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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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初めての『東の森』新たな仲間・・・。

ジン達は『東の森』での薬草採取は移動と採取を繰り返し

『風邪薬』の各種薬草を取り揃える事になる。

それ以外にもジンが調合したことのない薬草も採取していた。

問題は『東の森』での野獣達との戦闘であった。

探索初日に灰犬や黒犬の群れとの戦闘はあったものの

その後のジン達は戦う事をせずに森中を縦横無尽に移動を繰り駆けしていた。


「それにしても『東の森』は野獣が豊富だね・・・。

『土壁』で囲っての薬草採取だけど思いのほか緊張する。」

『『土壁』を壊すことは出来なくても体当たりをするモノもいるしね。』

『ね、ね、なんでたおさないの?』

「倒すというより戦うのは苦手なんだよ。

それにね今回は僕らが彼らの住処に侵入しての事だし・・・ね。」

『この採取場所の薬草はどれくらい採取するの?』

『?』

「各薬草を10本1束にして・・・5束かな?

この採取場所は結構の広さがあるし大量に採取しても大丈夫でしょ。」

『了解~』

『あい~』

「2人とも周囲の警戒よろしくね。」


ソラとシロはこくりと頷き、ジンの作り出した『土壁』の上に立つのだった。

対角線上に立つソラとシロは『土壁』の上から監視をしているのだが・・・

ここ最近は『土壁』にというか、ジン達を襲う野獣は減り遠巻きで見つめるだけになっていた。

決してソラやシロが野獣達を威嚇しているわけではなく・・・。


『今日も来てる・・・。』

『あ、ほんとだ。』


ソラとシロは『土壁』の上から1匹の黒亀を見つめていた。

『東の森』探索2日目から何故か黒亀が『土壁』に爪を立てていた。

最初はジン達を襲ってきたのかと思ったがMAPを何度見返しても

黒亀のマーカーの色が赤で無かった事もあり放置していたのだが・・・


ジンも気になり『土壁』に上り黒亀を目視で確認する。

ジンは黒亀と一瞬目が合い・・・『きゅー』と黒亀が声を出した。


「何故に来るのかな・・・。

敵対意思はないみたいだが・・・。

ソラでも会話は無理なの?」

『んー、襲う気が無いのはわかるけど・・・さっぱり。』

『じー』

「どしたのシロ?」

『さぁー、何か気がついたのかな??』

『ねね、しろとおなじくていむしてみたら?』

「テイムか・・・物は試しか・・・

言葉が通じる可能性もあるしやってみるか・・・。

その前にソラとシロは黒亀にテイムするけどいいか?と聞いてくれるかな?」


ソラとシロは声を揃え『『テイムするから受け入れて~』』と話し

黒亀は静かにこくりこくりと頷き『きゅー』と鳴くのだった。


その後、ジンは黒亀とのテイムは成功し『土壁』内部に迎え入れたのだが

黒亀に贈った名前は『クロ』とし最初に会話をした内容は・・・


『美味しそうな林檎を!』

『美味そうな肉を!』

『美味しそうな食事を!』


という内容だったジン達は『おなかが空いてただけか』と声を揃えるのだった。

ジンは薬草採取を中断し食事の準備を始めるのだった。

アイテム内から林檎を取り出し食べやすいようにカットしクロに食べさせる。

流石にクロを抱きながらの食事は無理があるので

地面に毛皮の敷物を敷き直接座り

ジンの前ではソラ・シロ・クロが口を開けて『食べさせて』と待ち構えるのだった。

ソラとシロは『串焼き』と『焼き鳥』を交互に食べさせ

クロに関しては林檎を3つ食べてから『串焼き』2本を完食し

子猫と子犬は黒亀の上で昼寝を始めるのだった。

勿論、黒亀も静かに昼寝を始めるのを確認し

ジンは音を立てないように『串焼き』を頬張りながら

「アイテム内の作り置きの料理が足りるかな・・・」と呟くのであった。


『風邪薬』の材料探しをしに『東の森』探索を始めて5日が経過していた。

各種薬草もギルドへ納品する物以外にも自分用に結構の数を確保しており

冬期間中にジンが『風邪薬』を調合する事は可能になった。


それに冒険者ギルドから『風邪薬』の材料探しと教えられた薬草は

『熱さまし』『咳止め』といった『風邪』の症状を抑える薬草になっており

複数の薬草を調合し完成したのを『風邪薬』として知れ渡ったと考えていた。

確かにギルドから教えられた薬草3種類では『風邪薬』にはなりそうだが

『熱さまし』と『咳止め』に効くだけの簡易的な『風邪薬』になりそうな気が・・・。


実際には『東の森』の薬草採取場所にはそれ以外の薬草も生い茂り

『のどの痛み』と抑える薬草や『鼻水』を抑える薬草に多種多様な薬草を取り揃えた。

後は街へ戻っての組み合わせ次第で特化型の『風邪薬』が完成しそうな気がするが・・・。


「アイテム内の薬草が結構溢れる感じがするなぁ・・・。

食料はある程度消費したけど・・・この場で調理は難しすぎるな。

それと冒険者ギルドにクロの事も報告しないといけないし

それにしても黒亀が『東の森』にいる事はギルドからも説明受けてないんだけどな。」


先ほどテイムしたばかりなのにソラとシロは安心してクロの上で寝てるし

この警戒の無さというかテイムして仲間になった事により

一緒に行動する事は嬉しい事なのだが少しだけ寂しいジンであった。


それから2日後ジン達は街へと帰還するのだが

