美味しい『串焼き』と。
「それにしても本当に『串焼き』がこれ程美味しいとは・・・。」
「露店の『串焼き』とは別物になってるし・・・。」
「味付けは同じな気がするが・・・『串焼き』なのに高級料理っぽいな。」
昼ご飯の白狼と大狼の『串焼き』をオズマさん達3人は凄い勢いで食べていく。
ソラとシロは暖炉の前で今回も犬達と食事をしている。
勿論ソラ達にも同じ『串焼き』を食べている。
「この『串焼き』の味付けは露店のとは違うみたいだけど?」
「確かに露店の味付けよりも繊細な気もしますが??」
「繊細でありながら深みがある味わい・・・。」
「この味付けは『料理』を教えてもらった宿屋のオーナーさんに教わったんですか?」
「はい、僕の『料理』の師匠ですから!」
「なるほど・・・露店の味と言うより宿屋の料理人の味付けと言う訳ですか・・・。」
「この味なら宿屋というより高級料理屋の味ですよ。」
「これは街へ戻ってからもジンさんが宿泊していた宿屋へ行かねば・・・。」
「あぁ、泊りに行くというより食事をしに行きたいな。」
オズマさんが味わう様に『串焼き』を頬張り
カラーズさんとキースさんが両手に『串焼き』を持ち次々と食べていく。
調理済みの『串焼き』が信じられない速度で消費していく・・・。
一応、パンや煮込みスープ等もテーブルに並べられていたが
満足いくまで『串焼き』のみを食しオズマさん達は満足げにお腹をさすっていた。
「いやー、まさか大皿に盛りつけられた『串焼き』の山を全部食べてしまうとは・・・。」
「この串の数は・・・・30本以上は食べた気がする・・・。」
「ジンさんごめん、夢中になって食べてしまった・・・。」
「いえいえ、美味しかったのなら問題無いです。
まだ解体前の白狼と大狼を保管してますし大丈夫ですよ。」
それを聞いてオズマさん達は「ほっ」とするのだが
串の山を見ながら「「「それでもたべすぎだ・・。」」」と思い
「次にここへ来る時に何か欲しい物でもあれば取り寄せるが?」
「そうだな、この料理のお礼がしたい!」
「ギルドへの報酬とは別に食事の礼として!」
「お礼と言われても・・・ここでの食事は当り前の事と言うか・・・。」
いきなりお礼と言われ「どうしたものか・・・。」と思っていると
話を聞いていたソラが『革の上下の替えとかは?』と聞いてきた。
シロも同じように『あたらしいふくがいい~。』と話し
「それならボロボロになった革の上下の替えをお願いしてもいいですか?
それか革の上下を補修する道具でもいいですが・・・。」
ジンが壁に掛けられたボロボロの革の上下を見つめながら話していたので
オズマさん達も同じくボロボロの革の上下を見つめ・・・
オズマさんは「同じ革の上下を買い替えるのは良いかも」と考え
カラーズさんは「『串焼き』の値段より格安なんじゃ?」と思い
キースさんは「革の上下と補修用の道具一式を送っても申し訳ない気が」と思い
3人は声を揃えながら「「「それでいいのであれば・・・」」」と話すのだった。
「それでは次のギルドの臨時買い取りは1ヶ月後ですか?」
「そうですね、次は1ヶ月後を予定してますが・・・
地下2Fの薬草畑の件がありますしギルドと相談してみない事には・・・。」
「もしかしたら、ポーションとしての納品とは別に
薬草採取と言う感じでギルドからお願いする事がある気がします。」
「それともギルドからポーションを調合出来る職員か冒険者を派遣するとか?」
「どちらにしろ、ギルドとしてお願いに来るかもしれません。」
「ここへギルドから職員か冒険者が来ると言う事ですか?」
「可能性があるかもしれないという事です。
それに街では冬期間中という事で依頼も無く
ギルドの2Fの相部屋に宿泊している冒険者もいますし・・・。」
「ポーション作成出来る冒険者もいますし」
「冒険者全てが討伐出来る者達だけでは無く
自ら採取しジンさんの様にポーション作成する者もいます。」
「どっちにしろ何かあれば教えて下さい。
それと黒熊は今渡しても大丈夫ですか??」
「そういえば黒熊の『解体』をお願いされてましたね。」
「黒熊の大きさはどれくらいなんですか?」
「このテーブルより・・・大きいですか?」
キースさんは目の前の3mx1.5mのテーブルを指さし黒熊の大きさを計ろうとし
ジンはテーブルと黒熊との大きさを比べて・・・。
「腕を広げればこれより大きかった気がするが
身体だけならテーブルと同等の大きな気がする・・・。
この場でオズマさんに渡せばいいですか??」
目の前のテーブルの大きさとマジックバックの積載量を考え
「ギリギリの大きさか・・・」
「もしもの時は外で『解体』して保管しても・・・」
「とりあえず、簡易小屋の外で取り出してもらえればいいかな。」
「わかりました。街へ戻る直前に渡しますね。」
その後、食後の昼寝をした犬達とソラ・シロが目覚めてから
簡易小屋の外で黒熊を取り出しオズマさん達は一路『クラシラス』へ帰還するのだった。
ジンはアイテムボックスの黒熊をギルドに『解体』をお願いする事が出来たし
秘密にしていた訳ではないが地下2Fの薬草畑も事も教えたし
『串焼き』を御馳走し『革の上下』を買い替える事が出来そうだし
「『串焼き』のストックが切れたから早速調理しなきゃなぁ~」
『白狼と大狼の『串焼き』を作るの??』
『「くしやき」すき~~』
「未解体の白狼と大狼がアイテムボックスにいっぱいあるからね!
次のギルドの臨時買い取りまで1カ月あるしね。
それまでポーション作成より修練や調理を優先しよう。」
ジンの話を聞きソラとシロは嬉しそうに頬ずりし
ソラはジンの頭の上でしっぽを振り
シロはジンの肩に立ち頬をぺろぺろと舐めている。
「それじゃ、夕方まで『解体』しましょ。
アイテムボックスの野うさぎも一緒に『解体』しよう。
『串焼き』も美味しいけど煮込み料理やステーキも食べたいしね。」
『おぉ~、煮込みにステーキも好き~。』
『すき~』
「今日の晩ご飯は豪華にしようか~」
『『おぅ~』』
この日の夜、『クラシラス』の冒険者ギルドでは2つの問題が発生していた。
それはジンから渡された黒熊の『鑑定』結果なのだが・・・。
結果内容は冒険者ギルドの極秘事案となりオズマさん達もジンに伝える事は無かった。
ジンには黒熊が高値で納品した事だけが伝えられる。
それとジン達のいる簡易小屋『大岩』の地下2Fの薬草畑の事も話題に上がり
定期的にポーションの納品が可能になった事を喜んでいたのだが
次にジン達の元へ行くのが1ヶ月後と言う事で急きょオズマ達3人が向かう事になる。




