北部騒動とポーション。
オズマさん達が再びやってきた。
1ヵ月後の予定のはずなのに・・・・
しかも、今度は5人で多分ギルド関係者だと思うのだが・・・?
犬ぞりに5人がぎゅうぎゅうと座っての移動だったらしく
犬たちが簡易小屋『大岩』に到着後は息も絶え絶えになり
ソラとシロから『ポーションか回復魔法をお願い』と言われたので
犬達にポーションを飲ませた上で犬達を撫でながら回復魔法を唱える。
ポーションと回復魔法の効果で元気になり「そわそわ」しだしたので
ジンは「ソラとシロと一緒に遊んできていいよ」と話すと嬉しそうに駆け出した。
「それで今日はどうしたんです?
次のポーションの納品は1ヵ月後だと思ったんですが?」
「本来なら1ヵ月後に来るはずだったのだが
ギルドにこの場の薬草のことを報告したら確認したいといわれてな・・・
断り切れずと言うか・・・なんというか・・・。」
オズマさんが気まずそうに声が小さくなりながら話してくれた。
キースさんやカラーズさんも同じく気まずそうな顔をしている。
新たに訪れた2人だけはジンが犬達にポーションを飲ませたことに驚き
「なんで犬にポーションを飲ませるんだ」とか
「ポーションの在庫があるのか」と小声で話している。
「それで何か用があるんですか?
それと貴方達は誰ですか?」
ジンに声をかけられた2人は「そんなことも知らないのか」という顔で
「冒険者ギルドのイースとナイツだ。
ギルド内の買い取りと鑑定をしている。」
「主にギルド内での仕事になるのかな
何度かギルド内で見かけたこともあるはずなんだが?」
そう言われてもジンはギルドでは受付カウンターで全てを済ませているので
ギルドの受付嬢は覚えていても個々のギルド職員は記憶していなかった。
2人ともギルド職員ということだったが見た目は冒険者というより
役所などの事務員いう感じで細身な体躯だった。
「そうなんですか・・・覚えてません。
それでイースさんとナイツさんが来たという事は
薬草かポーションに不備でもありましたか?」
「いえ、それはありません。
逆に薬草もポーションも状態が良く問題はありません。」
「それでは何故2人が来たんですか?」
「ジンさんのポーションの納品の数の増加をお願いしに来ました。」
「それが無理な場合はギルドに薬草の採取の依頼をして貰いたく来ました。」
イースさんとナイツさんが真剣な表情で話しているが
当のジンはそこまで薬草やポーションに拘るつもりは無く
少し考えるてからオズマさんらを見ると3人とも首を振っているのを見て
「あのポーションの納品を増やすもギルドに依頼をするのもお断りします。
この場での薬草採取やポーション作成は冬期間中の仕事としてやってきたものです。
最近まで白狼や大狼の襲撃などで一時危ない無い時もありましたが
今では白狼や大狼をギルドに納品した事もあり薬草やポーションの納品数を減らすつもりです。」
「それでは次回から薬草やポーションの納品数が減るということですか?」
「そうです、薬草やポーションの売り上げに加えて
白狼や大狼の毛皮の売り上げが予想以上の値になったので
少しはゆっくり過ごそうかと・・・。」
「それは困ります、最近北部の街で大型の魔物溢れ出しており
緊急に薬草やポーションが必要なんです!!」
「ジンさんが前にギルドに持ち込まれた黒熊と同等の魔物ということで
北部では回復アイテムが必要な状況になっているんです!!」
イースさんとナイツさんが「北部で必要!」と声を上げているが
2人後ろにいるオズマさん達は微妙な顔をして話を聞いている。
どうもイースさん達とオズマさん達が違う反応をしているのが気になり
「オズマさん達の意見も聞きたいんですが?
今の2人の話は本当の事ですか?」
いきなり話を振られオズマさん達は慌て始めるが
ジンが「本当の事を教えてください。」と思い
「半分本当の事だな、北部に大型の魔物が現れたのは本当だが
回復アイテムが必要というのは初めて聞いた。」
「冒険者ギルドでも北部の街からの魔物の盗伐依頼があったからな
魔物の事は本当だがポーションの買い取りに関しては大量に納品を求めてはいなかったはずだ。」
「それにポーションの買い取りや納品は常時依頼があるものの
特定の冒険者向けという事で報酬額も量も変化がないはずだ。」
「もしも、北部の街で回復アイテムが必要という事なら
冒険者に通達しているはずだしな・・・はっきり言って今初めて聞いた。」
「・・・っと言ってますが?
出来れば本当の事教えてもらいたいんですが?」
イースさんとナイツさんは「がっくり」と肩を落とし話し始めた。
それはジンから大量のポーションを買い取り個別に北部の街で売り捌くというものだった。
それを聞いたオズマさん達は「どうする、ギルドに報告するか?」と聞いてきたので
「いえいいです、そういうのはオズマさん達にお任せします。
ギルド内部の事なんで僕は関わりたくないです。」
「そうか、それでどうするんだ?
やはりポーションの納品を減らすのかい?」
「襲撃もなくなり暮しやすくなったのでのんびりしようかと・・・。」
「次の納品は1ヵ月後と言う事だがポーションの納品数はどれくらいになる?」
「そうですね、1日ポーション10個ですが・・・
休みを取りつつなので1ヵ月で150個前後だと思います。」
「薬草の納品はどうする?」
「薬草の10本1束の納品は次回からは無しでお願いします。」
「それはどうして?忙しいとかかい?」
「忙しいのもありますが・・・成長した薬草がどうなるのか知りたいので・・・。」
「成長した薬草??花が咲くんじゃないの?」
「その先を知りたくてね・・・花が咲くなら薬草の種が手に入るかもしれないし~。」
「まぁ、よくわかんないけど頑張れ!」
「頑張るのは苦手なので程々で頑張ります!」
この日のオズマさん達はギルドに報告することが多すぎると
イースさんらを連れて急ぎ街へと帰っていった。
それにしても北部で黒熊が現れたのを知り
次は前よりも効率よく倒すことができれば良いなと思いながらも
北部は危ないから春は北部以外に向かう事を心に決めるのだった。




