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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
26/90

冬期間は街の外で。

次の日のジン達は久しぶりに宿屋で休めた事もあり

少し遅めに起きる事になり朝ご飯をギリギリに食する事になる。

朝練もこの日ばかりは休む事になり食後も食堂でまったり過ごしてからギルドへ向かうのだったが

ソラやシロは『東の森』での探索で疲れたのか

食後はジンの腕の中で丸くなり眠っている。

クロは食後ジンの足元で身体を休めており

ジンもまた食堂で紅茶を飲みながら気が付いたら眠っていた・・・。


「それにしても食堂で座りながら寝てしまうとは・・・。」


ジンは冷めて紅茶を一口飲み腕の中のソラとシロを撫でると

眠っていたソラとシロは目を覚まし身体を伸ばし

ソラはジンの頭の上へシロはジンの方へ移動し


『ゆっくり眠った~』

『んー、ねむった~』


ソラとシロの声でクロも目を覚まし『きゅー』と鳴きながら

ジンを見上げながら『おはよう~』と声をかけ


『それでギルドへ行くんだっけ?』

「あぁー、そうだよ。

灰犬と黒犬の解体をお願いしてあるし

何よりクロの『冬眠』についての詳しい話も聞きたいし・・・。」

『『冬眠』は『東の森』でなくても大丈夫だと思うけど・・・?』

「それも含めてギルドで話を聞きに行こうか~」


ジンは厚手のマントを纏ってからクロに騎乗しギルドを目指す。

ソラとシロは肩掛けバックに入れ寒くない様にしていた

冬期間前という事で肩掛けバック内は『野うさぎの毛皮』を敷き

ソラとシロはバック内でぬくぬくと過ごしている。

勿論バックから頭をちょこんと出してはいるが・・・。


『『串焼き』や『焼き鳥』は買わないの?』

『ろてんは?』

「買い物はギルドに行ってからね~

買い物するにもお金が心もとない・・・。」

『『串焼き』や『焼き鳥』は森で食べたのを

また食べれるの・・・すごい楽しみ』


クロは『東の森』で食べた『串焼き』や『焼き鳥』の味を思い出し

目を細めながら口元には涎が・・・。


「それじゃ、冒険者ギルドへ行こうか。」

『『『おぅ!』』』

「街中だから走る速度はゆっくりな~。」

『了解!』


宿屋から冒険者ギルドまでの道程をクロはゆっくり眺めながら歩いていた。

『クラシラス』では黒亀が珍しいのかクロの歩く姿を注目していた。

クロは住民達が見つめているのを気が付いていたが

ジンが歩きながらクロに街の説明をしており

気にはなるがジンの話の方が面白く冒険者ギルドまで「あっ」という間に到着していた。

ジンの説明にソラとシロも同じく街の説明をし・・・

いあ、街の説明というか露店の商品の説明をし・・・

美味しい露店の商品説明のたびにクロの足が止まるのだが

ジンの後で露店巡りをした時に買って帰ろうな~と言い

ジンはギルドの帰りに露店で『串焼き』や『焼き鳥』を大量購入する事が決定するのだった。


昼前に到着した冒険者ギルドは人も疎らでギルド職員が事務仕事をしていた。

冒険者ギルド内は騎乗禁止になっておりクロはジンに抱かれながら移動していた。

魔法で大きさを変えれるクロは今は50㎝台の大きさになっていた。


「しかし、大きさを変えると重量も変化するとは・・・。」

『森の中では小さくなって隠れるくらいしかした事無かったけど・・・

まさか小さくなると軽くなるのは知らなかった・・・。』

『その大きさなら一緒にバックに入れるね~』

『そうだね~』


小型になったクロをソラとシロはニコニコしながら話しかけている。



ギルドへ入ったジンは受付嬢の元へ行き


「おはようございます、灰犬と黒犬の解体をお願いしたジンですが・・・。」

「おはようございます、解体は完了しております。

解体料金は現物での支払いという事でしたが?」

「はい、欲しいのは食料ですし毛皮も多少欲しいですね・・・。」

「ジンさんが持ち込んだ灰犬と黒犬は合計30体でしたので

解体料金を差し引いた量として・・・

毛皮は10体分と食料としての肉は15体分ですね。」

「それでは毛皮を5体分にして肉を多めにお願いします。」

「わかりました、毛皮を5体分とした場合・・・

肉は22体分ですが宜しいですか??」

「はい、大丈夫です。冬期間前という事で食料の方が嬉しいです。

それにしても毛皮の方が価値があるんですか?」

「冬期間前という事で需要が高まってますからね。

毛皮の価値としては黒犬よりは灰犬の方が高値で取引されてますし・・・。

