旅の始まり②
ジン達はチコとリコを加え『青空旅団』と言う名のパーティーで活動を再開した。
名前の通り青空は青い毛並みのソラと白い毛並みのシロを表現し
旅団はクロに乗り旅をする事から名付けられた。
『サラタコス』を旅立ち街道を南下しているジン達だが
MAPを展開して緑マーカーの反応があれば採取に向かい・・・。
薬草採取や山菜採取を始めるのだった。
最初は街道を外れ草原を走りだしたクロにチコとリコが驚いていたが
ソラとシロが慌てていないを見て「これは普通なのかな?」と思っていた。
そして半日で2カ所目の採取場所へ到着後した頃には
クロちゃんとジンさんには採取場所を知っているのかも?と思う様になる。
チコとリコの姉妹は冒険者ギルドで見習い職員として働いていた。
主な仕事は冒険者が持ち込んだ品の鑑定や解体を行う事で
『無魔法』の『生活魔法』Lv1は修得していたが
『洗浄』という対象を綺麗にする魔法は1日3回が限界だったり
『灯火』という火を灯す魔法は小さな火種を数分維持する事は限界だったり
『湧水』はコップ1杯の水を作りだす事しか出来なかったりとか
冒険者御用達の魔法としては微妙な感じだったりする。
『解体』スキルは未修得だったのだが解体手順は修得済みだったので
何度も経験を積ませればスキルを修得可能な感じがした。
チコとリコは『生活魔法』を修得済みと言う事で次の魔法修得に
『無魔法』の『魔法障壁』と『魔法弾』を修得する日々の始まりである。
それとは別に休憩時や野営時にジンが使う『土魔法』での『土壁』が気になりだし
「あの『土壁』で囲うやり方は・・・聞いた事無いんですが?」
最初は薬草採取時に薬草の生い茂る場所を『土壁』で囲い
見張りも無しにジンが薬草採取をした時は驚いて声をかけれなかったが
1日に何度も『土壁』の運用が「これで良いのか?」と思い聞いてみた。
「『土壁』の活用方法は人それぞれだけど・・・
チコちゃんやリコちゃんの安全を考えれば必要な処置でしょ?」
「それでも広範囲での魔法の使用は魔力枯渇にならないか心配します。」
「それなら大丈夫だよ、毎日の魔力の修練で人より魔力が多いらしいから。」
「そうなんですか?」
「魔力や魔法の修練は毎日の日課で行った方が良いからね。
そうして自信の魔力値の限界を知る事も出来るし
何より魔力の向上に繋がる大事な事だから・・・。」
「修練すればするほど魔力値が上がる?」
「本当ならチコちゃんやリコちゃんには薬草採取をしないで
魔力や魔法の修練をして欲しいんだけどね・・・。」
「それでは冒険者と言えないんじゃないですか?」
「そうだね、それでは冒険者とは言えないね。
だから2人には薬草採取の合間に魔力や魔法の修練をして
少しでも早く魔法を修得して貰いたいかな。」
「魔法を修得したら・・・次は?」
「森での野営かな?」
「野営ですか・・・草原での野営とは違うんですか?」
「夜の草原と森では野獣の活動自体違うからね。
草原では野犬や黒犬などが多いけど・・・
森では野犬や黒犬以外よりも虫に注意が必要かな?」
「虫・・・虫除けや虫刺されのポーションが必要と言う事ですか?」
「森での活動は虫対策は必須だし虫の羽音で寝不足って事もありうるし
野獣に関しては黒熊や大熊の出現も気になるけど・・・
この辺では大蛇や斑蛇などの『人喰い蛇』などの肉食獣が多いらしいから
対抗手段は多い方が良いでしょ?」
「・・・ジンさんは黒熊と闘った事はあるんですか?」
「1度だけあるよ、『魔法障壁』で耐えながら殴ったかな・・・。」
「黒熊を殴った・・・?斬ったではなく??」
「残念ながら僕は武器を持ってないんだよ。
あるのは『解体』ナイフと『調理』ナイフだけだよ。」
「なるほど・・・それではジンさんは『格闘』スキル所持者なんですね?」
「正解!」
「武器が扱えないなら魔法で対処できたと思うんですが・・・
ジンさんが人より魔力値が多いなら魔法の効果も凄いんじゃないですか?」
「いやいや、魔力値が魔法の威力じゃないからね!
僕の場合と言うか・・・僕の『魔法弾』は飛ばす事が出来なくてね。
直接『魔法弾』を撃つというか殴る事しか出来ないんだよね。」
「『魔法弾』で殴る・・・?それで黒熊も殴ったと・・・?」
「そうなるかな・・・黒熊はでかくて強かったから
もう1度戦えと言われてら逃げるかもしれないね・・・。」
「・・・森で遭遇してら逃げ切れるものなんですか?」
「前回は冬期間中に遭遇したのと逃げる事が不可能だったからだし
今ならクロに全員が乗り込んで全速力で駆ければ逃げ切る事は可能だよ?」
「なるほど・・・クロちゃんは凄いんすね!」
チコは『土壁』の日壁で昼寝をしているクロの甲羅を撫でながら
「クロちゃんはカッコイイだけじゃないんですね。」と称賛し撫でていく。
リコちゃんは薬草の生い茂る場所を囲った『土壁』をぺたぺたさわりながら
「これも魔法なのか・・すごいな~。」と初めて見る広域魔法に興奮していた。
その後ろをソラとシロはぽてぽてと歩いていたのだが
『土壁』で囲う事はジン達にとっては当り前の事で『ほめられた』事でにこにこし
リコちゃんに『抱っこして~』と話しかけるのだが
当然リコちゃんには『にゃー』とか『わん』としか聞こえず
リコちゃんがしゃがんだ瞬間にソラとシロはリコちゃんの胸に飛び込むのだった。
「わ、びっくりした。
どしたの?いきなり抱きついて来て・・・・?」
『えへへへ(にゃー)』
『わぁーい(わん)』
「よくわからないけど可愛いなぁ~。」
ジンとチコが話している間にリコとソラ達が仲良くなっているのは嬉しいが
この薬草の生い茂ってる場所に到着して1時間もの間
誰も採取をしていない事にジンが気付き「そろそろ採取始めようか!」と慌てて合図をするのだった。
『土壁』で囲まれた安全な場所ではあるものの
ジンはMAPを展開し周囲を警戒しながら薬草採取をし
チコちゃんが採取するそばにはソラが待機し
リコちゃんが採取するそばにはシロが護衛をしていた。
「薬草は根をつけたまま採取してね。」
「「はい。」」
「薬草の混合だけは気を付けてね・・・。
この場所には良く似た薬草が2種類あるから。」
「あ、本当だ。葉の形が微妙に違う・・・。」
「『鑑定』しながら採取した方が良いのかな?」
そうだね、リコちゃんの言う通り『鑑定』しながら採取すれば
『鑑定』の修練にもなるし薬草も採取出来る!」
「それでは採取の途中に魔力枯渇で倒れるんじゃ??」
「ここなら倒れても大丈夫だよ。
『土壁』で野獣の襲撃に心配も無いし
今日はここで野営予定だから心配しないでいいよ。」
「「いやいや、心配するから!」」
暫らくしたらチコちゃんとリコちゃんは仲良く魔力枯渇で倒れ
ソラとシロが介抱しつつジンが食事の準備をするのだったが
この日だけでチコちゃんとリコちゃんは計2回の魔力枯渇で倒れる事になる。




