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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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黒飛蝗襲来③。

東の草原の戦場へ最短距離へ向かうクロは『身体強化』『速度強化『魔法障壁』展開し

更に魔力フィールドを形成し一気に川辺の向こう側へ移動した。

ジンはMAPを展開しながら近くにいる冒険者へ急いでいた。


「東の草原は予想以上に酷いな・・・。

広範囲魔法で地面が酷い事になってるな。」

『それよりも急いだ方がいいかも・・・。』

『あの冒険者達・・・黒飛蝗に追いつかれそうよ?』

「確かにヤバいかも・・・急いでクロ!」

『任せて!!』


前方から冒険者達が走っているのが確認出来る。

何人か負傷しているのか抱えられている者もいる様だし

背負われている者もいるのが確認できた。

この場からの離脱を考えているのか黒飛蝗への攻撃をせず

前へ前へ全力で走っているのが確認できた。


「チコちゃんとリコちゃんは冒険者達の後方にいる黒飛蝗へ矢を射ってもらえるかな?

ソラとシロも同じく魔法で黒飛蝗の殲滅をお願いね!」

「「はい、狙い撃ちます!」」


チコとリコは弓を構え次々と黒飛蝗に矢を射る。

『銀矢』は『魔法弾ボルト』Lv2が付加されており

放たれた銀矢は黒飛蝗を数十匹貫通する威力を発揮していた。


ソラとシロは冒険者達の後方へ『大岩』を次々と落したり

黒飛蝗へ無数の『岩弾』を連続で放つのだった。


走っていた冒険者達は前方からの攻撃が仲間からの攻撃と理解したのか

足を止め・・・その場へ倒れ込むのだった。

半数は負傷をし元気な者は数人と言う感じだったが

この中に瀕死と言う者はいなかった。


黒亀に乗って現れたジン達に冒険者達も不審に思っていたが


「『開拓村』のジンです。

ポーションを届けに来たんですが・・・大丈夫ですか?」


「え?ポーション届けに??」

「助けに来たんじゃないのか・・・?」

「それより助けてくれ黒飛蝗から襲われてヤバいんだ!」

「こっちは魔力枯渇で・・・ポーションをお願いする!」


「はいはい、大丈夫ですよ。

チコちゃん、リコちゃん彼らにポーションを渡してくれるかい?」


ジンはそう言いポーションの入ったマジックバックをチコとリコに渡すのだった。

チコとリコは「「はい。」」と受け取ったマジックバックから

彼らにポーションを配布していく。

冒険者に一人は渡されたポーションを手に取り


「ギルドで渡されたポーションと同じものだ。

これなら助けられる・・・ありがとう。」


そう言い倒れている冒険者に飲ませていく。

負傷し傷ついた身体は治り身体を起こせるようになったが

血を流し過ぎたのかフラフラしている。


「無理に動かない方がいいです。

血を流し過ぎたようですから・・・。」


「そのようだ、ポーションをありがとう。

君らが来てくれなかったら街へ戻れなかっただろう・・・。

それとポーションの代金だが・・・街へ戻るまで待ってもらえないだろうか?」

「我々もポーションの代金は街まで待ってくれないか?

今すぐ払えるだけの金は持ってないんだ・・・。」

「私達もだ・・・持ち合わせが無い。」

「同じく・・・。」


「ん?ポーションの代金は別途ギルドへ請求するから大丈夫ですよ?

それに河の向こうにある陣地にもポーションを届けたから

怪我を完全に回復出来ると思うよ?」


「そうか・・・それならいいんだ。」

「それにしても『開拓村』から救助が来るとは聞いてなかったんだが?」

「しかも、援軍として参加するとは・・・。」

「やはり君らもランクAの冒険者なのか?」


「僕らはランクAでは無いですよ?

ギルドランクでいえばランクEです。

この子達が黒飛蝗を見たいと言われて・・・来ちゃいました。」


ジンはクロを撫でながら話しかける。

それを見たソラとシロも『『見たかった!(にゃー・わん!)』』と鳴くのだった。

チコはソラを抱きしめながら「魔法凄かったよ~」と褒めまくり

リコもシロを抱きしめながら「シロさんカッコ良かった~」と撫でまくるのだった。


それを見た冒険者達は戦場には不釣り合いな光景と思いながらも声に出さずにいた。


「それでジンさん達はこれからどうするんだ?

川辺の陣地へ戻るのか?それとも黒飛蝗を倒すのかい?」


戻るか・・倒すか・・・どうするかな?

ここにいる冒険者の数は15人・・・。

MAPで確認してら現在黒飛蝗と戦闘中なのは十三人か・・・

川辺の陣地にいる冒険者の数と合わせて倒された冒険者はいないみたいだな。

さて、このまま見捨てるのもいいがどうしようか・・・。


「一つ聞いてもいいですか?

今もまだ黒飛蝗と闘っているのは上位冒険者達ですか?」


「・・・はい、空から黒飛蝗を落したまでは良かったんですが

半数以上は倒しきれず襲ってきました。」

「魔力枯渇になる者も出るし

倒れた者を庇おうと負傷したり倒されたりして

足手まといになり退避してました。」

「この場で戦っているのは上位冒険者パーティーだけです。」

「魔法が効かないとわかると武器を構えて黒飛蝗に向かってました。」

「私達だけでは黒飛蝗の装甲を破壊出来ず・・・。」


「そうですか・・・。

それであなた達はどうします?

