スローライフ緊急相談。
その日の夕方にはリーナとリンダが『開拓村』へ戻ってきた。
『東部から天災来たる』と『黒飛蝗襲来』の知らせを聞き
『草原の風』のアリスらは食事の手をいったん止めジンとリーナとの話を来ている。
「黒飛蝗ですか・・・?
襲来と言う事は襲ってくると??」
「そうです、黒飛蝗は体長50cmの大きさで飛翔します。
虫と言う者もいますが、雑食で何でも喰い散らかすと言う事と
集団で行動すると言う事でギルドとしては『天災』扱いになってます。」
「それは群れで行動していると?
雑食と言う事は植物や動物まで何でも食べると?」
「はい、黒飛蝗は群れと言うには巨大な集団となり行動します。
数千数万の集団は『黒い塊』となって大陸を横断します。」
「数千数万の集団か・・・対抗しようにも押し潰されて喰われてしまうか・・・。」
「現在の黒飛蝗は数千まで数を減らしているらしいんですが
それでも脅威な事には変わらないので
冒険者ギルドとしてはランク上位冒険者達が街の東部に陣地を設置し
遠距離からの範囲魔法で殲滅する予定です。」
「ランク上位冒険者達はパーティーで参加してるの?」
「ランクAのパーティーが3組13人にランクBのパーティーが4組21人
これが現在の冒険者ギルドの最高戦力です。」
「34人で数千を相手にするのか・・・。
魔力回復ポーションがありますから連続で範囲魔法を行使すれば・・・。」
「上手くいけば殲滅可能か・・・。
今日もポーション作成したので彼らにポーションを届けてもらえます?」
「助かります。ギルドでも在庫ギリギリまでポーションを放出したみたいで・・・。
明日にでも東部の彼らの陣地へ届けようと思います。」
「それで『開拓村』の僕らは何をすればいいのかな?」
「『開拓村』のジンさん達やギルド職員のリンダさん達はこの場を護って貰います。
ジンさん達は勿論だけど『草原の風』のアリスさん達もランク下位と言う事で
街での後方支援をお願いしたいんですが・・・ギルドとしては『開拓村』で待機してもらう。
そして、リンダさん・リスターさん・リムルさんの3人は『開拓村』でみんなを護って貰います。」
「リンダさん達がここを護るの?」
「ギルドの方針としてはそうです。」
「基本としては・・・ですか?」
「そうです。」
「最後に何日後に黒飛蝗が来るんですか?」
「ギルドとしては数日後と考えてますが・・・
早ければ3日後・・・雨降りなどは飛翔不可なのか移動していないと報告がありましたので
晴れが続けば3日後・・・・雨降りの日数分延びる可能性があります。」
「3日後か・・・野菜の収穫はギリギリ間に合うとして
果樹園の林檎とかは魔法で囲うしかないかな?」
「あの黒飛蝗の襲来ですので隠れるか逃げるかの相談とかは??」
「隠れるなら焚き火の部屋に篭ればいいし
逃げるにしても『開拓村』を放棄するつもりは無いので却下です。」
「そうですか・・・。みんなここから離れず待機すると?」
焚き火の部屋のいるジンは勿論の事チコやリコもコクリと頷き
『草原の風』のアリスさんら4人もコクコクと頷いているし
ルカ達5人も同じく頷き話を聞いている。
ギルド職員のリンダさんらは果実酒を飲みながら
「3日後には黒飛蝗が来るのか・・・。
範囲攻撃や遠距離攻撃は苦手なんだがなぁ。」
「私もだよ、正面から向かうには最悪の相手な気がするよ。」
「弓で黒飛蝗が倒せればいいんだけど。」
「弓矢で黒飛蝗を相手にするのは難しいの?」
「そういえばジンさんは黒飛蝗を知らないか・・・。
飛翔する黒飛蝗に弓矢を当てるのは容易いんだが
数の多さに飲み込まれる可能性があるから
弓スキルの『連続撃ち』や『貫通撃ち』でなければ無理じゃないかな?」
「私は『三射撃ち』は修得してるけど・・・どこまで通用するか。」
「弓矢スキルは『強撃ち』しか修得して無いから微妙だよ。
「二人は弓矢スキルあるけど私は何も無いよ。」
リンダさんは弓矢スキルが無く落ち込み
リスターさんとリムルさんは弓矢スキルと修得しているが
黒飛蝗を相手には難しいスキルを修得しているらしい?
