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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
24/90

街への帰還と『冬眠』と。

ジン達が『クラシラス』に帰還したのは次の日の夕方だった。

黒亀に騎乗したジン達を街の門番達は驚きながらも

既に2体をテイムしているジンという事もあり門番の2人は


「街に黒亀が現れたら驚くからテイム済みの証に何か着けてもらえるか?」

「このままでは街への侵入は無理だぞ?」

「何か着けるか・・・。」


ジンは肩掛けバックからタオルを取り出し


「これでもいいかな?」

「まぁ、そのままの状態よりはいいか・・・。」

「明日にでも専用の物を用意した方が良いぞ。」

「了解、クロに似合う衣装を買い揃えような~。」

『お願いね~。」


ジンはクロに話しかけながらタオルをクロの首に結んでいく。

クロは結ばれたタオルの感触を確かめなるように首を動かしている。


「どうだ、動かしづらいとかないか?」

『大丈夫~。』

「そかそか、それでは行きますね。」


ジンは門番2人に手を振り

ソラは「にゃー」と鳴き

シロは「わん!」と鳴き

クロは「きゅー」と鳴き

ジンには『『『ばいばい~』』』と話していたのだが・・・。


門番達も手を振りジン達は冒険者ギルドへ急ぐのであった。

夕方の冒険者ギルドはクエストを終えた冒険者達が報酬待ちの状態で込み合っていた。

ジンは待合室のイスに座りギルドの受付を眺めていた。

ソラとシロはジンの膝の上で丸くなり

クロはジンの足元で丸くなり体を休めている。


ジンがソラやシロを撫でながら待っていると・・・。

1時間後にはギルド内の冒険者達はいなくなり

ジン達は『東の森』での『風邪薬』の材料を受付嬢に渡し

ギルドからの個人依頼を終えるのだった。


「それにしても『東の森』の薬草をこんなに・・・

しかも状態が大変いいですね・・・。」


受付嬢はジンから手渡せた薬草を『鑑定』し

薬草の数と状態を手元の用紙に記入していく。

受付嬢が『風邪薬』の材料となる薬草の報酬を用意し

ジンが受け取り終えてから・・・


「あのクロの登録をお願いしたんですが・・・?」

「クロですか?ひょっとして足元の黒亀の事ですか??」

「はい、『東の森』で仲間にしました。

騎乗可能な大きさに変身出来ること以外は不明ですが

なかなか頼りになる新しい家族です!」


ジンの新しい家族と言われクロは「きゅー!」と嬉しそうに鳴き

クロを受付カウンターの上に載せてから

受付嬢はクロの登録を終えジンのギルドカードには新たにクロの名前が記載され


「これでクロさん登録が収録しました。

それとソラさんやシロさんの様にテイム済みという証を身に着けてくださいね。」

「もちろんです、明日にでも用意します。

折角なのでクロに黒色に似合う物を用意します!」

「あのジンさんはクロさんの事をどれくらい知っていますか?」

「クロの事?大きさを変えれる黒亀で・・・僕が騎乗可能な事くらいでしょうか?」

「そうですね、クロさんは黒亀であることで間違いないと思いますが

姿形を変える事が可能であるという事は有名です。

ジンさん以外にもテイムを成功したという話を聞いたことがありますが

テイムした彼らは黒亀に馬車を引かせたり騎乗したりしていたという話です。

それと噂では黒亀の甲羅に屋敷や砦を載せていたという逸話があります・・・。」

「屋敷や砦を載せるですか・・・どれだけ大きさを変えられるというのですか・・・。」

「最小では30㎝の大きさで・・・最大では1㎞まで巨大化可能です。」

「1㎞ですか・・・街への侵入は無理そうですね。」

「そうですね、それでも冒険者の間では人気があるんですよ。

荷馬車を引くにも騎乗するにも馬よりも力強く何より大きさを変えれることで・・・

