握り『結界魔法』を再び展開するのだった。
今までジンを中心に結界を展開していたが
次にジンは目の前から1mの範囲に『結界魔法』を展開した。
すると結界内には数匹の魚がぴちぴちと落ちていた。
「今度は魚が落ちてる。」
「しかも新鮮な魚・・。」
すぐさまチコとリコはマジックバックに魚を保管した。
そしてジンの釣った魚とは別の魚と言う事で
バックを撫でながら「やっぱり焼き魚?」とか「煮込んでみるのは?」とか話している。
確かにジンの釣った魚は『アジ』っぽかったが
今さっき拾った魚は『ヒラメ』っぽかったのがいた気がする。
「煮込みが美味しいかも。」
「「それなら煮込みで一品作りましょ」」
「こっちはエビやカニも少しだけいるみたいだな。
焼いても煮ても美味しいから悩ましいのぉ・・・。」
「あの食べれるんですか?」
「ごつごつしてる・・・。」
「そういえばエビとかカニは初めて見るんだっけ?」
「「はい!」」
そういえば干物とかは内陸部で見かけたけど
エビやカニは初めて見たかもしれないな・・・。
加工技術が未発達なら近場で食べるしかないからな。
『鑑定』スキルで見る限り食材であり食糧として問題無いな。
「これは今晩の食材にしよう。
最初は茹でエビとカニを食べようなぁ~。」
「焼くでも無く煮るでも無く?」
「茹でるの?」
「そそ、美味いぞぉ~。」
ジンがニコニコしながらエビとカニの話をしていたので
このエビとカニと言う食材は美味しいに違いないと思うのだった。
「この調子で海底の食材を採取しまくるぞぉ!」
「「おぅ!」」
三人は結界内の食材をくまなく採取し
ジンは次々と『結界魔法』を展開し
貝や海藻を存分に採取したし
釣りでは手に入らない魚も豊富に手に入れるのだった。
しかも新鮮な状態で手に入れた魚は刺身でも美味しそうだが
醤油も無ければ山葵も無い・・・塩で刺身は上級者すぎると思い
『刺身はいずれ食べる・・。』と心に誓うのだった。
「ん?」
ジンは常時MAPを展開していたが海の向こう側から近づく赤マーカーに
あれは危険かもと思い二人を抱きしめ急ぎ海上へと飛び出す。
そこから魔力でフィールドを展開し全力で簡易陣地まで移動する。
『結界魔法』はジンが飛び出すと同時に解除し
海はいつものように見えるが・・・MAPで見る限り赤マーカーは確実に近づきつつあった。
暫らくするとソラとシロがジンの肩に乗り海を見つめている。
クロも海からの気配に気が付き『魔法障壁』を展開している。
しかし、『ソレ』はいきなり現れた。
MAPで見る限り離れていたと思われた赤マーカーは
いきなりジン達のいる簡易陣地へ攻撃を仕掛けてきた。
深い霧に包まれた状態でクロの『魔法障壁』に
『ダバァン!』「パリーン!」
『ソレ』の攻撃はクロの『魔法障壁』を一撃で砕き再度攻撃を仕掛けるが
クロは破壊された『魔法障壁』を再度展開し
『ダァァン!』「パリーン!」
再び『ソレ』の攻撃によって『魔法障壁』が破壊される。
「今のは足か?」
深い霧の中であって海中からの不可視な攻撃であったが
『魔法障壁』に当たる寸前に霞んで見えたのが
イカやタコの足っぽかった・・・しかも無数の吸盤もみえたし。
「海の生物なのに足ですか?」
「魚には足は無いと思う?」
「多分さっきのは魚じゃないよ・・・。
イカやタコっぽかったけど・・・見た事無い?」
チコとリコは「イカ?タコ?」と呟き首をふるふると振るのだった。
「魚じゃないから見たらびっくりするかも・・・。
それと姿形ではわからないかもしれないけど・・・美味しいからね!」
「「!」」
「美味しいのにびっくりする姿なんですか?」
「美味しいのにびっくりする形なの?」
「そだね、足がいっぱいあるし・・・。
さっきの攻撃みたいに足で攻撃してくるね・・・。」
ジンはそう言いながらイカやタコは足で殴ったっけ?と思いながらも
確か肉食のはずだから足で殴り掴み捕食するので知ってる生物なはず・・・。
それ以上に姿かたちが見えないのに確実に足を振り上げて攻撃してくる・・・。
「それにしても本体は見えないが確実に攻撃をしてくるとは・・・
予想以上に攻撃的で好戦的なのかもしれないな・・・。」
クロは何度かの攻撃で『魔法障壁』を破壊され連続して障壁を展開していた。
二度破壊され・・・三度破壊され・・四度目の攻撃で『魔法障壁』が耐え
五度目以降の攻撃で『魔法障壁』は何事も無く攻撃を凌いでいた。
それから足の攻撃が一本から二本に数を増やし攻撃をしてくるが
『魔法障壁』の防壁を突破する事が出来ず
暫らく攻撃をした後、攻撃が止み簡易陣地の前から姿を消す事になる。
ジンもMAPを見ながら赤マーカーが離れているのを確認し
MAP上から反応が消えた事を確認してからクロを撫で
「ありがとう、どうやら向こうへ行ったみたいだ・・・。
しかし、正体が分からないけど『魔法障壁』を破壊する攻撃力は侮れん・・・。
それ以上に足の長さが尋常じゃないな・・・。」
「海中から確実に攻撃できるのは怖いです。」
「簡易陣地を海から離す?」
「そこまでする必要無いよ。
僕も接近したのは気が付いたし
ソラやシロも気付いたみたいだから
今度襲ってきたら撃退しよう。」
「「了解です。」」
チコとリコはコクコクと頷き海を見つめるのだった。
「そういえば海中にいるイカ?タコ?はどうやって倒すんですか?」
「んー。足を斬る?」
「危険なんじゃ?」
「危なく無いですか?」
「叩かれる前に斬れば大丈夫でしょ!」
「斬る方法が無いんですが・・・。」
「『銀矢』では切断は無理です・。」
「魔法で切断する?」
『『風魔法』の『風弾』も風の塊を撃ち出す魔法だから切断出来ないよ?』
『『風魔法』の『風斬り』なら切断可能だけど・・・。』
「ソラとシロは二人の側にいてもらいたいから却下かな。
クロも簡易陣地を『魔法障壁』で護って貰いたいから
次の対戦は僕が何とかしよう~。」
ジンは『鉄拳』や『剛拳』で殴るのではなく
『蹴撃』なら蹴りからの斬りが出来そうな気がした。
『格闘』Lv3ならば・・・。




