↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫と旅する漂流者  作者: 與吉
PR
54/90

もうすぐ南の街②。

食後のジン達は昼の誘惑に負けそうになりながらギルドに戻ってきた。

昼頃に待ち合わせだったが少し早かったようで先程の受付嬢はいなかった。

昼時と言う事でギルド内には冒険者の姿も無く

どこかで食事中なのだろう・・・。


ジン達は依頼掲示板をみながら採取依頼の内容を見ていた。

採取の種類が分かれば街周辺の薬草を知る事が出来る。

MAPを展開し周辺の薬草採取場所を調べ終わっており

明日以降に採取しようかと考えていた。


「やはり薬草採取の依頼は結構あるね。」

「体力回復系の薬草が多い気がしますが?」

「この薬草は初めてみたんだけど・・・どういう薬草なの?」

「体力回復系が多いのは用途の多様性でしょうがないとして・・・

この辺では回復魔法を修得している冒険者などはいないと言う事なんじゃないかな?」

「回復魔法ですか・・・確かに攻撃魔法を修得する冒険者は多くいますが

回復魔法を修得している冒険者は冒険者ギルド全体では確かに少数ですね。」

「僕も初歩的な回復魔法は修得しているけど

基本的にポーションで済ませたりして使う機会は・・・無いわな。」

「ジン兄さん多彩すぎです・・・。

それにポーションで済ませるって言っても怪我しないじゃないですか・・・。」

「ジン兄さんがポーションを服用したのは食べ過ぎた時に『胃腸薬』が最後じゃない?」

「いやいや、その時はチコちゃんとリコちゃんも一緒に『胃腸薬』を飲んでたでしょ?」

「あの時の焼魚は美味しかった・・・。」

「おなかいっぱい食べたのはあれが初めて・・・。」

「僕も焼魚をあれほど食べたのは初めてだったよ。」

「リコちゃんが初めてみた薬草は『胃腸薬』の材料なんだけど・・・

冒険者ギルドでもあまり見かけない薬草のはずなのに・・・。」

「この街の冒険者ギルドかポーション屋では一般的に出回と言う事でしょうか?」

「それならギルドに次にポーション屋に寄ってみます?」

「ポーションの種類や値段も気になるし・・・面白いかも。」


ジンはそう言いながら薬草採取依頼の薬草をメモしていく。

チコとリコはそれ以外のを見ながらメモをしている。

ソラとシロはクロの甲羅の上で昼寝を続行しているし

クロはソラ達を起さないように静かにしてるし・・・。



暫らくするとジン達を担当した受付嬢が戻ってきて

解体スペースへ行き解説を交えて大蜥蜴の解体が始まる。

2mの巨大な大蜥蜴をギルド職員2人掛かりで解体していく。


「大蜥蜴は無駄なく皮膚から内臓まで全てがギルドに納品出来ます。

皮膚は革服から革鎧に籠手や革盾になりますし・・・

出来れば傷が少ない状態で納品してもらえれば報酬額も多めに支払われます。」

「冒険者ギルドではそれ以外でも骨は加工して武器に活用してます。

肉は食用になりますので露店や肉屋に宿屋でも大蜥蜴料理を食べれると思います。」

「最後に大蜥蜴の内臓は『調合』すればポーションの材料になります。

扱いが難しいので選ばれたポーション屋に卸しています。」

「大蜥蜴の肉の『ステーキ』や『串焼き』は絶品ですよ。

露店でも売ってはいますので街を旅立つ前に食してみて下さい。」


ギルド職員の解体をジン・チコ・リコがメモを取りながら見学している。

野犬や野うさぎと違い解体のやり方の違いがある。

それにギルドで解体しない場合の骨や内臓の取り扱いなど

ジンとしては面倒な事が多い事を知り・・・。


「自分らで解体するなら肉は食用にするとして・・・

皮膚の加工はギルドにお願いするしかないか・・・。

骨や内臓は自分らで使うには難しそうだし・・・

やはり処理するしかないのかな?」


大蜥蜴の解体を済ませてギルド職員はジンの話を聞き


「そうですね、大蜥蜴を食料として解体するなら骨や内臓は埋めてしまった方が良いです。

そのままにしておくと野犬などを呼びよせる危険があるので必ず埋めて下さい。」

「皮膚は剥ぎ取り後に『生活魔法』で綺麗な状態でなら暫らくは保存可能ですので

出来ればギルドへ納品してもらえればと思います。」

「もしくは、大蜥蜴の解体は冒険者ギルドにお願いします。」


ギルド職員からは解体する上での注意点を教えられ

受付嬢からは解体するなら是非ともギルドへと教えられた。


