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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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旅立った街の人達。

『クラシラス』から南の街『アリスリセ』までは馬車でも数カ月という事で

冒険者ギルドで護衛依頼の仕事をしながら向かう事になるのだが

ジン達は冒険者としてはギルドランクEということで

護衛依頼の受理受託は無理という事で次に集落まで薬草採取をしながら向かう事になる。

もっとも『クラシラス』周辺での薬草採取場所は地図に書き記し

ジンのMAPを展開せずとも採取場所へ向かう事が可能だった。

問題は街とかなら冒険者ギルドは存在するが

山間部の農村などの小さな集落では『調合』した品や

討伐した獲物などを用い物々交換という感じで

ランクの低い冒険者達は旅を各街へ移動するらしい。

お金の余裕がある場合は辻馬車などを活用するらしいが

ジン達は黒亀のクロが育ち過ぎた為にギルドからも辻馬車は断られてしまった。

そのかわり冒険者ギルドからは中古ではあるがクロ用に荷馬車を格安で譲ってもらい。

荷馬車を4輪にしたり壊れそうな部分を補強補修をしたり日除けの屋根を設置したり

荷物を積み込むはずの荷馬車内はジン達が生活出来る様に改造しまくった。

さすがに荷馬車内で料理する事は無理であったが食事や寝る事は十分可能で

ジン・ソラ・シロ・小さくなったクロが並んで寝れる布団が敷けるように

生活空間をギリギリまで活用した内部になっていた。

中古荷馬車はジンの手により荷馬車の形をしたキャンピングカーへと進化するのだった。


3mのクロに3mの荷馬車が取り付けられ『クラシラス』を旅立つ日に

ギルドマスターのローランドから南の街までの地図を渡された。

地図と言っても街道沿いの農村や街などが記されていたり

その中でも地図上に黒く塗りつぶされている個所があるので

「この真っ黒な場所には何が?」と聞いてみると

「そこは魔物の『氾濫』で近づく事が不可能になった場所だ」と教えてくれた。


「『氾濫』・・・?取りあえず近づかなきゃいいのかな?

それとも接近するのも止めた方が良いとか??」

「そうだな、この地図は50年以上昔に書かれた物だが

今どうなっているか知る者がいないし知ろうと思う物のいない。

実際今も魔物たちが大量に存在しているとしたら危険というか脅威でしかない。」

「それなら遠回りでも安全な道を通った方がいいな。

こも塗り潰された場所から魔物が出てくる事は無いの?」

「それに就いては大丈夫だ。

当時のランクB以上の冒険者達が魔法の壁で封鎖したから問題無い。」

「凄いんだね、それにしても50年経っても魔法の壁が機能してるのか・・・

僕の魔法では不可能な領域だな・・・。」

「なんにしてもジンさんらが『クラシラス』から旅立つのは寂しいが

南の街『アリスリセ』でも元気に冒険者をやってくれい!」

「はい、のんびり冒険者やって行きます!」


ジンはクロに乗り込みローランドに手を振り

「それじゃ、また~♪」と挨拶をしクロが駆けだしていく。

街の中ではゆっくりと街を出れば少しずつ速度を上げ街道を南へ向かう。

馬車よりも小回りが利き、馬よりもスタミナがあり

手を振るローランドも見えなくなるジン達を眺めながら

「将来有望な冒険者が行ってしまった・・。」と呟くのだった。

そして最後に「ギルドランクを上げるのを忘れた・・・。」と思い

「まぁ、いいか・・・。ランクEでもジンなら問題無かろう。」と考え

冒険者ギルドに戻るのだった。

本来であれば野うさぎ亜種や白狼と大狼の討伐に

黒熊亜種を倒し冬期間に大量の薬草やポーションの納品など

ギルドランクをEからCへ上げる事も可能だったのだが

アロスやシオン、オズマ達からジンがギルドランクが上がる事を望んでいたいと教えられ

色々考えているうちにランクEで送り出してしまっていた。



『クラシラス』の宿屋『はちみつ熊さん』でも

アロスとシオンがジン達について話し合っていた。


「それにしても面白い冒険者だったな・・・。」

「ジンの事かい?彼は冒険者というより商人というか職人が似合う感じがしたな。」

「確かに朝の修練をかかさずギルドの依頼も薬草採取ばかりと思ったら

部屋に戻りポーション作成をしたり・・。」

「しかも、ポーションはギルドの依頼としてではなく

売り物として扱ってたね・・・最初こそ依頼として納品してたけど

数が多くなるにつれてギルドに販売するとは・・・。」

「ギルドとしては助かったんじゃないかな?

常時定期的にポーションや薬草が手に入ったんだし」

「彼なら独立してポーション屋や薬屋になっても面白そうだが?」

「クロと荷馬車があるから街に留まるより旅をしながら暮らしていくんじゃない?

美味しい物が好きで買い物が好きなら街暮らしはしないんじゃないか?」

「違いない、冬の草原で数カ月暮らせるなら街で生活する必要無いしな!」



冒険者ギルドの解体スペースにて

オズマ、カラーズ、キースもジンの事を話しながら

野うさぎの解体作業をしていた。


「まさか旅立つ直前まで草原で依頼をこなすとは・・・

ゆっくり旅の準備をしなくて良かったのかな?」

「それなんだが・・・今解体している野うさぎはさ・・・

ジンさんが倒したのではなくソラとシロが倒したみたいなんだわ。」

「あぁ、それで魔法で仕留めた傷痕があったんですね・・・

頭部に魔法で貫いた痕が・・・しかも一撃で急所攻撃。」

「恐ろしい精度で撃ち抜いたとしか・・・

普通の子犬や子猫じゃなかったんですね。」

「それにしても『クラシラス』で半年以上生活しているはずなのに

ソラとシロは成長が止まったみたいに大きくならないね?」

「あぁー、そういえばそうですね。

もしかして『あれ』ですかね?

魔力が多すぎると成長が著しく低下するってやつじゃ?」

「もしかしなくても『あれ』な訳が無いと思うが・・・

『あれ』は魔力が大きくなるとと言われているが・・・

ランクA以上の冒険者並みの魔力量にならないと『あれ』にならないと言われているぞ?」

「それならソラやシロは魔力量だけはランクA以上という事ですか?」

「それを言ったらジンさんだって同じじゃないか?

半年前から成長が止まってみたいに若々しいじゃないか・・・。」

「まさか揃って『あれ』なのかな?」

「もし『あれ』だとしたら1カ所に留まらず旅をしながら過ごすのが1番なんだがな。」


この『あれ』という現象は魔力量が多すぎて生じるもので

年老いても大きすぎる魔力が自身の身体を維持しようと若いままになり

一部の者達から『あれ』の事を『神様からの『祝福』』と言われていた。


過去に何人もの冒険者が『神様からの『祝福』』で若い身体を得たという逸話があった。


その冒険者は高齢になっても老いる事無く冒険者を続け・・・

最後には家族や仲間がいなくなっても生き続けたという話だった。


また、いつまでも若い身体維持している冒険者は新しい街の作り上げたり

ダンジョン攻略や塗り潰された大地の攻略をしたり

冒険者然とした生き方をした者達の話もあった。


もしも、ジンさん達が『あれ』ならば・・・

この先どうなるのだろうと思いながらも・・・

何も変わらず『のほほん』としそうだなと思うのだった。

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