「やはり遠距離魔法が必要か・・・。
しかも、範囲攻撃必須とは・・・。
黒飛蝗を殴り倒すのは無理っぽいな。」
「そうですね、近接攻撃で黒飛蝗の集団を相手にするのは難しいですね。
近接攻撃で倒すとしても範囲攻撃無いと死に逝くようなものです。」
「私達も窓際から弓矢で攻撃するしか黒飛蝗を相手に出来ないしな。」
「そうなるよね。」
「それを言ったら私はみんなと一緒に避難するしか・・・。」
リンダさん達と違いリーナさんは焚き火の部屋の地下室に隠れるしかない訳で・・・。
「3日後までは野菜の収穫と地下室の拡張かな?」
「私とリコは出来るだけ料理を作りますね。」
「マジックバックに保管しておけば調理いらずで食べれますしね。」
チコちゃんとリコちゃんは3日後まで料理をしてくれるみたいだな。
「私達『草原の風』は野菜の収穫をギリギリまでやろうと思います。」
「黒飛蝗に喰われるのはイヤです。」
「収穫出来ない畑はどうします?」
「魔法で囲みますか?」
「畑と果樹園はクロに任せようと思うけどいいかな?」
突然ジンに話しかけられクロは『きゅー?』と首を傾げ
『何するの?』
「魔法で畑と果樹園を囲ってもらいたいんだけど出来るかな?」
『大丈夫!広範囲で『茨の森』で囲めば黒飛蝗を防げる!!』
「そかそか、黒飛蝗が来たらお願いするね。」
『お任せ!』
ジンとクロの会話はリーナ達には『きゅう』と話すクロに
ジンが会話をして意思疎通していると言う不思議な光景だったが
ジンが納得しクロがコクコクと頷いているのを見ながら
会話成立してるしと思う反面・・・ジンなら黒亀とも話せると思うのだった。
ソラとシロも何かしたいのかジンを『ジー』と見つめ
「ソラとシロはクロのサポートとリンダさん達のサポートをお願いね。」
『『はーい。』』
「無理せず黒飛蝗を倒せそうなら殲滅していいからさ。」
『『開拓村』に来る前に倒す!』
『撃ち落とす!』
いつになくソラとシロが戦闘モードになっているのを驚いていたが
ジンが戦う術が無いので自分達が頑張らねばと思っているのかもしれない。
「あんまり無理はしないでくれよ。」と声をかけながらソラとシロを撫でていく。
「それでジンさんは3日後まで何をするんですか?」
「『銀細工』で鏃を作ります。」
「何か魔法を付加するんですか?」
「攻撃魔法でも付加すれば黒飛蝗も撃ち落とせる可能性もあると思うので
『魔法弾』Lv2を付加する予定です。」
「『魔法弾』を鏃に付加ですか・・・。
上手くいけば『貫通撃ち』と同様の効果を得られるかもしれませんね。」
「これから試作を作りますから
リンダさん達には明日から『魔法弾鏃』の試射をお願いします。」
「もちろんです。」
「上手くいけば黒飛蝗を撃ち落とせるかも?」
「『魔法弾』Lv2なら黒飛蝗を貫通するか・・。」
「それなら今日は深酒せずに早めに寝ましょ。」
「えへへ、明日が楽しみ。」
リンダ・リスター・リムルは弓で黒飛蝗に対抗する事が出来るかもしれないと思い
それなら窓際では無い場所から攻撃した方がいいのかと話し始める。
リーナだけは弓の大量購入が魔法を付加する事だと知り
先読みしすぎと思いながらも500本の矢に魔法を付加するのは
3日で可能なのかと思うのだった。
クロの『茨の森』は『土槍』の上位魔法で土で作られた槍から
無数の土槍が作られていく『土魔法』で攻撃よりも防御に適した魔法になっていた。
無数の土槍が茨の如く発生する魔法は広範囲に展開し侵入する者を串刺しにする事。
クロがソラから教えてもらった魔法の1つである。
シロも同様の魔法を教えて貰っているのだが
防御に適した魔法よりも攻撃特化の魔法を色々修得していた。
ソラを筆頭にシロ・クロにより魔法無双は・・・。