もっとも『野うさぎ』や『野うさぎ亜種』の方が高値ですが

黒熊や大猪は冒険者達には人気がありますね。」

「黒熊や大猪ですか・・・?」

「黒熊の毛皮は厚く強靭である為に加工次第では防刃に優れた防具を作ることが出来ます。

大猪も同じく毛皮が厚く防御力が高いのに加え魔法が効き辛く冒険者には人気になっています。」

「話を聞く限りどうやって倒せばいいのかわからないのですが・・・?」

「そうですね、黒熊も大猪も討伐するにはパーティーの場合はランクC以上あれば大丈夫です。

1人で討伐する場合は・・・ランクB以上あればギルドでは安心できますね。」

「ランクBとCですか・・・僕には無理だな。

そかも、防御に優れた黒熊や大猪を相手に何をしていいのか考えが付かない・・・。」

「黒熊は噛みつきに加えて切り裂きにより接近戦は危険が伴います。

大盾で攻撃を受け流し大槍により遠距離からの攻撃で・・・

確か目や口に攻撃を集中させるとか聞いたことがあります。」

「やはり大猪も同じ感じで戦うんですか?」

「そうですね、出来れば接近する前に討伐する事をお勧めします。

もしそれが無理な場合は一目散に逃げる事をお勧めします。」

「なるほど・・・、それで黒熊と大猪は灰犬や黒犬よりも高値で取引されますか?」

「そうですね・・・、軽く見繕って黒熊は灰犬の3~5倍の値段で取引してますね。」

「そんなにですか、毛皮の価値を考えると確かに・・・。

それよりも灰犬や黒犬よりも食料としては魅力的な気がする。」

「食材としての黒熊と大猪は食堂や宿屋では人気がありますね。

もっとも食材としては高級食材の部類になります。」

「ちなみに解体をするとしたら灰犬や黒犬と同様に考えて大丈夫ですか?」

「それはご自身で解体するとしての事ですか?」

「はい、僕自身は『野うさぎ』灰犬に黒犬は解体経験はありますが・・・

大型の黒熊や大猪は未経験なもので・・・もしもの時はどうしたらと思い・・・。」

「それなら仮に討伐した場合はギルドへ持ち込んで下さい。

ギルド職員の解体作業を見学してはどうですか?」

「その時はお願いします。」


ジンは解体した毛皮と肉をアイテム内に保管し


「そうだ、黒亀について1つ聞きたいんですがいいですか?」

「それは『冬眠』についてですか?」

「はい、クロは『東の森』の洞窟で『冬眠』していたと教えてもらいました。

街で『冬眠』する場合、宿屋の一室で無事に『冬眠』可能なんでしょうか?」

「『冬眠』については『クラシラス』では詳しい資料がありません。

洞窟内で『冬眠』する事は知識としては知ってはいますが

実際どのような環境で春を迎えるのかはわかりません・・・。」

「それでは黒亀をテイムしている冒険者達はどうやって冬期間を過ごしているんですか?」

「冬期間を南の雪の降らない場所で暮らすのが一般的ですが・・・

中には持ち家を改造し地下室を作り人工的に洞窟と同じ環境にし春を迎えると聞いたことが・・・。」

「地下室に人工的な洞窟ですか・・・持ち家が無いのでそれは無理だな・・・。

街の外で冬期間を過ごすのは可能ですか?」

「えーと、ジンさんは冬期間中は街の外・・・草原で過ごすいう事ですか?」

「『土魔法』で簡易小屋を作れますし暮らす分には問題無いかと・・・?」


受付嬢は少し考えながら「『土魔法』で簡易小屋ですか・・・」「いや、しかし・・・」

ジンの話を聞き受付嬢はぶつぶつと何やら考え始め・・・


「過去に草原や森で冬期間を過ごす冒険者達がいたと聞いたことがありますが

その時は街での宿屋代の節約という事だったはず・・・。

確か草原や森の一角に木製の小屋を建てたはずですが・・・。」

「木製の小屋ですか・・・灰犬や黒犬の襲撃に耐えれる小屋だったんですか?」

「小屋の周囲に柵を作り灰犬や黒犬の襲撃に備えたはずです

それと襲撃があったとしても実際にはランクBのパーティーだったので

黒熊の襲撃にも問題無く返り討ちにしたはずです。」

「ランクBのパーティーが街の外で暮らす条件ですか?」

「いえ、そのような条件はありません冒険者の行動は基本自己責任です。

出来れば簡易小屋の場所をギルドへ申告してもらいたいですね。」

「それは何故ですか?」

「簡単に言えば生存確認です。

いくら実力があっても街の外は何があるかわかりませんからね・・・。

それでジンさん達が草原や森で過ごすとしたら予定場所は考えてますか?」

「『東の森』の手前が予定場所ですが・・・。」

「『クラシラス』から歩いて1日の距離ですか?」

「はい、『東の森』の探索時で寝泊まりした場所よりは街の側ですね。」


