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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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ぶらり海へ行こう。

黒飛蝗の襲来から数日後ギルドからポーションの納品報酬を受け取り

やはりと言うか街への買い出しをギルド職員のリンダ達にお願いしていた。

大量に購入したのは果実酒の大樽や調味料だった。


野菜や果実や小麦などは黒飛蝗の進行方向で不作となり

街では多少の食糧不足になっていた。


その為ジン達は食糧に関して自給自足する事になる。


調味料と晩酌用の果実酒のみを購入すると言う形になっていた。


果実酒を扱う露店でも食糧不足で果実酒の消費が低迷していると言う事で

リンダ達は売れ残りから次々と購入し焚き火の部屋の地下室は

酒場かと思うほどの果実酒の大樽を保有する事になる。


毎日の晩酌を楽しみにしている『開拓村』の住民達は

ジンとチコ・リコの作る料理が好きだったし

何より晩酌時に提供される『酒の肴』を食べれる事が

『開拓村』に来て良かった~と思うほどだった。



さて、黒飛蝗騒動終了からジン達の『開拓村』の生活は変わらず続いて行く。

冬期間中には葉野菜を中心に作りギルドへの納品をし

また少しだけの根野菜を育てたりもしていたが

育成期間を考えれば根野菜はもう少し早く種まきが必要と再確認出来た。


『開拓村』の畑や野菜の管理はルカ達に一任し

『草原の風』のアリス達には川辺に戻ってきた大蜥蜴の警戒をお願いし

ギルド職員のリーナやリンダ達には『開拓村』の警護をお願いし

ジン達は『開拓村』を離れ・・・・南の街へ向かっていた。

いや、南の街があった場所を目指していた。


海の魔物の襲撃により南の街を放棄した元南の街へ向かっていた。

ジンはMAPで確認したが海辺の海岸部には人の反応が無く

内陸部に人の反応が集中し村か街を形成し生活しているのが見てとれた。


一応、ギルド職員のリーナに確認を取ったら

南の街へ行くのに許可はいらないが海岸部への接近は自己責任と言われた。

それと内陸部は人手不足なので気を付けろと言われた。

リーナ曰く「南の街を放棄したと同時に盗賊が増えた。」と言う・・・

考えたくはないが南の街の住民の一部が「盗賊に身を落した。」らしい。

その為、南の街への商隊は大隊を組み冒険者が警護をしていると言う。

個人の商人や商隊は南の街へは危険度が高いと言う。


「そういえば盗賊って見た事無いけど・・・どんなんだろ?」

「いきなり襲ってくる冒険者?」

「いきなり襲ってくる住民?」

「どっちもいきなり襲ってくるのかな?」

「リーナさんは襲われるまでわからないかもって言ってた。」

「見た目もわからないというのも怖いかも。」

「常時『魔法障壁』は必須かな?」

「「クロさんお願いします。」」


チコとリコがクロに頭を下げ移動中の『魔法障壁』をお願いする。

クロはコクコクと頷き『任せて!』と答え『魔法障壁』を展開していく。


ジンのMAPでも赤マーカーが盗賊であるかは未定であったし

何より新しい南の街のある内陸部まで人の反応が無かった。

いや、黒犬や大蜥蜴などの反応も無く・・・すべて黒飛蝗が捕食したと思われた。

南へ街道を進み薬草採取可能な採取場所を見つけては薬草を入手し

冬期間中のポーション作成の材料集めをしていく。


「やはり薬草は体力回復系は見当たらないね。」

「熱さましと胃腸薬とかの薬草ばかりか・・・。」

「咳どめの薬草もあるから冬期間中は調合すれば売れるポーションを作れるから良いと思うよ。」

「確かに熱さましと咳どめは冬期間中は人気がありますね。」

「飲み過ぎ用の胃腸薬も何気に人気ありますよ?」

「それは大人用のポーションだからね。」

「『開拓村』にも胃腸薬は常備してますし!」


焚き火の部屋は共同スペースと言う事で各種ポーションを常備し

誰でも使う事が出来るようになっていた。

それとジン達がいない間は誰でも調理場で料理する事出来るようにしたが

調理済みの料理をマジックバックに保管している事を教えると

リンダを始めアリサ達も嬉しそうにマジックバックを抱きしめていた・・・。

ルカ達は申し訳なさそうな顔をしていたが「留守を頼む。」とお願いし

ジン達は南の街へ・・・いや、海を目指していた。


「もうすぐ海が見えるはずなんだが・・・。」


MAPで見る限り街道を左手に海が見えるはず・・・

しかし、少し前から街道は霧に覆われ視界を遮っていた。

昼時なのに薄暗く視界不良なのでクロは『魔法障壁』を広く展開し

ソラとシロも周囲の警戒を怠る事無く警戒をしている。

チコとリコも弓矢を構え警戒してるがMAPを見る限り何の反応も無い。


「霧に毒性は無いな・・・魔力の反応も無いし・・・自然現象か?」

