のんびり待つ春と成長したクロ。
簡易小屋『大岩』での生活も3カ月が過ぎ
春まで残り1カ月になった頃に
オズマさん達が黒熊の報酬を持ってきた。
既に1カ月ごとに簡易小屋を訪ねるという前提は無くなり
月2~3度はギルドの納品に関わらず来るようになっていた。
今回は薬草とポーションの報酬とジンに頼まれた食糧などが届けられた。
その中でも乾燥野菜や果実もあったり少しばかり果実酒もお願いし
報酬の大半を食料品で届けてもらっていた。
「それにしても黒熊は予想以上に報酬額が良かったんですね~。」
食料品が多すぎてオズマさん達はアイテムバックで運んできた。
ジンはアイテムバックの中身を記された別紙を見ながら面白い物を見つけた。
「この革1式というのはなんですか?」
別紙を見ながらカラーズさんが「どれどれ・・・」と見ながら
「それは革の上下の補修用に持ってきたんだよ。」
「補修用・・・自分で直せという事ですか?」
「革の上下とかは冒険者の装備としては安値な物だが
それでも1年でキズだらけになったり破損する可能性があるからね。
自分で補修や補強は覚えておいた方が今後の為にも良いからね。」
「それで針や紐も記載されてるんですね・・・。」
「まずは破損した革の上下を補修してみてはどうですか?
ボロボロになった個所を補修していくというのは?」
「なるほど・・・補修しつつ・・・それが修練にもなると・・・。」
確かに革1式に針に紐と鋏があるし・・・すぐにでも補修可能か・・・。
「春までに革の上下の補修をしながら過ごすか・・・。
食糧は大量に手に入ったし無理せずやれる事をやるか~。」
「無理しなくてもいいのでポーションの納品もお願いしますね。」
「それなら大丈夫ですよ、一定数はポーション確保してるし
今回の臨時買い取りが最後なのかな?」
ジンの最後の買い取りを聞かれオズマさん達が相談を始める。
「それについて何だが・・・
雪解けまでに10~15日に1回は買い取りに来たいんだが・・・」
「前にイースさん達が北部の街での大型の魔獣の話を聞いたと思うが
今現在も討伐出来ずに魔獣が増え続けているという・・・」
「冒険者ギルドからも冒険者を派遣しているんだが
回復アイテムが品不足と言われてな・・・催促の連絡がギルドに来たんだわ。」
「それで定期的にポーションをお願いしたいんだ。
もしくは薬草の納品をお願いしたいんだが・・・。」
「それなら街へ帰るまでオズマさん達が薬草採取してみる?」
「え、いいのかい?」
「あそこはジンさんの秘密の場所だろう?」
「地下室=秘密の場所と言う訳ではありませんよ。
もっとも今は地下で暮らしているから秘密の場所と言えばそうなのかな?」
「私達が薬草採取してもいいと言うなら採取を教えてもらえないだろうか・・・。
我々は討伐や解体は自信を持てるんだが薬草採取に関しては素人だし
もしも、我々が採取した薬草に問題があっては困るし・・・。」
「「おねがいします、御指導のほど(ぺこり)」
オズマさん達が頭を下げて採取を教えて欲しいと言ってきた。
・・とはいえ薬草採取の良し悪しと言われてもと思い
「それなら最初は一緒に採取してみますか?
そんなに難しい仕事でも無いし僕のやり方が一般的かはわからないですが・・・。」
「いえ、ジンさんが採取した薬草は評判が良いので問題無いです。」
「そうですか・・・それなら薬草畑へ向かいましょうか。」
「「「はい、おねがいします。」」」
その後4人は地下2Fの薬草畑で薬草採取をするのだが
解体作業で従事しているので細かな仕事は得意なのだが
薬草採取は解体作業より繊細な仕事な上にジンの教え通りに
完全に根を付けたまま採取するので中々難航している。
難航していると言っても10本1束採取を終えた頃には問題無く
オズマさん達が街へ帰るまでには10本1束の薬草を6束採取し戻る事になる。
春までオズマさん達は薬草採取をし
例年以上の薬草とポーションを冒険者ギルドは所持する事になる。
そして、春になっても北部での大型の魔獣は討伐されたが
魔獣が1体で無く複数確認され今現在もギルドには北部への討伐依頼が提示されていた。
小春日和のとある日、地下3Fからクロが冬眠から目覚めた。
黒い見た目で冬眠前より少しばかり成長し大きくなっている。
そして、成長し変わった所がもう1つあった・・・。
それは黒い甲羅に小さな苗木の様な幼木があった。
「おはよう、冬眠明けでお腹が減ってると思うけど
甲羅に木が生えているんだけど・・・それは何かな?」
『甲羅に木・・・?なにそれ??』
クロは寝起きでぼんやりしていたが甲羅の木の事は知らないようだ。
ソラとシロは大きく育ったクロの甲羅に生える木を見つめ
『ホントに木が生えてる・・・不思議だ。』
『くろおおきくなった~。』
『黒亀が木が生い茂るを聞いた事ないけど
黒亀からの進化なのか・・・それともクロが特別なのか・・・。』
『きがおおきくなればひるねがたのしみ~。』
『そうだな、木が大きくなれば木陰で昼寝出来そうだな。』
『きがおおきくなるといっしょにまちにはいれなくなるのかな?』
『それは大丈夫じゃないからクロは魔法で大きくも小さくも大きさを変えられるし』




