初めての『東の森』戦闘へ・・・。
次の日のジン達は監視塔から灰犬や黒犬が『土壁』に体当たりを仕掛けていた。
『土壁』には多少の綻びが見えるが・・・それでもしばらくは持ちそうであった。
ジンは目視とMAPで灰犬と黒犬を確認し
「さて、灰犬9体と黒犬7体ですか・・・
ソラとシロは遠距離狙撃をお願いしてもいいかな?」
『ここから狙い撃つの~?』
『じんはいっしょじゃないの~?』
「2人が倒した灰犬と黒犬の回収かな??
倒した灰犬達をそのままにしておいたら黒熊が集まってきそうだしね。」
『それならジンを避けながら魔法を撃つの??』
『・・・あてちゃわないかな』
「大丈夫、灰犬と黒犬を避けながら駆け回るし・・・
当たっても大丈夫な様に『魔法障壁』を展開するから!」
『そっか~、それなら遠慮なく魔法を撃ちまくる!』
『うちまくる~!』
「うん、お願いね~。」
ジンは『身体強化』と『速度強化』を唱え
「それじゃ、行ってくる!」
監視塔から飛び出し灰犬や黒犬が溢れている『土壁』の前に降り立つ。
そして次の瞬間、『土壁』の周囲を駆け出すのだった!
魔法の効果によりジンは灰犬や黒犬よりも早く移動が可能になり
ジンは一定の距離を保ちながら駆け出しソラやシロに手を振り
「魔法撃って~お願い~!!」
監視塔のソラとシロは『『それじゃ~』』と声をそろう頷き合ってから
ジンを追いかけている灰犬と黒犬に魔法を放っていく!
ソラは『土弾』を灰犬の頭部へ狙い撃ち!
シロは『水弾』を黒犬の頭部へ放つ!
ソラの精密な『土弾』は確実に灰犬を撃ち倒し
シロの『水弾』は頭部へ命中すれど倒すに至らず複数命中させ倒していく。
ジンはそんな様子を見ながら「僕より魔法が上手なんじゃ・・・」と呟くのだった。
倒した灰犬や黒犬はジンのアイテムに保管していく。
もっともアイテム内に保管しないとジンの駆け回るスペースを確保する為でもあるが
何より倒した灰犬や黒犬を新鮮な状態で確保することを第一に考えての事で
倒した灰犬や黒犬を残らず持ち帰ろうとかは考えていなかった・・・はず?
ソラとシロの遠距離狙撃による魔法の攻撃は1時間以上続き
最終的には戦闘開始時よりも多くの灰犬と黒犬を倒すことになる。
灰犬が14体に黒犬が16体・・・合計30体の毛皮と肉を確保したことになる。
ジンはMAPを見ながら周囲に赤マーカーの反応が無いことを確認し
ソラとシロのいる監視塔へと戻るのだった。
ジンが監視塔の小部屋に戻るとソラとシロが嬉しそうに抱き着き
ジンは嬉しそうに抱きしめながら「最初の戦闘お疲れさま~」と労いの言葉を贈るのだった。
そして、ソラとシロを撫でながら「少し早いけど昼ご飯にする?」と聞くと
『ん~、『串焼き』が欲しい~!』
『『くしやき』ほしい~』
どうやら昼ご飯よりも『串焼き』を食べたいみたいなので
ジンは『串焼き』をソラとシロに一口ずつ食べさせていく。
ジンは2人の食べっぷりを見ながらニコニコしていた。
『串焼き』を2人で2本食べきったところで
『お腹いっぱい~昼寝していい??』
『ねむねむ~』
「あぁ、魔法を使ったことだし魔力回復も必要だね。
僕が周囲の警戒をするから2人はゆっくり昼寝していいよ。」
ジンは眠り始めたソラとシロを布団へと運び「おやすみ~」と声をかけるのだった。
ソラとシロが静かに眠り始めたのを確認してから
ジンはアイテム内から林檎を取り出し頬張っていく。
MAPからは目を離さず監視塔の周囲の警戒をしていくのだが・・・
『東の森』から赤マーカーは接近しておらず
代わりに街の方から冒険者たちが接近しているのを見て取れた。
「さてさて、まっすぐここへ向かっているか・・・
何事もなければいいが面倒事は控えたい気がするな・・・。」
監視塔から冒険者たちを目視で堪忍する頃には草原は暗くなりはじめ
ジンは監視塔の小部屋を魔法で照らし暖炉の火を点した頃であった。
冒険者たちは『土壁』の周りをぐるぐると歩き回り入口が無いことを確認し
『土壁』の壁向こうから大声を出し話しかけてきた。