この場にいますか?それとも川辺の陣地へ戻りますか?」


ジンの質問に冒険者達は戻りたくても即撤退は難しいと知り

十三人は悲痛な表情をしている・・・。


「川辺の陣地へ戻りたいが・・・このままでは無理だ。」


「それなら川辺まで運びます。

河の向こう側へは自力でお願いする事になりますが・・・どうしますか?」


ジンの提案に冒険者達は安堵し「助かった・・・」と思っている。

まぁ、川辺の陣地へ到着するまで安心できないのだがな・・・。


「十三人なら荷台に乗る事は可能だし

急いで荷台に乗り込んでもらえますか?」


「すまない、助かる。」

「ありがとう。」

「助かるのか・・・信じられんな。」

「我々では黒飛蝗に立ち向かえないのか・・・。」

「ほら、急いで乗り込め!」

「怪我人優先で荷台へ乗せるんだ!」


十三人全員が荷台に乗り込んだのを確認し

チコとリコもクロに乗りジンがクロに「出発!」と声をかけ移動を開始する。

移動前にソラとシロが草原に『土槍』を唱えてからジンに飛びつくのだった。


『土槍』は草原に無数の土の槍を作りだし後方からの進入を防ぐ役割を果たす。

それは『土壁』よりも凶悪な壁になり向かってくる黒飛蝗が突き刺さる事となる。


荷台に乗る冒険者達はソラとシロの魔法に驚き

「範囲魔法なのか?」とか「土槍に見えたが・・・数が多い?」とか話している。

ソラとシロの『土槍』は真っ直ぐ上へ伸びる土槍では無く

黒飛蝗が向かってくる方向へ斜めに延びるように土槍を作りだしていた。


「『土槍』ではなく『土槍柵』と言ったところか・・・。

しかも、込められた魔力量が多すぎるから黒飛蝗と衝突しても壊れる事は無いだろうな。」

「ねね、ジン兄さん。ソラさんとシロさんの魔法は・・・『土魔法』なんですか?」

「初めて見た気もするけど・・・『開拓村』で見たクロさんの魔法の様な気もしますし?」

「連続で『土槍』を展開したっぽいけど僕には無理だな。

『土壁』は作れても『土槍』は苦手だし・・・。」

「『土槍』だったのか・・・。」

「ソラさんとシロさんの魔法は凄いです!」

「僕もソラから魔法の事教えて貰ってるしね。」

「ソラさん凄いです!」

「私も教えて欲しい!」

「そうだな今度ソラに頼んでみようか?」

「「はい!」」


ソラとシロは褒められて嬉しそうにニコニコしている。

クロだけは川辺へ運ばなきゃといつも以上の速度で駆けていた。

『身体強化』に『速度強化』『魔法障壁』を展開し

更に魔力フィールドを形成し荷台の冒険者への揺れを感じる事無く

数分後にはクロは無事に川辺へ到着するのだった。


「ここまで来れば大丈夫だと思うが陣地へ着くまで安全じゃないから・・・。」


荷台から降りた冒険者は「ありがとう。」「助かった。」「戻ったら酒を奢らせてくれ。」

次々と声をかけられジンは「それじゃ、また後で!」と手を振り

再びクロは東の草原へ向け駆けだすのだった。


ジンはMAPを展開し戦場へ目を向けると

黒飛蝗は数を減らし百前後の数まで減ってはいるが

十三人の上位冒険者では次第に押されているのが見てわかる。


「チコちゃんとリコちゃんは黒飛蝗へ矢を射って下さいな。

ソラとシロは引き続き魔法で黒飛蝗の動きを止めるか倒してください。

クロは真っ直ぐ冒険者達のいる方向へ急いで下さい!!」

「「はい!」」

『『任せて!』』

『どっちにいるかジンが誘導してね!』

「とりあえず、真っ直ぐ前進したら冒険者達と合流出来る。

黒飛蝗も残り百前後だと思うが・・・中々殲滅は難しいね。」

「残り百ですか・・・。」

「冒険者のみなさんは無事なのですか?」

「十三人の反応はあるし大丈夫じゃないかな?

問題は討伐速度が遅くなってきているのが気になる。

疲れてきたのか・・・負傷しているか?」

「急ぎましょう、彼らが負ければ黒飛蝗が街へ向かっちゃいます。」

「それはダメです。倒さなきゃ・・・。」


MAPでも上位冒険者達十三人が倒されてない事を確認できたが

動かない四人を護りながら九人が黒飛蝗と対峙しているのが見てとれた。

夜明けとともに黒飛蝗と対峙した上位冒険者達・・・

ポーションはあるが心身ともに消耗し傷つき倒れ・・・

それでも黒飛蝗の集団は襲いかかる。


負傷した中堅冒険者達が逃げ切るまで戦い抜き・・・

何とか戦線を抜けたと期待し彼らは剣を振るう。

戦うほどに黒飛蝗の装甲が頑丈になっている気もする。


最初は広範囲魔法に効き難くなったり

剣戟でも最初は斬り裂いていたのだが次第に斬れなくなったり

黒飛蝗は急速に進化をしている感じがしていた。


それは個体で進化しているのではなく

集団で進化しているかのような・・・。


「このままでは倒しきるのは厳しくなる。」

「なんとかしなければ・・・。」

「ポーションの残数は・・・?」

「ポーション残り二十です。」

「一人二本ですか・・・。」

「なかなか厳しいですな。」


ニヤリと笑い黒飛蝗へ大剣を振るう。

一撃で黒飛蝗を倒してきたはずが今では連撃で倒すの事になる。


「また、硬くなったのか?」


上位冒険者達の戦いは佳境を迎える。

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