表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫と旅する漂流者  作者: 與吉
63/90

ある少女の物語。

農村で育ったルカは15才になり仕事を求めて街へ荷馬車に乗ってやってきた。

荷馬車にはルカの他に数名の少年少女達が一緒に所狭しと座っていた。

ある者は目標を持ち自信に満ちた顔をし

ある者は不安なのか俯き震えていたり

ある者は街での生活を楽しみにしているのか楽しそうに

その中で唯一ルカだけは街で何をすべきかを考えていた。


ルカの住まう地域では成人に合わせて街へ仕事を探しに行く。

それは農村や山村での食い減らしの習慣が今に残る風習だったりする。

もっとも小さな村では仕事がある訳も無く

仕事探しは昔の習わしから若者は仕事を探し

代々後継ぎだけを村に残して来ていたのだが

後継ぎが必ずしも優秀と言う訳では無く

山村や農村では徐々に衰退の一途に向かっていた。


この荷馬車に乗る若者もまた村で暮らす事が出来ない者達ばかりで

小さい頃から村での仕事をしてきたのだが

街での暮らしで役に立つのかと思えば・・・

人よりも体力があると言う感じなのだが・・・。


剣や槍を扱える物は村で警護に当たっていた者達ばかり

そう言った者達は少年だけだったりして

少女達は畑仕事で使っていた仕事道具ぐらいしか使った事が無かった。

畑仕事なら問題無く働けると思うのだが・・・。


それから数日後、荷馬車は大きな防壁に囲まれた街へと辿り着く。


そこで冒険者ギルドへ案内されギルドカードを作り

少年少女達は晴れて『冒険者』になる。



少年達は思い思いの者たちでパーティーを組み

依頼掲示板で好きな依頼を受ける事になる。

暫らくするとパーティーに誘われなかった少女達が残り

ギルドの待合室には不安げな少女達が部屋の片隅で固まっていた。


「何かお困りですか?」

「え?」


突然声をかけられルカは数歩下がり声の主を探した。

どうやら声をかけたのがギルド職員だと知り

ルカは『ほっ』としながらも何を話しかけたらいいか分からず


「・・・はい。何をしたらいいかわからず。」

「なるほどそれは後ろの方々も同じ考えなんでしょうか?」


ルカの後ろには同じく不安そうに話を聞く3人の少女達がいた。

これからの事に不安な少女達はお互いに顔を見合わせ『コクリ』と頷くのだった。


「まずは冒険者になったのなら仲間を集めなさい。

一人では冒険者としては成功しません、仲間と共に冒険者になりなさい。

そして、冒険者の最初の仕事なら薬草採取をしなさい。」

「仲間ですか・・・?」

「ここにいる4人でパーティーを組んでみてはどうです?」


そう言われてルカ達4人は「え?」と驚き「いいのかな?」と戸惑い


「少し相談していいですか?」


ルカの一言で少女達は部屋の片隅でこそこそと小声で相談を始める。

自己紹介をした少女達は何が出来て何が出来ないかを話し合い

暫らくの間一緒に行動することを決める・・・仮初のパーティー結成である。

その為パーティー名は無く行動を共にする仲間と言う事になる。


「ギルドカードを交付する時に説明した通り

新人冒険者はギルドに宿泊する事が可能です。

予め申請が必要ですが・・・どうします?」

「宿泊可能な日数ギリギリ利用します。

それから薬草採取に必要な事を教えて下さい。

村で採取した薬草と同じものなら採取依頼をしようと思います。

「そうですね、まずはこちらをお読みください。」


受付嬢は小さな小冊子を少女達に配って行く。

ルカは小冊子の表紙に『冒険者の書』と書かれていた。

ページをめくり中を見ると街の地図が書かれていた。

次のページには街の周辺で採取可能な薬草が書かれていたり

更に次のページには街の周辺に出現する野獣などが書かれてあった。


「これは・・・?」

「その小冊子には冒険者に必要な情報が書かれてあります。

冒険者にとって情報と知識は武器になります。」

「この周辺の薬草は村で採れてた物と同じだ・・・。

薬草採取を仕事として暮らして行けそうです。」

「それなら必要な道具は・・・中古でよければお渡しする事が出来ますが?」


受付嬢はそう言って奥の部屋から木箱を運んでくる。

中には使い古されたナイフやスコップなどの道具が入っていた。

受付嬢は木箱から中古のナイフとスコップに大きな袋を渡してくる。


「薬草採取に必要な採取スコップとナイフです。

大きな袋には薬草を保管して下さい。」

「この道具は使っても大丈夫なのですか?」

「それは冒険者達が買い替えた時にギルドに残していった物です。

お使いになって問題無いですが・・・

その中に武器や防具が無いので戦う事は極力控えて下さい。」

「わかりました。」


ルカは渡されたナイフとスコップをメンバーに配り


「それじゃ、小冊子を見ながら採取可能な場所を探しましょう。」

「小冊子に書かれた地図にも採取場所が書かれてあるけど?」

「まずはそこへ行ってみましょ。」

「その前に武器の入手をしたいけど・・・。」


「中古の武器ならあるけどお勧めしないわよ?」


そう言って使い古された片手剣と片手槍を見せてくれた。

鞘から抜きさした片手剣はボロボロで錆だらけだったし

片手槍も同じく放置されすぎて使えるか悩ましいほどだった。

それでも武器無しでは困るので少女達は片手剣と片手槍を手にし

お互いに頷き少しだけ安堵している。


「これで少しは戦える。」

「これでみんなを守れる。」

「私達は採取場所を探す事に専念できます。」

「そうですね、採取中が一番危険ですから・・・。」

「3人で採取し2人が周囲を警戒する。

贅沢な感じがしますが安全を確保しすぎてダメと言う事は無いでしょう。」


少女達は互いに頷き受付嬢に礼を告げてから薬草採取へ出かける。


それから数日後『青空旅団』の簡易陣地となる『開拓村』へ

追加の冒険者として向かう事になる。

『開拓村』になって追加でやってくる新人冒険者の物語。

登場人物の『ルカ』は新人冒険者の1人です。

他のメンバーはいずれ紹介します。

採取が得意な3人と闘う術がある2人の仮初のパーティー。

その為にパーティー名は未設定のままである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