「おーい、誰かいないかー!」
「俺たちも中に入れてくれないかー!」
「おかしいな塔の中に明かりが灯っているから誰かいるはずなんだが・・・」
「それよりも前に来た時には塔は無かったよね・・・」
『土壁』の向こうで声をあげている冒険者たちは男3人の女1人の4人組だった。
『土壁』の高さと厚さのより物理的に中に入ることがかなわずにいた。
ジンは「さて、どうしようか~」と考え
『土壁』を越えることが出来ない冒険者なら監視塔を上るなら無理だと思い
ソラやシロに「外の冒険者に話しかけてくる」と言い小部屋の窓から外へ出るのだった。
冒険者達は塔から人が飛び降りるのを確認し「「「「あぶな!」」」と声をあげるのだったが
ジンが無音で地面に降り立つのを確認し
「あの何か用ですか?」
そう声をかけると冒険者達はジンを取り囲み
塔の高さから降りたのに無事な事に驚き
「そうだ、中に入れてくれないか?」
「この場なら野営しても大丈夫そうだし」
「なぁー、いいだろー」
冒険者たちは矢継ぎ早に話しかけてくるが・・・
ジンはなんか面倒そうなので『土壁』の一部を解除し
「中に入るのはいいですが安全の保障はしませんよ?
それと僕らは明日の朝にはここを出ます。
この塔は明日には自然に解除しますので気を付けてください。」
ジンの言葉に首を傾げ冒険者たちは何のことかわからず
「明日には自然に解除??」
「それに安全の保障って??」
「『土壁』を塞ぐとあなた達は出ることが出来なくなるので
このまま『土壁』の一部は開けておきます。
自然解除というのは、この塔は『土魔法』で作られているので
時間の経過とともに消滅します・・・早ければ明日にでも・・・消えます。」
ジンの『土魔法』で作ったという話を「まさか・・・」「嘘だろ・・・」と話している。
それよりも『土壁』の一部をこのままと聞き
「壁の穴を塞いでくれないのか?」
「このままじゃ、ゆっくり寝れないんだが・・・」
「俺達も塔には上げてくれないのか?」
ジンは「はぁ~」」と息を吐き塔の小部屋の窓を指差しながら
「あの塔の入口はあの窓だけです。
あなた達はこの場で休む事をお勧めします。」
ジンはそう言い魔法を唱えてから
塔の小部屋の窓まで壁を蹴り駆けあがる。
ジンが小部屋の窓から塔内部に入るのを確認し
「すげー本当に蹴り駆け上がったよ・・・。」
「魔法を唱えても上がるのは無理な気が・・・。」
「それよりどうする明日には自然に消滅するなら・・・
この場の安全も今だけという事になる・・・。」
「それに今日は壁の入口だけを警戒すればいいし
いつもの野営よりは幾分楽をできるんじゃないか?」
冒険者たちは壁の空いている場所で焚火をしている。
灰犬も黒犬も野獣という事もあり焚火があるだけで近付かないという事みたいだ。
ジンは監視塔から冒険者達の様子を確認し
あの様子なら夜に襲われることも無いでしょと思い
小部屋の窓を小さくし外部からの侵入を防ぎ
少し遅めの晩御飯の準備をするのだった。
ソラとシロは外の冒険者たちの騒いでいる声が煩かったのか
小部屋の壁を厚くし・・・さらに窓を小さくしてから眠ることになる。
ジンも塔の外の冒険者達が灰犬と黒犬の相手をしてもらえると思い
寝る前に久しぶりに果実酒を飲み眠ることになる。
この日は灰犬と黒犬の襲撃こそ無かったものの
塔を取り囲む灰犬と黒犬は昨日よりも増えていることをジン達は知らない・・・
そして、安全と思われた『土壁』の中で野営する冒険者達は
『土壁』の向こう側に集結しつつある灰犬や黒犬の反応があり
交代で眠ることよりも襲撃に備え眠らずに常時警戒する事になる。
冒険者達は当然と思い『土壁』内部で野営をしますが
普通の冒険者なら追い出される行為であることを冒険者達は知らずにいた。
ジンにしてみたら最低限の会話ををし
朝になったら塔を離れる事を考えての行為であった。
その為、夜間中に襲われても助ける気はなかった。
寝る場所は提供したから、安全は自分達で何とかしろと考えていた。
「まぁ、死ぬ事になっても自己責任でしょ。」