「それでしたら大蜥蜴を追加で3体卸しますので解体お願いしてもいいですか?」

「今からですと明日の午前中までかかりますが?」

「解体後にジンさんが必要な部位とかありますか?」

「それでしたら大蜥蜴1体分の肉が欲しいです。

出来れば食用可能な部位を仕分けしてもらいたいです。」

「それは可能ですが・・・部位を仕分けして渡すと言うのは?」

「簡単に言えば部位ごとに食べ比べしてみたいなと思いまして・・・。」

「何とも贅沢な・・・わかりました。

明日の午前中には解体終了すると思いますので

昼前までには解体スペースの方へおいで下さい。」


ジンはアイテムボックスから大蜥蜴を3体取り出すと

ギルド職員の2人が忙しそうに解体作業を始める。


「それじゃ、大蜥蜴の報酬をお渡ししますので受付カウンターの方へ行きましょう。」


ギルドとして大蜥蜴4体を確保できた事で受付嬢は嬉しそうにジン達に声をかけ歩きだす。

ジン達は部屋を出る前に解体をしているギルド職員達に一礼し退出する。


その後、先ほど解体した大蜥蜴1体分の報酬を受け取り

明日に大蜥蜴3体分の報酬を受け取る事になる。


「明日の昼前には解体が終わっていると思います。

大蜥蜴3体分の報酬はジンさん達の肉の分を差し引いた金額になります。」

「昼ご飯前にギルドを訪ねれば大丈夫ですね。」

「あのジンさん達は数日は街に滞在するんですか?」

「僕らの目的地は南の街だったんですが・・・。」

「『漁業が盛んな街』だった頃の南の街にですか?」

「それもあるんですがクロが冬眠する事が無いと言う事で南の街を目指していたんです。

まさか海の魔物騒動で街が引っ越ししているとは思っていなくて・・・。」

「クロさんと言うのは黒亀の事ですよね?

確かに南の街ならば冬期間の冬眠は不要だと思いますが・・・

今から南の街へ行っても宿泊する宿を確保するのは難しいんじゃ無いですかね?

街全体の引っ越しと言う事で最低限の宿泊場所は建造中だとは思いますが

今から街へ行っても新参者が泊れる場所があるかどうか・・・。」

「なるほど・・・冬眠しなくてもいい場所ではあるが

僕達が泊れる場所があるとは限らないと・・・。」

「その問題もあるんですが、漁業から農業へシフトチェンジした事により

食糧問題が深刻だと聞きます。各街から援助と言う事で食糧が運ばれているらしいのですが・・・。」

「住む場所の事も深刻なら食糧事情も深刻と・・・。」

「この街でも冬期間は暖かいので冬眠せずに過ごせると思うんですが?」

「それは最終手段と言う事で・・・。」

「そうなんですか、ジンさん達ならギルドとしては大歓迎なんですがね。」

「冬期間泊れるだけの資金も無いので街の外で野営しながら暮らしますよ?」

「それは森や草原で野営すると言う事ですか?」

「どちらかでいえば薬草が生い茂る場所かな?

薬草採取しポーション作成しながら春を待つつもりです。」

「街の周辺で野営する時はギルドへ相談して下さいね。

冬期間中は雪が降る事は無いのですが野犬や魔物が闊歩しているので・・・。」

「わかりました、その時はギルドに相談してから野営する場所を決めようと思います。」

「是非、お願いします。」


ジン達は受付嬢との話の中で南の街での暮らしよりも

この街で暮らした方が過ごし易いんじゃと思い始めていた。

もっとも街で暮らす事は無いと思うので

引っ越し中の開墾している場所で暮らすよりも

薬草採取が可能な場所でのんびり暮らす方が良いかもと思い


「まずは明日の午前中に報酬を貰ってから考えれば良いか・・・。」


基本的にジンはどこでも暮らせるので深く考えず


「のんびり暮らせるならどこでも良いです。」


チコも現状の荷台での暮らしに満足し


「河の近くならいつでも魚が食べれるかな?」


リコだけは住むなら河の側がいいと考えている。


ソラ達はジン達の話を聞きながら『寒くないならクロと一緒に暮らせる。』と話し

クロを囲んでソラとシロは色々話し込んでいる。


「去年は地下で薬草を育ててたけど今年は野菜でも作ろうか~。」


ジンの野菜作りにクロだけが『野菜作るの?』と反応し

ソラとシロは『肉がいい・・。』と呟き

チコとリコは「地下で野菜ですか??」と首を傾げている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。