暮す場所を作ろう①。
数日後の晴れた日にジン達は街の南東で冬期間中に住む場所を探していた。
何度かギルドの受付嬢と現場を見に来ていたので
数か所の候補地はあるものの『青空旅団』のメンバーは話だけはしていた。
候補地の周囲はジンが草刈りをし20mx20mで広めに確保してあり
いつでも簡易陣地を作られるようになっていた。
「それでジン兄さん的にお勧めの場所はあるんですか?」
薬草採取場所が近く釣り場も目の前の候補地にて
焚き火で魚を焼いているチコが話しかける。
尚リコとソラとシロは焼き魚を頬張りながら話を聞いている。
「そうだね、どの候補地も似たり寄ったりだけど
街が近かったり薬草採取場所が近かったりと選べばきりがないかな?」
「それでしたらこの場所でいいと思いますよ。」
この場所は街からも街道からも離れており冒険者も近寄らないらしい
それに草刈りをして分かったことだが周囲は雑木林に囲まれており
『土壁』などで周囲を囲めば野犬などの侵入を防ぐことは容易にできそうであった。
「それじゃ、この場所に『青空旅団』の冬期間の簡易陣地を設営します。」
「はい!」
チコが返事をし焼き魚を頬張っているリコ達はコクコクと頷き
クロも静かに頷き周囲を警戒している。
この場所には野犬などの反応はなく川辺に数羽の水鳥の反応があるだけだった。
「それで広さはどれほど確保するんですか?」
「広さに制限はないみたいだけど・・・
今は20mx20mを草刈りしてあるけど最終的には50mx50mを『土壁』で囲みたいね。」
「2倍の広さを確保ですか・・・
雑木林の一部も敷地内に治めると言う事ですか?」
「冬期間に限らず薪の確保は重要でしょ?」
「なるほど敷地内で賄おうというわけですね。
『土壁』で囲めば野犬などの襲撃に合うことなく安心して薪拾い出来ますもんね。」
「そそ、薪拾いながら散歩するのも面白そうでしょ?」
「それなら『土壁』の修練として拡張しつつ最終的に敷地を拡大してみてもいいんじゃ?」
「拡張しても管理できないんじゃないかな?」
「最初は薬草採取場所を囲いながら雑木林も徐々に囲っていけばどうでしょう。」
「最初は住む場所の確保しなきゃダメでしょ。
ギルド裏で形成したように荷台を囲むように作ってからだね。」
「それなら『土壁』の作成は私とリコが担当します。
まだ住む場所を作るには『土魔法』のLvが足りませんし・・・。」
「そうだね、その時はソラとシロに同行してもらえれば僕も安心できるかな。」
「やはりこの辺にも野犬とかいるんですか?」
「この場所は草原と雑木林と川辺があるから野犬は近寄らないみたいだね。
どちらかと言えば大蜥蜴などの川辺を棲み処にしているモノたちが多いらしい。」
「それなら『土壁』を作成する前に草刈りした方がいいですね。」
「草刈りはソラとシロに魔法でお願いしようと思うけどいいかな?」
焼き魚を頬張っているソラとシロに話を振ると
『もごもご(大丈夫!)』と言いながら頷いているから大丈夫だろう。
リコもだけど1人2匹の焼き魚を食べてるんじゃないかな・・・。
しかも、焚き火にはまだまだ焼き魚が焼かれているし・・・。
チコも焼き魚が気になるのか焚き火をちらちら見ているし。
「それじゃ、住む場所は決まったしチコも焼き魚を食べなさい。」
「いいんですか?」
「あぁ、みんなが食べているうちに『土壁』で周囲を囲もうと思うからね。」
「はい!」
そう言って焚き火の焼き魚を美味しそうに頬張るのだった。
「焚き火を中心にして・・・『土壁』展開しようか。」
草刈りをした20mx20mに杭を打ち込み紐を張りまっすぐな線上に『土壁』を展開していく。
まずは1mの『土壁』を作り上げてから厚さと高さを増長していく。
イメージは防壁であり大蜥蜴の一撃に耐えれるようにし
『土壁』を展開しては圧縮し強固にしていく。
「まずはこんなものかな。」
20mx20mの『土壁』を数時間で作り上げ焚き火のそばに腰を下ろす。
「魔力は大丈夫ですか?」
「あぁー、大丈夫大丈夫。
少しだけ人より魔力が多いみたいだからね。」
「多いどころの話じゃないんですが・・・
熟練の魔法使いでも数時間魔法を唱える方はいないと聞きますが・・・。」
「コツさえつかめば誰でもできると思うけどね。
それにチコとリコも魔力値は多くなってきてるんじゃないの?」
「確かに・・・毎日の修練の成果でしょうか?