「海の魔物が発生させたと言う事はないです?」

「霧を発生する魔物・・・???」

「こんなことならギルドの資料室で調べてくれば良かったかも

海の上でも霧が出ているとしたら危ないかもな・・・。」

「そうですね、この状態では海の魔物というのに襲われては手も足も出せません。」

「攻撃を当てる事も避ける事も無理です。」

「確かにな・・・。視界不十分でもギリギリ釣りが出来る気がするのは気のせいかな?」

「竿先が見えれば大丈夫です。」

「『魔法障壁』を展開しておけば後手になりますが

障壁に触れたらわかりますから即攻撃可能です!」


確か『魔法障壁』を常時展開しておけば安全か・・・。

ジンは街道を外れ海を目指し進路を変更する。


「この辺からゆっくり歩いてくれ・・・。

もうすぐ海が見えるはずなんだが・・・。」


街道を離れ足元が草原から岩場に変わり磯の匂いがしてくる。

ソラとシロは『変な匂い』と言ってるし

チコとリコも「何の匂い?」と騒いでいる。


「この匂いが磯の匂い・・・海の匂いだよ。

この辺でストップ・・・クロ停まって。」


ジンはクロから降り岩場に『土魔法』で『土壁』を設置する。

霧で見えないが数メートル先は海上3メートルになっている。

落ちたら大変なので腰の高さまで『土壁』を作り落下防止を厳重にする。


「海の境を『土壁』で囲い・・・

次にクロと荷台を中心に『土壁』で囲う・・・。」


暫らくするとクロと荷台を覆う様に簡易陣地を構築していく。

それと見たチコとリコは追加でトイレとお風呂の小部屋を作り上げる。

クロと荷台を切り離してから「数日はここで暮らそう」とジンは宣言するのだった。


宣言と共にジンは釣りを始めチコとリコは昼ご飯の準備をし

ソラとシロはクロの甲羅の上で昼寝をし

クロも疲れていたのか静かに眠り始める。


ソラ達が眠った事に気が付いたジンは静かに釣りを満喫する。

MAPで見る限り海の中には豊富に魚の反応があり

「釣り堀かよ!」と言うほど釣れまくった。

やはり川魚と違う魚を数種類釣り上げ『鑑定』スキルで食用か否かを調べ

「今日は海の幸三昧。」とニコニコしながら釣りを楽しむのだった。


「これなら潜っても大量な気がする。」


牡蠣かきやサザエが採れれば嬉しいんだが・・・

ウニも上手そうだな・・・カニやエビも久しぶり食べてみたいが・・・。

問題は醤油が無い事が一番の問題だ・・・。


「醤油なんて作り方知らんしなぁ・・・。」

ジン達がいない『開拓村』の一コマ。


「マジックバックの『串焼き』は相変わらず美味しい~。」

「こっちの川魚の『焼き魚』も絶品です!」

「じっくり食べれるなら『煮込みスープ』の深み・・凄いな。」

「それに薄焼きパンもこんなに沢山焼き上がってますよ~。」


「あの、みなさん・・・。こっちのサラダも食べませんか?」


ルカの一言にリーナを始め肉好きな女性陣は目を背け黙々と肉を食べるのだった。

相変わらずサラダの消費量は全くな『開拓村』だった。




「晩酌には川鳥の『焼き鳥』が合いますね~。」

「ジンさん的には塩味しかないと嘆いてましたが・・・。」

「私は『串焼き』でも『焼き鳥』でもどちらでも可です!」

「確かに・・・どっちも美味い!」

「ジンさんが作った大蜥蜴の『サイコロステーキ』も酒の肴としては優秀だと思うんですが?」

「『サイコロステーキ』では肴というよりメイン料理みたいで・・・食べ過ぎちゃいます。」

「それなら大丈夫!」

「「「「?」」」」


「ジンさんから胃腸薬をいっぱい貰いましたから!」


「「「「「おぅ~!」」」」」


その後、胃腸薬のお世話になる『開拓村』の住民達であった。




黒飛蝗襲来時に出会った『紅蓮の狼』と『大切断』のその後


「ジンさんらと酒を飲もうと思ったがギルドに来ないなぁ・・・。」

「『開拓村』の買い出しはギルド職員が担当しているらしいぞ?」

「「「「え?」」」」

「酒を奢ると言う約束は?」

「一緒に酒を飲むという約束は?」

「それなら『開拓村』へ行ってみるか?」

「それなんだが『開拓村』への訪問はギルドから禁止と言われた。」

「何かあったのか?」

「女性が多いと言う事と問題でも起きたら『開拓村』の解体になると言われた・・・。」

「それじゃ、ジンさん達にお礼も言えないのか?」

「それなんだがギルド職員のリーナさんとリンダさんにお願いしてみて下さいと言われた。」

「その二人はギルドに来てるのか?」

「数日後にはギルドに来る予定だと言われた。」

「よし、数日後だな。酒を一緒に飲めないならいい酒を贈ろう!」

「そうだな、いい酒をジンさん達に贈ろう!」


その後、ギルドへ入るなりお礼を言われたリーナとリンダは

訳も分からず『いい酒』を受け取り美味しく頂きましたとさ・・・。

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