それでジンさんはクロさんをどうしようか考えてるんですか?」

「考えるも何も『東の森』からクロに騎乗してきましたし

馬車を引くにも馬車を所持してないし・・・。」

「最後に黒亀について1つ・・・。

冬期間中の黒亀は冬眠にも似た行動が確認されております。」

「冬眠・・・眠り続けるんですか??」

「そうですね、雪が降り始めるころに食欲が増し・・・

次第に食欲が減ったと思ったら眠るように動かなくなります・・・。」

「それは病気ではなく?」

「はい、過去の資料からも黒亀の習性として記録されています。

冬眠中は部屋を暖かくし見守っていけば大丈夫です。」

「わかりました・・・。話を聞けて良かったです。

突然クロが眠りだしたら焦っていたと思います・・・。」

「いえいえ、ギルドとしましても『東の森』に黒亀が生息していたのが分かり良かったです。

それでジンさんは冬期間中の冒険者としての活動はどうするんですか?」

「薬草を調合したポーションをギルドへ納品しながら生活しようかと・・・

それと灰犬と黒犬を倒したのでお願いできますか??」

「はい、大丈夫ですよ。どちらも解体後の毛皮と肉はどうしますか?

解体料金を差し引いた分の毛皮と肉をいただけますか?」

「わかりました、これからの解体という事で受け渡しは明日になりますが・・・。」

「それじゃ、明日また来ます。」


ジンは『風邪薬』の材料となる薬草の報酬を肩掛けバックに入れ

ソラを頭の上にシロを肩掛けバックに入れクロをテーブルから下し。

受付嬢にぺこりと頭を下げ宿屋へ向け歩き出すのだった。

その後、冒険者ギルドでは深夜まで灰犬と黒犬の解体作業に追われるのだが

ジン達はそのことは知らない・・・綺麗な毛皮を大量に入荷したギルドとしては

ジンに対する苦情よりもより多くの毛皮を必要としており

後日ジンへの灰犬や黒犬などの討伐依頼をお願いしようか悩むのだった。


宿屋へ帰る道すがらジン達は露店で『串焼き』や『焼き鳥』を購入し

晩御飯前という事で1本をソラ・シロ・クロで分けて食べながら帰る事になる。

ジンのアイテム内には『串焼き』や『焼き鳥』は全て食い尽くし

明日にでも報酬の大部分は露店で『串焼き』や『焼き鳥』を買う事になる。

それとクロの衣装も購入か・・・一緒にソラやシロの衣装も追加購入かな・・・。

いろいろなことを考えながら・・・。


「まずは宿屋のオーナーの料理を食べてゆっくり寝たいなぁ~。」

『オーナーのご飯美味しいから好き~』

『おいしいからすき~』

『そうなの?すごい楽しみ!』

「クロは好き嫌いとかないの?」

『林檎は好き、苦手なのは・・・なんだろ?

森の中では食べる物が無くて何でも食べていたけど・・・

今はジンの食べさせてくれた果物が一番好き!』

「そかそか、今度露店で好きな果物を調べような~。

『串焼き』や『焼き鳥』も食べていたけど?」

『美味しかった、初めて食べたけど好きな味だった。』


クロは目を細めながら嬉しそうに話す。

それと先ほどの受付嬢の話で聞いた『冬眠』について聞いてみると


『『冬眠』って眠くなるアレかな?

森にいた時は洞窟の中で丸くなって眠っていたはず・・・。』

「多分それが『冬眠』というやつだね。」

『今回はジン達と一緒だし眠るの勿体無いなぁ・・・。』

「それはクロの習慣というやつだから無理に『冬眠』しないとダメだと思うよ。

その後どんな影響があるかわからないし・・・

今年からは宿屋の部屋で一緒に過ごせるから安心していいよ。

『冬眠』前に食欲旺盛になるらしいから宿屋のオーナーの料理を堪能しよう。」

『それは楽しみ』


ジンの話を聞いたクロは嬉しそうに歩き出す。

初めて街へ来たというのに緊張する事無く歩く姿にジンは大物だなと思うのだった。

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