旅の始まり①
次の日、チコとリコは真新しい革の上下を装備し・・・
裾と袖を捲りながら装備していた。
「やはり革の上下は大きかったか・・・
捲れば着れない事は無いな・・・。」
「少しぶかぶかしますが良かったんですか?
私達には革の上下は勿体無気がするんですが?」
「ぶかぶか~」
「チコちゃんとリコちゃんの装備を揃えるのは僕の役目だし
布の上下では・・・もし何かあった時に不安になるからね。」
「ジンさんは討伐依頼はやらないって話していたと思うんですが?」
「薬草採取をメインばかりだけどね
採取中に野犬などの野獣に襲われる危険もあるし
何より荷馬車での移動中も気を抜けないからね。」
「・・・荷馬車での移動中も安全じゃないんですね。」
「移動中の周囲の警戒を忘れずにすれば後れを取る事は無いけど
そういう周囲警戒も追々覚えていけば大丈夫!」
「頑張ります!」
「がんばる!」
チコとリコの荷物は荷馬車の木箱に保管していたが
2人はクロの甲羅の幼木に身を任せて座っている。
荷馬車には誰も乗っていないので・・・
昼頃にはジンのアイテムボックスに保管するのだが
チコやリコが目の前でいきなり荷馬車が消えた事に驚き
「今のは魔法ですか?」と聞かれたので
ジンは小声で「内緒だよ。」と耳打ちするのだった。
クロの大きさも荷馬車並の大きさがあり
街道を走行中は他の冒険者や馬車の邪魔にならないように
街道の端により停車し休憩を多く取るようにしていた。
また、街道が混んでいる時は草原や森で薬草採取や山菜採取をしていた。
ジンはクロの甲羅の幼木を背もたれにし座りMAPを展開していた。
ソラとシロはチコとリコが抱っこしながら撫でており
「えへへ、かわいい」とか「シロちゃんもふかふか」とか聞こえてくる。
街道を順調に進んでいたるジン達であったが
1km圏内に緑マーカーの反応があり「薬草かな・・・?」と思い
「クロお願い、西へ進路変更して。」
『薬草採取するの?」
「それは行ってみないとわからないけど何かありそう。」
『了解~。』
クロに街道を逸れて方向を西に移動してもらう。
いきなり街道をそれクロが草原を走りだしチコとリコが吃驚しているが
そこはソラとシロの『にゃー』『わん』を吠えると
「大丈夫って事かな?」とチコがソラに話しかけると
ソラとシロがコクリと頷き「そっか、大丈夫ならいいか~。」と
再び腕の中のソラとシロを撫でまくるチコとリコだった・・・。
「あのこの先に何かあるんですか?
進路変更後に真っ直ぐ進んでいるようなんですが・・。」
「僕達が薬草採取をするって昨日教えたと思うけど
これから薬草の生い茂る場所へ向かいますが
到着してみないと何があるかわかりません・・・。」
「・・・何があるか分からないけどというのは?」
「確かにそこには何かがあります。
それは確信してますが、薬草なのか山菜なのかは不明と言う事です。」
「それはジンさんの力と言う事ですか?」
「勘みたいなものと考えて貰った方が良いかな?
経験に基づく行動と考えて欲しいかな。」
「わかりました。到着を楽しみにしてます。」
「あの確認なんだけど・・・いいかな?
チコちゃんとリコちゃんは薬草採取の経験はあるの?」
「私達2人はギルドから出た事が無いので・・・未経験です。
薬草の種類とかはギルドの仕事で教えて貰いましたが・・・。」
「それなら薬草がどんな状態で採取されているかは知っているんだね?」
「はい、私もチコもギルド教えて持ってます。
2人とも『鑑定』スキルは修得していますから大丈夫だと思います。
それと『解体』も少しだけなら経験がありますが・・・
『解体』スキルを修得するだけの力も経験も無く・・・。」
「そうかそうか、『鑑定』スキルを修得しているなら即戦力だよ!
『解体』スキルは少しずつ経験していけば習得できるはずだし!!」
「そうなんですか?経験してスキルを修得するんですか??」
「そのはずだよ、僕らは毎日の朝錬で魔力や魔法を覚えたし
冒険者なんだから身体を鍛えた方が安心できるしね!」
それを聞いたチコがシロを抱きしめたまま
「チコも魔法を使えるようになるの!!」
っと前のめりにジンに聞いてきたのでチコの頭を撫でながら
「そうだよ、日々の修練は自分を高めてくれる。
チコちゃんが毎日コツコツと修練すれば魔法を修得する事が出来ると思うよ。」
「おぉ、チコ魔法使いになる!」
嬉しそうなチコを見ながら隣に座るリコが苦笑した表情をしている。
「リコはチコが魔法を修得するのは反対とか?」
「そう言う訳では無いんですが・・・
私達『猫耳族』は魔法が人よりも少ないんです。
その為なのか魔法を修得するにも時間がかかり・・・
チコが次第に魔法を覚える事を諦めてしまう気がして・・・。」
「そう言う事か・・・それなら大丈夫だと思うぞ。
僕が魔力や魔法を教えて貰ったのはソラからだし
今もソラから魔法の事を教えて貰っているから
リコちゃんやチコちゃんもソラから教えて貰うけど・・・?」
「「本当に?ソラちゃんから魔法を教えて貰えるの??」」
『もちろん!』
それを聞いたソラはコクリと頷き「にゃー」と答えた。
それを聞いたシロも『一緒に教える』と言い
チコと「これからソラちゃんとシロちゃんは魔法の先生だね~。」
リコは「よろしくお願いします。」とシロを撫でながらお願いするのだった。