クロの『乗らないの?』と言われたので「乗って大丈夫なのかな??」と聞くと

『大丈夫!』と言った後にクロは魔法を唱えると1mだった身体が2mの大きさになり

「これなら座れるか・・・」とクロに跨るとソラとシロがジンに飛びつき抱きしめる。


「よし、とりあえずゆっくり進んでみてくれ。

安全を考えてクロの周囲に『魔法障壁』と展開して・・・

それからクロには『身体強化』と『速度強化』を施せばいいかな?」

『それなら『魔法障壁』は任せて!』

「それじゃソラに『魔法障壁』をお願いね!」

『なにすればいい??』


腕の中でシロがジンを見上げながら聞いて来たので

ジンはシロを抱き締めなおしてから


「もしもの時は『水弾』を撃てるようにしてもらっていいかな?」

『うっていいの??』

「そうだね、向かってきたら撃っていいもらっていいかな?」

『まかせて~!』


ジンはクロの甲羅を撫でながら『身体強化』と『速度強化』を唱える。

クロの身体が微かに輝き出し『きゅー』と鳴き動き始める。


「それじゃ『土壁』を解除したら街へ向け移動開始ね!」

『『『おぅ~』』』


ジンは『土壁』に手を付け魔力を抜き・・・静かに『土壁』は崩れ始める。


「街へ帰ろう!」


ジンの合図でクロは駆け出す!

最初はゆっくりと・・・それから徐々に速度を上げていき!

最終的には魔法で強化したジン達並みの速度で『東の森』』の木々を避けながら駆け出す!!


魔法で強化を施し障壁で守りを固めたクロを止める者は『東の森』には存在しなかった。

それでも襲ってくる灰犬や黒犬はシロが『水弾』で撃ち抜き

ジンが即座に倒した灰犬や黒犬をアイテムに保管し

ソラは現状を維持するために『魔法障壁』を常時展開し

クロは身体の周りの『魔法障壁』がすごいという事だけを理解していた。

それ以上にシロの魔法にも驚きつつジンの灰犬や黒犬を保管する魔法に再度驚き


『みんな凄いな~!』

「クロも無理せずな~疲れたら休憩をしような~!」

『クロも速い速い~!』

『はやい~!』

『魔法の効果で速度が上がってる感じがする~』

「クロは移動する時に魔法は使わないの?」

『んー、移動時は小型化してるから『速度強化』は使ってるかな?

それでも今のような速度では無かったと思うけど・・・何でかな?』

「それは『身体強化』と『速度強化』の魔法の効果の違いじゃないかな?

僕等は魔法の修練をし効率良く魔法を行使できるからね。」

『それなら同じように魔法の修練をしたら速度を上げることが出来る・・・?』

「もちろん可能だよ~。」

『街へ戻ったら魔法の修練を教えてもらってもいいかな?』

「ええ、一緒に強くなりましょう~。」

『強くなろう~!』

『なろう~!』

『お願いね、ソラにシロ!!』

『『おぅ~』』


ジン達が『東の森』の深部に費やした時間は3日間・・・

それを魔法で強化したとはいえクロは僅か1日で『東の森』の外れまで移動をしていた。

30分ずつの移動と休憩を繰り返しクロは身体に負荷をかける事無く最初の野営地に到着していた。

そこは『土壁』と監視塔を作り上げた場所で今は何もない場所であったが・・・。


「どうする?もう一度ここに『土壁』と監視塔を作る?」

『明日には街へ帰るし『土壁』だけで大丈夫~』

『きょうはここでねましょ~』

『明日には街につくのか・・・。

初めての街だし緊張するなぁ~。』


明日街へ到着するという事でクロのテンションが高い気がする・・・。

ソラとシロは野営に慣れてきたのか『東の森』で眠ることに抵抗が無くなってるな。

ジンは休憩と宿泊を考え『土壁』で周囲を囲み上げる。

寝る部屋とお風呂とトイレを作り上げ簡易小屋を完成させてから

部屋の暖炉に火をつけてから晩御飯の準備を始める。

ソラとシロとクロは暖炉の前に敷かれた毛皮の敷物の上でまったりしており

ジンがアイテム内から『串焼き』や『焼き鳥』を取り出すと目を覚まし・・・。


『もうご飯?』

『『串焼き』?』

『林檎ある??』


ソラ・シロ・クロは声を揃えて聞いて来たので・・・


「そうだね、少し早いけど晩御飯にしようか~。

明日は街に到着する予定だし、晩御飯はいつもより多めに食べようか~。」


ジンはそう言い『串焼き』や『焼き鳥』に加え

『角煮』や『煮込みスープ』と取り出し小皿に盛り付ける。

ソラやシロは『串焼き』や『焼き鳥』を見つめ

クロは初めて見る『角煮』が気になるのか「じー」っと見つめている。

最後に林檎など果物を取り出しカットし小皿に盛り付けてから

ジンは手を合わせ「いただきます!」と食事の合図をすると

ソラ・シロ・クロも『『『いただきます!』』』と声を揃えてから食べ始める。

いや、ジンが食べさせ始める・・・。

移動中はソラとシロは常時魔法を唱えていたし

クロは魔法で強化していたとはいえ30分間の全力移動の影響なのか

いつも以上に食欲旺盛で『串焼き』や『焼き鳥』は格10本以上食べ尽くし

『角煮』や『煮込みスープ』も粗方食べ尽くしてしまっていた。

そして、満腹になったソラ・シロ・クロは毛皮の敷物の上で眠り始めたので

ジンは慌てて布団を取り出し「こっちに寝なさいな~」と声をかけるのだった。

布団の上で仲良く眠るのを見つめながらジンは残された料理を食べながら


「明日は街へ帰還か・・・。

予定よりも『東の森』に籠りすぎたかな・・・。

まぁ、ギルドに頼まれた薬草は確保したし大丈夫だと思いたい。」


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