魔力枯渇することが減りましたが・・・。」
「このまま修練に励めば僕と同じことができるようになるよ。」
『土壁』で作られたはずなのにチコには石で作られた壁に見え
魔法の凄さを確認したのと同時にジン兄さんは凄いと再確認するのだった。
『土壁』でこの場の安全を確保したという事で
ジンは再び川辺で釣りを再開しようと考え
クロに周囲の警戒をお願いしてから川辺へ向かう。
「それじゃ、少し釣りをしてくるから2人は食べ終わってからでいいから薪拾いをお願いしていいかな?」
「「はい!」」
ソラとシロは2人に付き添いお願いね。
『『わかった~。』』
『この場は任せてね。』
「それじゃ、暗くなる前に戻るから魚楽しみに待っててね。」
「「『『はーい』』」」
この場から釣り場のポイントまでは歩いて数分の位置にあり
誰も釣らないのか入れ食いの様に次々と釣り上げていく。
釣った魚は仕留めてからアイテムボックスに保管していく。
10匹以降は数えるのを止め釣り続けていく・・・。
餌にしていた干し肉がなくなり帰ろうとすると
大蜥蜴に囲まれているのに気が付き「小柄な大蜥蜴?」と呟きと同時に
大蜥蜴がジンに襲い掛かる!
ジンは瞬時に釣り道具一式をアイテムボックスに保管し
『身体強化』と『速度強化』を唱える。
大蜥蜴の攻撃を避けつつMAPを展開する。
どうやら川辺のジンだけに狙いをつけて攻撃していることを知り
「単独行動は大蜥蜴に襲われやすいっと・・・・。」
こっそり心のメモ帳に記していく。
魔法で強化されたジンは川辺で足場が悪いにもかかわらず踊るように攻撃を避け続ける。
大蜥蜴に疲れが見え始めて初めてジンが攻撃を開始する。
魔力で強化されたジン拳に魔力を纏う『魔闘衣』を唱え
大蜥蜴の頭を殴っていく。
「回転を加え捻じる様に打つべし!打つべし!打つべし!!」
『どごぉ!どごぉ!!どごぉぉ!!』
ぶつぶつ呟きながら大蜥蜴を殴り続けていると
大蜥蜴は一目散にジンの目の前から逃げるように退散していく。
回転を加えての一撃は大蜥蜴の頭を内部から破壊しており
「これはやりすぎたかな・・・。」
頭を破壊された大蜥蜴3体をアイテムボックスに保管し
クロが待つ『土壁』だけの簡易陣地へと戻るのだった。
暗くなる前に街へ戻り引っ越しは明日に決め
その日は『串焼き』と『焼き魚』で晩御飯を済ませてから
ジンは冒険者ギルドへ赴き「明日、小屋建てを始めます。」と話すのだった。
この日の成果、チコとリコにより薪を確保。
雑木林と言う事で枯れ木が豊富で持てない木々はソラとシロのマジックバックに保管。
『土壁』内部に積み重ねられいつでも使えるようにしている。
大きい枯れ木はソラとシロがこっそり魔法で切断されていく。
ジンは23匹の魚を釣り上げアイテムボックスに保管中。
未調理の魚は豊富にあり調理されるのを待ち続ける。
大蜥蜴を追加で3体増えることになる。
みんなに内緒でギルドへ大蜥蜴を卸しながらアイテムボックス内を整理することになる。
大蜥蜴は常時最高10体しか補完しないことにして
解体し食料となった大蜥蜴の肉は大量にありチコ達の調理待ちになっている。