ジンはギルドから配布された小冊子の地図に簡易小屋の予定場所を書き込み

受付嬢は街と森との距離を調べ


「馬車で半日の距離ですか・・・。

魔法強化で走ったとして夕刻までの距離ですね。」

「クロに騎乗すれば半日の距離です。

その日のうちに簡易小屋を作り上げれば寝る場所に困る事は無いです。」

「そういえば黒亀に騎乗すれば・・・そうですね。

ちなみに、ジンさん達はいつ頃『東の森』へ向かうんですか?」

「2~3日後に『東の森』へ向かう予定ですが・・・

食料を大量購入しなくちゃいけないしなぁ・・・

それと冬用の衣装も買う必要もあるし・・・

街を離れる前にポーションを納品していいですか?

所持金が心もとないので・・・食材は豊富なんですが

調味料や露店の商品を買い込むには資金不足な訳で・・・」

「わかりました、それではポーションの『鑑定』をします。

しばらくお待ちください・・・。」


受付嬢はテーブルに並べられたポーションを1つずつ『鑑定』していく。

ジンの並べたポーションの他に『熱さまし』や『胃腸薬』のあり

全てのポーションの『鑑定』を終えたのは20分後になっていた。


「ポーションは合計30本ですが下級が10本の中級が20本ですね。

『熱さまし』が15本の『胃腸薬』は8本と・・・。」

「これで僕の調合したポーションは在庫無しです。」

「冬期間中はポーション作成の予定は・・・?」

「ポーション作成は予定してますが街へ戻る予定はありませんよ?」

「理由を聞いてもいいですか?」

「クロが『冬眠』しているのに離れる訳には行かないでしょ?」

「あー、そういう事ですか・・・。

それならギルドとして受け取りに行くとしたらどうですか?」

「簡易小屋にですか?」

「そうです、冬期間中なので1月に1度になると思いますが・・・。」

「簡易小屋に籠るので受け取りに気が付かない場合は・・・。」

「何か音が鳴る鐘とかで知らせますのでお願いします。」

「何故にそこまで親切にしてもらえるのか・・・。」

「それはジンさんが優秀なポーションを作成出来る事と優秀なテイマーという事です。

優秀な人材はギルドとしては保護対象です。」

「優秀で・・・保護対象ですか・・・。

まぁ、理由はともあれ分かりました。

多少ではありますがポーション作成をしギルドへ納品出来るようにしましょう。」

「こちらこそ宜しくお願いします。ギルドからの報酬はどうしますか?

金銭以外にも食材や食料といった物の方が良いですか?」

「そうですね、ポーションの種類にもよりますが

基本的に20本前後のポーションを準備します。

小型のマジックバックに収まる露店の『串焼き』や『焼き鳥』が良いですね。」

「他には何か要望があれば・・・?」

「それなら干した果実でもあればうれしいですね。」


受付嬢は小冊子の地図に簡易小屋の場所に報酬用の『串焼き』や『焼き鳥』を書き込んでいく。

そして『干した果実』と記入し・・・月1回と書き記して


「それでは2~3日後に『東の森』へ向かうという事と

報酬に関して『串焼き』や『焼き鳥』に加え『干した果物』で月1回でいいですね。」

「はい、だいじょうぶです。

手持ちの薬草が無くなった場合ポーション作成終了となりますので

ギルドへの納品は終了とさせて下さい。」

「わかりました、冬期間を過ごすという事で食料不足だけは気を付けてくださいね。」

「その時は灰犬や黒犬を討伐して食料を現地で確保しますよ。」

「最後に『東の森』へ向かう時は一度ギルドへ来てもらっていいですか?」

「いいですが・・・何でですか?」

「ジンさん達の簡易小屋の場所の確認の為です。

ジンさんがクロさんに騎乗して移動すると言う事で

ギルド職員は馬に騎乗し簡易小屋予定地を目視確認と

冬期間中にギルド職員が迷わずに簡易小屋へ行ける様にですね・・・。」

「そういう事なら出発前にギルドに寄りますね。」

「お願いします。」


その後ジンはポーションの報酬を受け取り

露店で冬期間中の食材を大量に買い込むのだが

食料の6割が露店の『串焼き』や『焼き鳥』になり

調味料や果物、野菜などは時期的に少量しか手に入れることが出来なかった。


宿屋のオーナーには戻り次第料理をお願いするつもりでいたが

冬期間中は時間が豊富にあるのでオーナー特製の調味料を教えてもらうつもりでいた。


「2~3日中に準備が終わればいいな・・・。

食料も大事だけど冬物の衣装や布団も買う必要があるな。」

『新しいスカーフも~』

『あたらしいりぼんも~』

『温かい布団いいかも~』

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